韓国で“債務調整”申請者が9万人も急増、借金返済能力の弱化が顕著に

2023年08月19日 社会

韓国で“債務調整”申請者が9万人も急増、借金返済能力の弱化が顕著に

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韓国では今、金融機関から融資を受けるも生活苦などを理由に借金を返済できず、債務調整(信用回復)を申請する人が急増している。

韓国の金融監督院は8月15日、国会の政務委員会に所属するヤン・ジョンスク議員に提出した資料を通じて、6月末時点で債務調整の申請件数が9万1981人に達したと明らかにした。これは昨年の全申請者である13万8202人の66.5%に迫る規模だ。

韓国・松島

債務調整とは、生活苦などで借金を返済できなくなった借入者のために償還期間の延長、利子率の調整、債務減免などをする制度。延滞期間によって迅速債務調整、フリーワークアウト(事前債務再調整)、個人ワークアウト(クレジットカード代金や借金の元利金返済が滞った場合の償還支援制度)などに区分される。

最近では、正常に債務を返済していたものの、延滞が懸念されたり、1カ月未満の短期延滞者に対して債務返済を待ったり、償還期間を延長する迅速債務調整が急増している。今年上半期の迅速債務調整申請者は2万1348人で、昨年の全申請者数2万1930人に迫る数値を記録している。

この数字は、借金返済の余力が落ち、限界に追い込まれている借入者が増えていることを意味する。

債務返済までかかる平均期間も大幅に伸びた。返済期間は2018年が84.6カ月、2019年が86.6カ月、2020年が89.2カ月だった。そして2021年が91.0カ月、2022年が94.1カ月と長くなり、今年6月末時点では100.5ヵ月に増えている。

債務調整期間中、借金を誠実に返済してきた債務者の資金事情も厳しい。これらを対象に支援される小額貸付の場合、2018年の申請者は2万1690人だったが、昨年は2倍以上急増した4万4671人と集計された。

今年6月時点での小額貸付申請者は2万3264人に増加。小額貸付の延滞率は2018年の6.7%から昨年は10.5%まで跳ね上がった。今年6月末時点の延滞率は10.9%と調査されている。

債務調整対象者の貸付状況を分析した結果、4~9個の口座を利用したケースが4万7403件(58.1%)で、多数の口座を利用して複数貸付を受ける形態が多かった。2~3個の口座利用数が1万4275件(18.7%)で、10以上の口座を利用している数が1万4134件(16.8%)だった。1つの口座で融資を受けたケースは4891件(6.4%)に過ぎなかった。

また、融資を受けた金融機関はクレジットカード会社(39.2%)、貸付会社(26.8%)、都市銀行(13.1%)、貯蓄銀行(12.3%)の順だった。

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