監督が部員をシャベルで殴打、隠蔽…被害者が命を危険にさらして判明 韓国学生スポーツ界の闇

2025年08月15日 スポーツ一般

日本では高校野球の名門・広陵高校の事件が尾を引くなか、韓国の学生スポーツ界でも衝撃の事件が発生した。

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最近、慶尚北道尚州市(キョンサンブクド・サンジュシ)のある中学校のシルム(韓国相撲)部で、監督が生徒の頭をシャベルで殴る暴行事件が発生。これを受け、大韓体育会は8月14日「最高水準の処分規定と無寛容の原則を全面適用する」と発表した。

体育会はこの日、「シルム部のシャベル暴行事件をはじめ、テコンドー、フィギュアスケートなど、相次いで明るみに出た未成年者への暴行や長期間にわたる苛酷行為の事件について、深く遺憾の意を表する」とし、「このような事件を再発させないため、最も厳しい水準の処分規定と無寛容の原則を施行する」との声明を発表した。

大韓体育会ユ・スンミン会長
(写真提供=OSEN)大韓体育会ユ・スンミン会長

現地メディア『聯合ニュース』によると、事件は6月5日にシルム場で発生したという。練習態度が不真面目だったという理由で、監督が2年生部員A君の頭をシャベルで殴打した。

A君は縫合する必要があるほどの怪我を負ったが、この事実は2カ月近くも外部に知られなかった。しかし、7月28日、A君が自ら“この世から去ろうとした”ところを父親が発見し、無事救助。その後、暴行被害を打ち明けた。

学校側は監督を児童虐待の容疑で警察に告発した。今月12日にはスポーツ倫理センターも慶尚北道のシルム協会から本件の通報を受け、事実関係の確認に着手している。

大韓体育会は「今回の事件は、指導者が学生選手に深刻な傷害を負わせ、被害事実を長期間隠蔽するなど、暴力と沈黙の構造が未だスポーツ界の一部に深く根付いていることを示す重大な人権侵害事例だ」とし、「今後、加害指導者に対し、永久資格剥奪を含む最高レベルの処分を下し、関連規定を厳格に適用する方針」と強調した。

先立って5月26日、大韓体育会はスポーツ公正委員会を通じて、「成人指導者による未成年者への暴力・性犯罪の加重処罰新設」「処分時効の延長および被害者が成人に達した時点からの時効起算」「被害者と加害者の即時分離と心理安定措置の義務化」などの主要規定改正を議決していた。今回の事件を契機に、制度的措置を現場で即時稼働させ、追加の改正も進める予定だ。

大韓体育会
(写真提供=大韓体育会)大韓体育会理事会の様子

大韓体育会のユ・スンミン会長は「成人の優越的な地位を利用した未成年者への暴行や性犯罪、そして選手間の暴力は、決して訓練や指導の一環として正当化されるものではない」と述べ、「大韓体育会は被害者の保護と加害者の排除を同時に実現する制度的措置を確立し、学生選手の権益と人権保護のために最後まで責任を果たす」と語った。

大韓体育会は今回の事件を単なる個人の逸脱した行動とは捉えておらず、界隈の一部に存在する構造的問題と認識している。文化体育観光部、教育部などの関係省庁と協力し、学校の運動部を含む全ての現場で、暴力と隠蔽の慣行を根絶する実効性のある対策を策定・実施する方針だ。

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