侍ジャパンとの対戦する野球韓国代表の主将が、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での大谷翔平(30、ロサンゼルス・ドジャース)を連想させる発言で仲間を鼓舞したようだ。
リュ・ジュンイル監督率いる韓国代表は、来る11月13日に行われる「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」開幕戦の台湾戦を2日後に控えた11日、オフに際して台北のとある韓国料理店で決起集会を行った。
韓国代表は去る10月28日、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームでの練習後、投手陣の最年長コ・ヨンピョ(33)の主導で食事を行った。
当時、コ・ヨンピョは「若い選手が早く仲良くなれるきっかけが必要だと感じた。だから食事の場を積極的に設けた。ご飯を食べながら話を交わすことでより早く親しくなり、チームの連携も良くなる」として食事を提案したという。実際、選手たちはこの場を通じてぎこちない雰囲気をなくし、より一層親しくなった。
ただ、当時のチームは完全体ではなかった。韓国シリーズが終了しておらず、KIAタイガース所属のキム・ドヨン(21)、チェ・ウォンジュン(27)、クァク・ドギュ(20)、チェ・ジミン(21)、チョン・ヘヨン(23)が食事に参加できなかったのだ。また、最終メンバーから漏れた候補選手たちも食事に参加していた。
そのため、今月11日に台北で行った決起集会が、遅れて合流したKIAの選手含め最終メンバー28人で初めて開いた“完全体”での食事だったのだ。
台北での決起集会は、代表の“ムードメーカー”ことイム・チャンギュ(31、LGツインズ)の提案で実現した。
この要望を聞き入れた韓国野球委員会(KBO)が、台北市内で団体席のある韓国料理店を予約し、イム・チャンギュのほかパク・ドンウォン(34)、コ・ヨンピョなどベテラン勢が食事代を払うことで決めていた。
だが、ベテランたちが食事代を払うことはなかった。
決起集会翌日の12日、台北ドームで取材に応じたパク・ドンウォンは「(以前の食事会は)KBOから食事代を出してもらったので、今度は自分たちが後輩たちと一緒に頑張りたいという気持ちで、(決起集会の食事代を)払おうと思っていた。そこで、代表のマネージャーを通じて“自分たちが払う”という意志を丁重に伝えたが、丁重に断られた」とし、「今回もKBOが払ってくださったので、楽しく食事をすることができた」と笑顔で裏話を伝えた。
決起集会では、ただ選手同士が親睦を深めたわけではなかった。今大会でキャプテンを務めるソン・ソンムン(28、キウム・ヒーローズ)の強烈な一言で、開幕戦勝利のための決意を強く固めたのだ。
選手によると、大谷が2023年WBCでアメリカとの決勝直前に「今日一日だけは彼ら(アメリカ)への憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」と仲間に伝えたスピーチを連想させるほど、ソン・ソンムンの“カリスマ性”が圧巻だったという。
キム・ドヨンも同日、報道陣に決起集会のことを問われ「(ソン・)ソンムンさんが選手を集めて、立って一言言った。オオタニのように“ここまで来たから、韓国の野球強国の地位を取り戻そう”という言葉をカッコよく言った」と発言内容を明かしていた。
韓国代表が決起集会を開いた理由は明確だ。WBCでは3大会連続で1次ラウンド敗退に終わるなど、近年の国際大会で深刻な低迷が続いているだけに、今回のプレミア12を国際舞台における“韓国野球復活”のきっかけにするという意志が強い。ソン・ソンムンの言葉もその思いの表れというわけだ。
ただ、そのためには台湾、日本、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリアと同居するオープニングラウンド・グループBで2位以内に入り、日本の東京ドームで行われるスーパーラウンドへの進出を決めなければならない。だからこそ、台湾との初戦で“必勝”が求めらえている。
パク・ドンウォンは「選手たちは本当に“東京に行きたい”と考えている。期待も多くいただいているはずだ」とし、「全員が一丸となり、上手く戦いたい気持ちで決起集会を提案し、楽しくご飯を食べることができた。あとは食べた分だけの力を我々が披露すれば良いと思う」と、台湾戦の勝利を誓っていた。
なお、韓国代表はグループBで13日に台湾、14日にキューバ、15日に日本、16日にドミニカ共和国、18日にオーストラリアの順で対戦する予定だ。
(記事提供=OSEN)
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