ホン・ミョンボ(洪明甫)監督率いる韓国代表が、積極的な若手起用でヨルダンに雪辱を果たした。
韓国代表は10月11日(日本時間)、アウェイのアンマン・インターナショナル・スタジアムで行われた北中米W杯アジア最終予選・グループB第3節でヨルダン代表と対戦し、前半38分のMFイ・ジェソン(32、マインツ)、後半23分のFWオ・ヒョンギュ(23、ヘンク)の得点で2-0の完勝を収めた。
ユルゲン・クリンスマン前監督体制の今年2月、0-2の完敗を喫したアジアカップ準決勝のリベンジに成功した韓国。これで3試合を終えて2勝1分の勝ち点7を記録し、グループB首位に浮上した。一方、ヨルダンは最終予選初黒星を喫し、1勝1分1敗の勝ち点4で3位とした。
負担の多い中東アウェイに加えて、キャプテンのFWソン・フンミン(32、トッテナム)の負傷離脱で“プランB”を余儀なくされた韓国は、試合でも“負傷アクシデント”に苦しんだ。
まず、ソン・フンミンの代わりに左ウィングで先発出場したFWファン・ヒチャン(28、ウォルヴァーハンプトン)は、相手の激しいタックルで2度も左足首を痛めると、前半22分で負傷交代となった。5バックのヨルダン守備陣を崩す猪突的なドリブルに長けた存在なだけに、コーチ陣も困惑せざるを得なかった。
ただこの時点から、ホン・ミョンボ監督はじめチーム全体が今回のW杯予選2連戦をどれほど入念に準備したのかが感じられた。
指揮官は負傷のファン・ヒチャンに代えて、前回の9月も代表に選出したMFオム・チソン(22、スウォンジー・シティ)を投入した。
ファン・ヒチャンと同じ左ウィングに入ったオム・チソンは、前半38分の先制時に起点となるパスを送るなど、突然の途中出場でも存在感を放った。
そのオム・チソンまでも後半6分に負傷交代となったが、ここでホン・ミョンボ監督はMFペ・ジュンホ(21、ストーク)を投入した。
また、前線で目立った活躍のなかったFWチュ・ミンギュ(34、蔚山HD FC)を下げて、今夏にセルティックからベルギーに移籍し、好調を維持しているFWオ・ヒョンギュ(23、ヘンク)も投入した。
ペ・ジュノは後半の試合展開をほぼ支配したと言っても過言ではない。
MFイ・ガンイン(23、パリ・サンジェルマン)が集中的なマークに遭っていたなか、ペ・ジュノが持ち味の個人技とスマートなゲームコントロールで相手守備陣を崩した。
オ・ヒョンギュも前線から積極的にプレスを仕掛け、果敢にシュートを放ちヨルダンの脅威となった。
そして後半23分、途中出場2人が貴重な追加点を生み出した。ペ・ジュノのパスを受けたオ・ヒョンギュがペナルティエリア左からドリブルで仕掛けると、最後は右足を強く振り抜いてゴールネットを揺らした。
これがオ・ヒョンギュの記念すべきAマッチ初ゴールとなった。
途中出場の“若手欧州組”の大活躍もあり、韓国はヨルダンの反撃も上手くいなし、ホームかのように残りの時間を消化した。
守備時は、アジアカップのヨルダン戦で不調なパフォーマンスを見せたMFパク・ヨンウ(31、アル・アイン)が適材適所で相手のパスを遮断し、攻撃の起点となった。
ソン・フンミン不在により臨時キャプテンを務めたDFキム・ミンジェ(27、バイエルン・ミュンヘン)はもちろん、センターバックのコンビを組んだDFチョ・ユミン(27、アル・シャールジャ)もスピードと安定感のある守備で無失点に抑えた。
韓国はヨルダン遠征で“雪辱”以上の成果を得た。期待を受ける若手たちが十分に自身の役割を果たし、次戦のホームゲームはもちろん、代表内のポジション争いを活発化させる推進力を得ることになった。
なお、韓国は来る10月15日、ホームの龍仁(ヨンイン)ミルスタジアムでイラク代表と対戦する。
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