サッカーU-17アジアカップに出場中のU-17日本代表に選ばれている“韓国育ち”のメンバーに韓国メディアが注目している。
U-17日本代表は4月8日(日本時間)に行われたU-17アジアカップ・グループB第2節でベトナムと1-1で引き分けた。試合は前半13分にFW吉田湊海のゴールで先制するも、後半アディショナルタイムにPKで失点し、ドロー決着となった。
本大会はグループA~Dの各組上位2チームが決勝トーナメント進出とともに、今年11月にカタールで開催されるU-17ワールドカップ出場権を獲得する。日本は次戦、日本時間11日に行われる第3節オーストラリア戦を引き分け以上で終えれば、自力で決勝トーナメント進出&U17W杯出場を決める。
そんなU-17日本代表には、韓国人の父を持ち、韓国Kリーグの下部組織に所属経験のあるストライカーがいる。FW谷大地がその人だ。
2008年7月1日生まれで現在はサガン鳥栖U-18に所属する谷大地は韓国名を「キム・ドユン」とし、父に韓国の人気歌手キム・ジョンミンさん、母に同じく歌手の谷ルミコさんを持つ。
谷ルミコさんはかつて1999年、「三佳千夏(みよし・ちなつ)」の芸名で「モーニング娘。&平家みちよ妹分オーディション」に出場し、第1回グランプリを獲得して歌手デビューした経歴がある。
そんな両親のもとで生まれた谷大地は、韓国で首都ソウルを本拠地とするプロサッカーチーム「FCソウル」の下部組織に所属した。なお、1歳年上の兄で鳥栖U-18所属のGK谷泰養も「キム・テヤン」の韓国名を持ち、過去に光州(クァンジュ)FC下部組織でプレー。2013年生まれの末っ子も兄たちに倣ってサッカーをしていたが、現在は野球に取り組んでいるという。
両親が芸能人ということもあってか、谷大地ら3兄弟は韓国でバラエティ番組に出演したこともある。
特に谷大地は、かつてMFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)らを輩出し、元Jリーガーのユ・サンチョルさんも監督役で出演したKBSの『飛べ、シュットリ』(原題)に2014年放送の第6期メンバーで出演。その後も2022年の『スーパーDNA、血は騙せない』(原題)、2023年の『フリーなドクター』や『最近の男子ライフ、新郎授業』(原題)などで、親とともに数々の番組に登場している。
その谷大地が今回、U-17日本代表の一員としてU-17アジアカップに参戦していることを受け、韓国のネットメディア『エックスポーツ・ニュース』は8日に「歌手キム・ジョンミンの息子、U-17アジアカップに日本代表FWとして参加…トーナメントで韓国と対戦するか」と見出しを打ち、「谷がU-17アジアカップに出場したことで、父の祖国・韓国との試合に出場するかも注目が集まる」と伝えていた。
U-17韓国代表は現在、グループCで1勝1敗の2位に位置しており、第3節イエメン戦で引き分け以上ならC組2位での決勝トーナメント進出およびU-17ワールドカップ出場が決定する。
仮に日本がB組1位通過なら両国は準決勝、B組2位通過なら両国は決勝でのみ対戦可能性がある。いずれもまずはグループ突破を決め、決勝トーナメントを勝ち抜くことが必要だが、今大会で日韓が激突することはあるのか。その際は谷大地が日本代表の一員として父の祖国と戦う光景を見てみたいところだ。
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