映画『パラサイト』主演が明かす、アカデミー賞の裏話「実は肋骨にヒビが…」【PHOTO】

2020年02月19日 映画 #韓国映画 #写真

2月19日、今年の米アカデミー賞で作品賞など4冠を達成した映画『パラサイト 半地下の家族』の記者会見が開かれ、ポン・ジュノ監督をはじめ、主演キャスト7人、関係者らが出席した。

【動画】『パラサイト』の“凱旋”記者会見、フォトセッションの様子

記者会見が行われた韓国ウェスティン朝鮮ホテルは、昨年に『パラサイト』の制作報告会が行われた場所。

ポン・ジュノ監督は「映画が長い生命力を持って世界各地をめぐり、最終的にここに帰ってこれたのが嬉しい」と、口を開いた。

今回、ポン・ジュノ監督と共に海外を飛び回った俳優ソン・ガンホは、「昨年8月から今日まで、ポン監督と共に光栄な時間を過ごした。『パラサイト』を通じて世界中の観客に優れた韓国映画を披露できたことを嬉しく思う」と感想を述べ、特有のユーモアを交えてアカデミーの裏話も語った。

(左から)パク・ソダム、ソン・ガンホ、ポン・ジュノ監督

「(アカデミー賞では)私がすごく控え目に喜ぶ姿をご覧になったはずだ。実はカンヌ国際映画祭のとき、私があまりにも過激に喜んだせいで監督の肋骨にかすかなヒビが入ったらしい。だから今回は、主に監督の顔をタッチしながら、肋骨だけは触らないよう気をつけた」

ポン・ジュノ監督は、長期にわたる「オスカーキャンペーン」について言及した。

「巨大スタジオに比べて予算が足りなかったので、その代わりに情熱で走った。私とソン・ガンホ先輩が鼻血を流すことも多かった。他スタジオの物量作戦に対抗し、閃くアイデアでカバーしながら頑張った」

ソン・ガンホも、「最高の芸術家たちと出会い、話し合いながら他人がどれだけ偉大なのかを学ぶ6カ月間だった。賞をもらうための過程というよりは、私たちの作品を通じて世界の映画人たちとどう共生し、どんな共通点を話し合い、共感できるかなどをたくさん感じ、学んだ時間だった」と、オスカーレースの感想を述べた。

ポン・ジュノ監督は、受賞スピーチでも言及したマーティン・スコセッシ監督から手紙をもらったという。

「朝、マーティン監督から手紙を受け取った。今までご苦労様、ゆっくり休めという内容だ。ただ、次回作が早く観たいのでほどほどに休んで早く仕事に戻れと書かれていた(笑)。ありがたいし、嬉しかった」

現地で感じた反応については、こう話した。

「ハリウッド俳優たちから熱烈な支持を受けた。アカデミー賞の投票においては俳優協会会員たちの割合が大きい。作品賞は彼らのおかげだ。例えば、俳優トム・ハンクスはイ・ジョウンさん(パク一家の家政婦ムングァン役)に会って喜んだ。クエンティン・タランティーノ監督も、パク社長の妻ヨンギョを演じたチョ・ヨジョンさんの演技を一日中考えたという。演技とキャラクターが印象的だったと語っていた」

(左から)チャン・へジン、イ・ジョンウン
チョ・ヨジョン

ポン・ジュノ監督は「カンヌからオスカーまで、数多くのイベントがあったので、映画史的な事件のように覚えられるしかないと思うが、実は映画そのものを覚えて頂きたいのが正直な気持ちだ。おそらく時間が経つにつれ、自然にそうなるだろう。俳優たちの素晴らしい演技の瞬間、撮影チームや全スタッフが職人技で作りあげたシーン、そのシーンに入っている私の悩みを、映画そのものとして覚えてほしいと願う」と、『パラサイト』の長い道のりを締めくくった。

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