虫混入など衛生問題も…ロッテリアが韓国でも低迷気味なワケ

2023年09月03日 社会

韓国で「ハンバーガー競争」が近年ますます過熱化するなか、国内で安定していたはずのブランドが危険な立場に置かれている。

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ハンバーガー市場が今年5兆ウォン(日本円=約5000万円)規模まで肉迫すると展望されるなか、「ロッテリア」の存在感が今や時間とともにひっくり返りかねないという評価だ。

市場調査会社ユーロモニターによると、韓国国内のハンバーガー市場の規模は、2014年の2兆1000億ウォン(約2100億円)から2020年には2兆9600億ウォン(約2960億円)へと成長した。

業界専門家たちは「コロナ禍で簡便食のハンバーガーに対する需要が増え、新規ブランドが市場に参入し、2022年に4兆ウォンを超えた」とし、「今年は5兆ウォン規模に肉迫するだろう」と展望した。

激しいハンバーガー競争が繰り広げられるなか、新興強者の脅威に対する韓国国内の正統ファストフードチェーン、ロッテリアの動きにも関心が集まっている。

今年2月、日本のロッテリアでは一度変化があった。日本ロッテが現地で運営されているロッテリアを売却したためだ。

当時、日本国内のメディアによると、ロッテホールディングスは子会社のロッテリアに関して、日本外食企業のゼンショーホールディングスと売却契約を締結した。日本現地ではこれに対して、日本国内でのロッテリアの不振が売却につながったと分析した。

ロッテリアは1972年、東京都の日本橋に1号店を出店して以降、長期間で事業を続けてきたが、結局は業界1位のマクドナルドに押され、市場占有率を広げることができなかった。

ロッテリアの苦戦は海外に続き、韓国国内でも長期間続いている状況だ。

これまで韓国国内ではロッテリアとマクドナルドが先頭を走り、しのぎを削ってきたが、ファストフード市場が短期間で大幅に変化したことで業界にも亀裂が生じた。

ロッテリア、マクドナルド、バーガーキングの3強の構図も、もはや終わりを迎えたというのが業界の意見だ。

このような状況にもかかわらず、ロッテリアは新たな競争体制に突入するより、古くから続いてきたブランドの認知度と店舗数で命脈をつなぎ、競争を続けている。

ロッテリアは韓国国内のファストフード市場で45%程度の占有率を占めており、マクドナルドが30%でその後を追っている。

ロッテリアは、韓国マクドナルドの3倍以上に相当する約1000店舗を運営している。両者のシェア差は15%程度で、韓国マクドナルドの店舗当たりの年間平均売り上げは24億8000万ウォン(約2億4800万円)、ロッテリアは8億6000万ウォン(約8600万円)だ。

このように、これまでのロッテリアは店舗数でマクドナルドと競争を行ってきた。

(写真=ロッテリア)韓国のロッテリア

ロッテリアが莫大な店舗数で売上率を守るなか、韓国マクドナルド以外にもダウンタウナー、ファイブガイズ、シェイクシャック、スーパー・ドゥーパーといったハンバーガーブランドが非常に活発な動きを見せている。

韓国マクドナルドは昨年、ドライブスルーにハイパス(日本のETCに相当)決済サービスを導入したほか、国内地域の特産物を基盤とした新メニューを開発し、海外プレミアムハンバーガーブランドとの差別化を図った。

ハンファギャラリアは、ハンファグループのキム・スンヨン会長の三男キム・ドンソン戦略本部長を筆頭に、アメリカの有名ハンバーガーブランドであるファイブガイズを入店させた。

ダウンタウナーは最近、光化門(クァンファムン)のオフィス商圏に店舗をオープンし、サラリーマンを主力に競争に突入した。

SPCシェイクシャック、BHCスーパー・ドゥーパーなどもこれを意識して江南(カンナム)に移転し、競争に火をつけたことで、国内はハンバーガー飽和市場となった。

これに対し結局、ロッテリアも長い間固執してきたプルコギとエビでリブランディングに乗り出し、「プルコギ・エクストリーム・イカ・バーガー」「エビ・エクストリーム・レモンクリーム・バーガー」などの発売、AIが作ったBGM(BurGur Music)キャンペーン進行などのマーケティングを展開した。

しかし、このようなロッテリアの試みさえ、存在感を発揮するには不十分だったと分析されている。

業界では「長い間ハンバーガー市場にとどまっているにもかかわらず、先頭に立つことができずにいるのが残念だ」とし、「変化の時間が過ぎただけに、ベストフードの王座を明け渡したとしても言うことはないだろう」との分析がなされた。

このような状況にもかかわらず、ロッテGRSは今年2月、製品の販売価格を平均約5.1%引き上げた。

プルコギバーガーとエビバーガーの単品価格は4500ウォン(約450円)から4700ウォン(約470円)、セットメニューは6600ウォン(約660円)から6900ウォン(約690円)へ平均200~400ウォン上昇した。

平均上昇額は5.1%で、消費者ロイヤリティも下がっている様子だ。

ロッテリア側は「ロッテリアが企業運営ではなく、個人店主として運営されるだけに、ほかのライバル会社のように攻撃的にマーケティングを強化したり、新メニューを発売したりするには無理がある」と述べた。

現在、ロッテリアは似たような新メニューの反復的な発売、1000を超える店舗数、ロッテGRSの多数ブランドで売上率と市場シェアを守っている状況だ。

業界のとある専門家は、「ロッテリアがこのような状況を打開するためには、古典イメージ、消費者認識から抜け出さなければならない」と意見を示した。

また別のハンバーガーフランチャイズの関係者は、「過去にはロッテリア、マクドナルド、バーガーキング、マムズタッチなどブランド認知度で競争したとすれば、今は味と異色マーケティングで勝負をしている」とし、「ハンバーガー市場競争がますます激しくなるだけに、ロッテリアもドライブスルー、差別化された新メニュー開発など、既存のイメージから脱却する必要がある」と伝えた。

なお、韓国ロッテリアでは今年6月、とある店舗で地面に落ちたパンを拾って再利用しようとした事実が発覚したほか、別の加盟店ではコーラの中に虫が入っていたことも明らかになるなど、衛生面で問題が続出して物議を醸したことがあった。

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