韓国のプロサッカーKリーグが、試合数削減のカードを取り出そうとしている。
1クラブ当たり3試合ずつの計33試合とファイナルラウンド5試合の方式から、1クラブ当たり計22試合とファイナルラウンド10試合にするとの代案が提起された。
新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕を4月20日以降に延期した韓国プロ野球KBOリーグも、試合数を削減しなければならないとの声が出ている。
だがKリーグとKBOリーグを同じ基準で見るのは難しい。
韓国野球委員会(KBO)は、KBOリーグを持続可能な産業モデルと捉えて、その地位を固めるために総力を傾けている。今年、4年2160億ウォン(約216億円)で地上波(スポーツケーブルチャンネルを含む)契約を結び、“リーグ産業化”の基礎を作ると宣言して、10球団も積極的なマーケティングを展開した。
新型コロナの影響を受けたが、一度広げた構想をわざわざ縮小させる必要はないとの声もある。
本紙『スポーツソウル』がKBOリーグ10球団のマーケティング担当者の意見を総合した結果、コロナ感染拡大とシーズン開幕延期などで、大きくは40%ほども球団の広告収入が減少するということがわかった。
地域密着型のマーケティングを強化したり、5Gを活用した新しいサービスを提供したりしても、世界的な経済危機の前で画期的な代案にならないというのが、マーケティング担当者の共通の意見だ。
計画通り4月20日以降にシーズンが開幕したとしても、コロナの影響で観客数の減少は避けられない。そんな状況でレギュラーシーズンの試合数まで削減されると、破産する球団が生じる可能性まであるとの懸念の声もある。
KBOリーグと連携したスポーツ産業の規模が思った以上に多く、幅広く絡んでいるという意味だ。
例えば1球団当たり144試合体制が、126試合体制に縮小すると、球団ごとに18試合が削減されることになる。チケット収入と中継収入などだけを見れば、1球団当たり90億ウォン(約9億円)ほどのマイナスだ。
露出頻度で決まる広告単価の下落と景気に由来する収益などを考慮すると、球団全体の運営費が30~40%ほども落ちてしまう。
野球と連携したホテルやケータリング業者、洗濯場なども悪影響を避けるのは難しい。野球の試合がある日だけ流動人口が爆発的に増加する地域もあり、地域経済に及ぼす波紋も大きくならざるを得ない。
KBOリーグを中継する各放送局と広告主、中継放送に各種広告やデータを提供する関連企業も被害を受けるしかない。
またKBOが一方的に試合数を削減すれば、違約金をめぐる紛争に発展する余地ある。KBOリーグは、アジア・チャンピオンズリーグやFAカップなど、他の大会と並行して行われるKリーグとは事情が異なるのだ。
韓国プロ野球が簡単に「試合数を削減する」と口にすることができない理由だ。
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