“過去最大規模”コロナ禍の韓国で増えているものとは?韓国版「Amazon Go」も誕生のワケ

韓国では現在、1日の新型コロナ新規感染者数が1275人を記録するほどの状況だ。この数字はコロナ禍が始まって以来、過去最多だ。

コロナ禍が長期化し、外出への恐怖心が高まるにつれて韓国流通業界は、顧客を分散させる深夜売場と、対面接触を最小化した無人店舗の開店に拍車をかけている。

韓国最大の製菓・製パン企業SPCグループの系列会社BRコリアが運営するファーストフード店「ダンキン」は、主要店舗に24時間配達およびピックアップサービスを導入し、深夜の梱包・配達サービスを拡大した。

配達利用率の高い江南(カンナム)本店、江北区(カンブクク)チョンサゴリ店、宣陵(ソンルン)駅店、常緑樹(サンロクス)駅店、ヨンシンネ店、禾谷(ファゴク)駅店などで運営中だ。該当店舗では顧客が希望する時間に、デリバリーアプリを通じてダンキンドーナツをはじめとして全メニューの注文が可能だという。

無人コンビニも大幅増加

(写真提供=SPCグループ)「ダンキン」

またGSリテールが運営するコンビニ「GS25」の無人店舗は、去る2021年4月末基準で290店舗以上となり、昨年同月よりも110店舗増加した。そしてBGFリテールが運営する「CU」も、無人店舗数が2021年3月末基準で270店舗となり、1年間で約90店舗増えている。

「イーマート24」も新型コロナ拡散以降、非対面決済を好む消費者が増加したことを受け、ハイブリッド店の拡大に乗り出した。イーマート24は、出入り口や売場内のさまざまな装備にセンサーを取り付け、モバイルアプリから送られてきた信号だけで開閉が可能なシステムを開発。火災や装備の誤作動など、予期せぬ状況にも直ちに対処できるそうだ。

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売場内の火災感知器に異常が発生すると、店長のモバイルアプリがプッシュ通知で知らされる。ほかにも冷凍設備にはセンサーがついており、温度が一定以上になるとメールで通知されるという。

無人店舗を利用する消費者のための利便性も考慮した。無人営業の時間帯でも、スマートフォンだけで出入りや決済が可能で、クレジットカード、サムスン・LGペイ認証を通じて手軽に決済できる。出入りは、NAVERアプリでQRバーコードの形をした「ネイバー出入証」を発行してもらい、可能となる。

韓国版「Amazon Go」も登場

今回のコロナ禍で、無人化が最も早く進んだ分野はファーストフード店だ。ファーストフードフランチャイズ店の大部分は、キオスク(無人清算期)を導入している。ファーストフード企業のキオスク導入率は、マクドナルドで64.3%、ロッテリアで76.6%、バーガーキングで92.4%に達している。

そして現代(ヒュンダイ)デパートも最近、ソウル汝矣島(ヨイド)の「THE HYUNDAI SEOUL」に、自動無人売場「アンコモンストア」をオープンした。これは“レジレスコンビニ”の「Amazon Go」と似ており、QRコードチェックイン機能を使って入場する。40台あまりのAIカメラと150台あまりの重量感知センサーが顧客の動線と商品移動を追跡し、決済も自動的に進行する。

韓国流通業界の関係者は、「最低賃金の引き上げや出店制限に続き、新型コロナが急速に広がり、流通業界を再び脅かしている。無人店舗市場は多様な可能性を持っており、企業の投資は続くだろう」と予想した。

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