韓国ファーストレディ候補、文書偽造・経歴詐称疑惑に謝罪の意…元検察総長のユン・ソギョル氏は知らず?

2021年12月16日 社会 #韓国政治

韓国大統領選の「国民の力」ユン・ソギョル(尹錫悦)候補が、妻のキム・ゴンヒ氏の経歴詐称疑惑に対して“居直り”と“激怒”の反応を示した中、キム氏が謝罪の意を表明したことを受け、「(妻の振る舞いが)適切に見える」と反応したことで、韓国国民の疑問が募っている。

【画像】韓国ファーストレディ候補が犯罪者のように逃走…

これは、キム氏の経歴詐称疑惑に対する充分な確認もせずにマスコミの報道を「与党の攻撃」と罵倒したことや、妻の常習的な経歴詐称に対する謝罪ではなく、むしろ妻の振る舞いを評価したためだ。

ユン候補は12月15日午後、ソウル城東区(ソンドング)で記者団に、キム氏が謝罪の意を表したことについて、「与党の攻撃であり、いくら不当だと感じられるとしても、国民の目線と期待から見て少しでも不十分なことがあるとすれば、国民には申し訳ない気持ちでいっぱいだと思う」と述べた。

続いて「いずれにせよ、大統領選候補の夫人が、いくら結婚前に私人の身分として処理したことだとしても、国民が高い基準で見たときに不十分な振る舞いだとすれば、それについては国民に申し訳ない気持ちで謝罪したということだ」とし、妻の行動について説明した。

元検察総長で大統領候補のユン・ソギョル氏

ユン候補は“国民の高い基準”と言及したが、キム氏が謝罪するとした経歴詐称に関する私文書偽造罪は、5年以下の懲役または1000万ウォン(約100万円)以下の罰金刑に処される“立派な犯罪”だ。

キム・ゴンヒが詐称した経歴の数々

先立って12月14日、韓国のテレビ局『YTN』は、キム氏が2006年に水原(スウォン)女子大学に提出した教授任用(認定)願書に「虚偽の経歴と虚偽の受賞記録が記載された事実を確認した」と単独で報じた。

この報道によると、キム氏は韓国ゲーム産業協会で「2002年3月から3年間、企画チームの企画理事を務めてきた」という在職証明書を提出したが、同協会は2004年6月に設立されたものだった。キム氏の言い分によると、会社ができる前に在職したこととなる。

当時の協会長だったキム・ヨンマン会長はもちろん、スタッフも「キムさんを見たことがない。企画理事というポストは存在しない」と明らかにし、問題の在職証明書が偽造されたのではないかという議論まで起きている。

(写真=YTN)キム・ゴンヒ氏の詐称経歴を報じるニュース

ほかにも、キム氏は経歴欄に、「2004年8月ソウル国際漫画アニメーションフェスティバル(SICAF)大賞、2004年韓国アニメーション大賞特別賞、2006年韓国アニメーション大賞特別賞と、アニメーションに関する計3つの賞を受賞した」と記載したが、これも事実ではなかった。

SICAFでの大賞受賞は真っ赤な嘘で、2004年と2006年の受賞も、当時の受賞会社の取締役として在職したのは事実だが、出品作に関わったことはなく、個人として提出する経歴ではないと言われている。

事実、2004年のSICAF大賞『王后沈清』を制作したネルソン・シン監督は12月15日、韓国メディア『イーデイリー』とのインタビューで「キム・ゴンヒさんのことは知らない。映画に貢献したことはない。制作パートナーがいないため、自分のお金で100%制作し、企画も自分がした」と語っている。

さらに、キム氏がこのような経歴を詐称した教授任用志願書を書いたのは水原(スウォン)女子大学だけでなく、2013年に安養(アニャン)大学に提出した履歴書にも、受賞経歴と学歴を水増しして記載するなど、常習的に行っていたことも発覚しているのだ。

しかしユン候補は『YTN』がキム氏の経歴詐称を報道したあと、関連記事が相次いで掲載された同日午前、「向こう(与党)で騒ぐ話を聞くだけでなく、大学に知り合いの方がいれば一度聞いてみなさい。非常勤講師をどのように選ぶのか。学校から誰かに推薦があれば、その人を委嘱することになる」とし、興奮した反応を示した。

だが、推薦と委嘱をするということと経歴詐称には何の因果関係もない。推薦されるポストだからといって、自らでっち上げたキャリアを作り上げて水増しすることは、正当化されるわけがないはずだ。

ましてや、元検察総長のユン候補が妻の行動が問題になることさえ知らなかったとすれば、これもまた非常に驚くべきことではないだろうか。

ミスだらけの在職証明書も発覚

しかも、韓国ゲーム産業協会の在職証明書の場合、協会側では「発給した人がいない」と記述されているため、“私文書偽造”ではないかという疑惑まで出ている。

与党「民主党」のカン・ミンジョン議員室が15日に公開したキム氏の在職証明書によると、勤務期間は「2002年03月01日から2005月3月31日現在まで」と記載されているが、2005“月”3月31日と間違え、“現在まで”という文字が記載されるなど、公文書としては怪しい印象を受ける。また退社した職員の場合、在職証明書ではなく経歴証明書を発給するにもかかわらず、在職証明書が提出されたことも疑問だ。

(画像提供= カン・ミンジョン「開かれた民主党」議員室)キム・ゴンヒ氏が2006年、教授任用志願の際に提出した在職証明書

それだけでなく、在職証明書の上段左側に記された「チェKAOGI04-029号」という文書番号も怪しい。「KAOGI」というアルファベットは韓国ゲーム産業協会の略で、その後ろに来る数字は年度、その次の数字は同年に発給された公文書のナンバリングである。しかし、2006年6月29日に発行された在職証明書に、「04」と記載されているのは何故なのだろうか。

経歴詐称問題がますます大きくなると、キム氏は15日、自身が代表を務める「コバナ・コンテンツ」事務室前で『聯合ニュース』の記者に、「国民の皆さんにご心配をおかけした点について、お詫びする意向がある」と明らかにした。

一方、妻の経歴詐称疑惑について「与党の攻撃」と発言したユン候補に発言の意図を尋ねると「皆さんが判断しなさい。朝のニュースから始まり、次々と続くのを見ると、これを偶然とするには難しい。報道官が発表した内容を見ると、家族側からはそのように見える」と説明した。

事実に基づく反論ではなく、「偶然と見ることはできない」「報道官が発表した内容を見れば、そう考えることもできる」とのことだが、いくら家族に関する問題だとしても、事件の実態を客観的に把握することすら難しい状態だと思える発言だ。

さらに、ユン候補は繰り返し、自身が主語になる「謝罪」ではなく「仕方なくする」という第三者的な立場から話をしている。

ユン大統領候補が「いくら(家族が)そう考えているとしても、国民全体から見て、大統領選候補の夫人として過去の身の振り方に不十分な点があるとすれば、その部分については国民の期待に合わせて、私たちが申し訳ない気持ちを持つのが正しい態度だと思う」と述べた。

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