サッカー韓国代表史上初のドイツ系選手であるMFイェンス・カストロップ(22、ボルシア・メンヒェングラートバッハ)が、代表チームの“文化”に対する驚きを語った。
ドイツメディア『キッカー』は10月6日(日本時間)、カストロップとのインタビュー内容を伝えた。インタビュー内でカストロップは「海外のクラブでは経験できなかった文化が存在する」と、韓国代表で経験した出来事を語る。
デュッセルドルフ出身でドイツ人の父と韓国人の母を持つカストロップは、これまでドイツの世代別代表でプレーしてきたが、今年8月に登録先をドイツサッカー連盟(DFB)から韓国サッカー協会(KFA)に変更。9月に韓国代表に初招集され、同月7日のアメリカ代表戦で途中出場しデビューを飾った。
「信じられないほど感激した。強豪相手にひるまず、勇敢に戦った。アメリカ戦ではエネルギーがあふれ、まるで味方が2人多いように感じられた」と、カストロップは韓国代表デビューを振り返る。
カストロップは韓国代表内の“文化”についても率直に語った。「韓国では礼儀がとても重んじられている。挨拶の際には頭を下げるし、若手はエレベーターに一番最後に乗る。食事の後は年上の選手に果物を持って行き、全員が食べ終わるまで誰も席を立たない」と笑いながら明かした。
そんななかで、韓国の“英雄”ソン・フンミン(33、ロサンゼルスFC)との出会いは特別なものだったという。
「ソン・フンミンは完璧なリーダーだ。プレーは言うまでもなく、チームをひとつにまとめる力を持っている。選手だけでなくコーチ陣からも尊敬されている人物だ。テレビで見ていたスターを直接目にした時は驚いたし、人間的にも本当に温かい人だった」
また、言語面については「韓国語はとても難しい。今はオンラインで簡単な文章こそ読めるが、話されると理解できない。幸いほとんど英語で会話できるし、通訳もいる。母もよく助けてくれる」と説明。韓国を代表する食べ物こと「キムチ」の話題が出ると、「正直、自分にはキムチが辛すぎる。母が時々作ってくれて、兄弟は好んで食べるが、自分はまだ慣れない」と笑顔で打ち明けた。
カストロップは今月10日にブラジル代表、14日にパラグアイ代表とソウルワールドカップ競技場で対戦する韓国代表メンバーに招集されている。首都ソウルを「息をのむほど美しい」と表現したカストロップは、「母はあの街で育ち、今回も試合を見に来る。ホテルのロビーを歩けないほどファンが多く、涙を流して抱きとめられる。まるで現実とは思えない体験だった」と胸中を伝える。
DFBからKFAへの“協会変更”については、「非常に難しい決断だったが、自分の中にはアジア的な部分が強くあると感じた。母の祖国のためにプレーすることが自然に思えた」と説明。兵役問題については「代理人が協会と綿密に話し合っている。今は代表で自分を証明することが優先だ」と言及した。
最後に、カストロップは「ブンデスリーガで初ゴールを決めたが、チームが負けてしまったので心からは喜べなかった。とはいえ、ユース時代から夢見てきた舞台でヘディングシュートを決められたのは特別なことだった。これからはチームの勝利とともに喜びたい」と意欲を語っていた。
(記事提供=OSEN)
前へ
次へ