アップルが韓国公正取引委員会の現場調査を妨害し、3億ウォン(約3000万円)の過怠金に加え、検察の捜査まで受けることになった。
韓国公正取引委員会は3月31日、アップルコリアが公取委の現場調査時にインターネットを切断し、公取委職員を妨げるなど調査を妨害したことについて過怠金3億ウォンを賦課し、法人と元役員1人を検察に告発したと明かした。
公取委は、アップルが国内移動通信社3社を相手に経営干渉をしたかどうかを確認するために、2016年6月16日からソウル江南区三成洞にあるアップルのオフィスを現場調査した。公取委によると、アップルは調査が始まった日からオフィス内のイントラネットとインターネットを遮断し、1次現地調査最終日の6月24日まで復旧させなかった。
そのためアップルが移動通信社と結んだ契約状況、広告基金執行内訳、移動通信社の広告内にアップルの許可・拒否の意思を表示したかなどを確認することができるサイト(AMFT・meeting room)に接続することができず、電算資料を直接調査することができなかった。
公取委はその後、ネットワークが断絶された理由、クラウドを活用する業務プログラムがあるかどうかなどを盛り込んだ資料を提出するよう、3度も要求したが、アップルは応じなかった。結局、公取委はアップルが通信キャリアに宣伝費を押し付け、広告活動に干渉しているかどうかを確認するために、移動通信社3社を調査するなど、迂回的な方法を使わなければならなかった。
公取委はアップルのネットワーク遮断行為に対して2億ウォン(約2000万円)、資料未提出行為に対して1億ウォン(約1000万円)など、計3億ウォンの過怠金を課した。
また公取委は、その翌年である2017年11月20日に2次現場調査を行ったが、当時アップルの常務A氏がセキュリティ要員、対外協力チームスタッフと一緒に調査員の腕を引っ張る方法で、約30分間、現場への進入を防いだと明かした。
公取委は2次現場調査で発生した調査妨害行為について、アップルとその役員を検察に告発することにした。アップルが調査妨害行為を防ぐために注意・監督義務を果たさなかったというのが理由だ。
故意に現場入りを阻止したり、遅延させたりした場合は、3年以下の懲役または2億ウォン以下の罰金を受けることがある。
先立って公正取引委員会は2016年から始まった調査結果をもとに、アップルが取引上の地位を乱用したと見て、制裁案を2018年の全員会議に上程した。以降、アップルが同意議決を申請し、課徴金などの制裁を受ける代わりに、iPhone修理費を割引して移動通信社の広告費負担を軽減するなど、1000億ウォン(約100億円)規模の自主是正案を履行した。
公取委キム・ソングンサービス業監視課長は、「アップルの調査妨害行為に対する制裁は、同意議決とは独立した事案」とし、「ネットワークが遮断されたことは事実であり、ネットワークが断絶されているということは、アップルも認めている部分」と述べた。
続いて「アップルに対する調査が難しくはあったが、取引相手である移動通信社3社によってデータを相当の部分、確保した。結果的には調査に影響が出ることはなかったが、調査を妨害した行為そのものを問題視したもの」と説明した。
アップルは「公取委の調査過程に最大限協力しており、アップルとスタッフはその過程でどんな違法行為もしていなかった。事業を営むすべての国家の法律を遵守しており、公取委の今回の決定は、決して同意できない」と反論した。また「今後の進行過程で実体的な真実を関係当局と共有することを期待している」と付け加えた。
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