“n番の部屋”事件の主犯チョ・ジュビン(24)と、彼が運営していたチャットルーム“博士の部屋”の会員である公益勤務要員A氏が、JTBCソン・ソクヒ社長を脅迫するために監視カメラ映像を偽造していたことが明らかになった。
現在、韓国で大問題となっている“n番の部屋”事件とは、女性を脅して撮影したわいせつ映像や画像を数十万人がSNSで共有していた事件のこと。組織的なデジタル性犯罪で、20万人以上の有料会員がいたという。被害女性は未成年者を含む70人以上に上る。
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その主犯で、“博士の部屋”を運営していたチョ・ジュビンは、アルバイトなどと称して女性を募集し、応募時点で個人情報や顔が映ったわいせつな画像を受け取り、それを口実に脅し、さらに過激な動画を撮影させたとされる。
そんな“n番の部屋”事件で逮捕されたチョ・ジュビンだが、追加の犯罪が次々と発覚しており、韓国の衛星放送やケーブルテレビ向けに放送を行う放送局JTBCのソン社長を脅迫していたことがわかった。
韓国メディア『ノーカットニュース』は3月30日、「チョ・ジュビンはソン社長の車両が監視カメラに映ったかのように操作して脅迫し、チョ・ジュビンの嘘に騙されたソン社長は2000万ウォン(約200万円)を渡した」と報じた。
3月30日、司法当局の関係者によると、チョ・ジュビンは“博士の部屋”で活動する公益勤務要員A氏を通じて、ソン社長の車種や車両番号の情報を入手。その情報に基づいて、まるでソン社長の車が監視カメラに映ったように見える偽の資料を作った。
チョ・ジュビンはソン社長にその資料を提示し、2017年の“ひき逃げ疑惑”と関連性があると脅迫したと伝えられた。
ソン社長の“ひき逃げ疑惑”とは、2017年4月16日、ソン・社長が京畿道・果川(クァチョン)にある教会の空き地で車をバックさせ、別の車にぶつかった接触事故のこと。ソン社長はすぐに事故処理をせず、現場を去ろうとしたが、被害車両の運転者が追いかけてくると、金を支払う形で和解した。
この事実は2019年1月、キム・ウン記者がソン社長を警察に通報したことで、世間に知られた。
キム記者は、その事故を取材する過程でソン社長が自分に仕事を提供しようとし、それを拒絶すると暴行したと主張した。一方でソン社長は、キム記者が就職を頼んできただけでなく、脅迫したと対立した。
ソン社長とキム記者の葛藤は最終的に、ソン社長が暴行容疑で略式起訴され、キム記者は事故の記事化を口実に採用と金品を要求した恐喝未遂容疑で裁判を受けている。
チョ・ジュビンは以前、“博士の部屋”で、その事故と関連した監視カメラ映像やブラックボックスを自分が削除したなどと会員に自慢していたが、実際には映像があるかのように偽造してソン社長に接近したわけだ。
チョ・ジュビンはソン社長を偽造した映像で脅迫し、キム記者にはこの映像を与えると偽って1500万ウォン(約150万円)を手にしたと伝えられた。
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