日本を揺るがした旧統一教会。
その発信地である韓国でも、宗教と政治の距離をめぐる議論が本格化しつつある。
韓国国会で、宗教法人による政治介入を制度的に封じ込めようとする法案が提出された。日本ではあまり知られていないが、韓国社会においても、一部宗教団体の政治関与は長年にわたり問題視されてきたテーマだ。
韓国のチェ・ヒョクジン議員(法制司法委員会)は1月9日、旧統一教会や新天地イエス教会などを念頭に、宗教法人による組織的な政治介入や国政への不当な影響を防ぐための「民法一部改正法案」を代表発議したと明らかにした。
今回の改正案の背景には、宗教団体が非営利法人の形を取りながら特定政党と結びつき、選挙や政治活動に組織的に関与してきたとされる現状がある。現行の民法は規定が抽象的で、違法性が指摘されても実効性のある制裁を科すことが難しいという課題を抱えてきた。
改正案の核心は、法人設立許可の取消事由を具体化する点にある。宗教法人が政教分離原則や公職選挙法に違反し、特定の政党や候補者のために組織的かつ反復的な政治活動を行い、公益を害した場合、所管官庁が設立許可を取り消せると明記した。
あわせて、所管官庁の調査・監督権限も強化される。法人の業務や財産状況について報告を求めるほか、担当公務員が現場に立ち入り、帳簿や書類を検査できるようにすることで、これまで把握が難しかった実態への対応力を高める狙いがある。
さらに、設立許可が取り消され法人が解散した場合、残余財産を国庫に帰属させる規定も盛り込まれた。違法行為によって法人が解散しても、資産を別ルートに移して勢力を維持するといった抜け道を防ぐためだ。
チェ議員は「この法案は宗教の自由を侵害するものではない。一部の逸脱した勢力から、健全な宗教と信仰の自由を守るための法律だ」と強調している。
日本で旧統一教会問題が政治と宗教の関係を問い直す契機となったように、韓国でも同様の議論が制度面に踏み込み始めている。宗教と政治の距離をどう保つのか。その行方は、今後さらに注目を集めそうだ。
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