今年の「第92回アカデミー賞」で最高賞にあたる作品賞をはじめ、脚本賞、監督賞、国際長編映画賞の4冠を達成した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。世界中を驚かせた快挙だけに、『パラサイト』の“アカデミー特需”も盛り上がっている。
まず、劇場では『パラサイト』のリピート鑑賞が増加。
映画の興行成績を分析するアメリカのサイト「Box Office Mojo」によると、アカデミー賞受賞後、北米での興行成績は12位から4位に急上昇した。韓国でも2月12日付で映画興行ランキング5位に再ランクイン、ポン・ジュノ監督渾身の「モノクロ版」の公開も2月26日に決定されている。
【動画】『パラサイト』に登場するB級グルメ「チャパグリ」の公式レシピ
『パラサイト』の制作会社「BarunsonE&A」は、アカデミー賞以降、90.8%の株価値上がり率を記録。2月12日までの3日間の時価総額が1292億ウォン(約120億円)増加した2700億ウォン(約250億円)と集計された。配給会社の「CJ ENM」も値上がり率が連続で上昇している。
また、劇中に登場した「チャパグリ」の製造会社「農心」(ノンシム)も、株価の上昇が続くなどアカデミー特需を受けている。農心は『パラサイト』のポスターをパロディしたり、公式ユーチューブに「チャパグリ」の公式レシピを紹介するなど、積極的にプロモーションを行っている様子だ。
ロケ地に対する関心も高い。
国内外のSNSには映画に登場するロケ地を訪れた記念写真が相次いでいる。ソウル市も麻浦(マポ)区のスーパーや、主人公ギテクが住む街の階段、鍾路(チョンロ)区のトンネル階段、ピザ屋など、『パラサイト』のロケ地を紹介し、今後はツアー開発も検討しているという。
『パラサイト』は書店にも旋風を巻き起こしている。
韓国の巨大書店「教保文庫」(キョボムンゴ)によると、ポン・ジュノ監督の『パラサイト』脚本集とストーリーボードブックセットは2月12日の時点のデイリーランキング1位を記録。大手オンライン書店「YES24」でも2月13日時点で2位を記録した。子供向けの職業探求漫画「I AM」シリーズはここ最近、ポン・ジュノ監督をテーマにした最新刊を発売している。
韓国映画振興委員会は『パラサイト』の成果をきっかけに、映画制作への支援を強化すると発表した。関係者は「『パラサイト』のアカデミー賞受賞を受け、韓国映画に対するグローバル投資がさらに増える見込みだ。韓流と言えば主にK-POPやドラマが挙げられてきたが、今後は映画へとその可能性を広げることを期待している」
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