映画『パラサイト』からIZ*ONEまで…韓流の中心に立った企業「CJ ENM」とは

2020年02月12日 話題
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映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞で作品賞を含む4冠に輝き、世界中の注目が集まるなか、同作の投資制作を担当したCJ ENMにもフォーカスが当たっている。

CJ ENMはCJグループの子会社で、エンターテインメント事業と通販事業を主に行っている企業だ。

CJグループのイ・ミギョン副会長は、アカデミー作品賞の受賞作として『パラサイト』が発表されると、制作会社Barunson E&Aのクァク・シネ代表に続いてコメントを伝え、目を引いた。イ副会長は『パラサイト』の「責任プロデューサー(Executive Producer)」だ。

【写真】『パラサイト』の出演者でもないのに…受賞パーティーに参加した女優が炎上

CJ ENMは、すでに2018年3月にBarunson E&Aと125億ウォン(約12億5000万円)規模で『パラサイト』の独占販売・供給契約を締結している。

またCJ ENMは今回のアカデミー授賞式で『パラサイト』の宣伝のために、100億ウォン(約10億円)を超える投資を惜しまなかった。映画業界関係者は、CJ ENMの多様なキャンペーンが『パラサイト』の快挙を後押しする重要な役割を果たしたと挙げている。

先立ってCJ ENMは、2019年のカンヌ映画祭でも『パラサイト』の受賞のために、物心両面で支援していたとされている。

映画『パラサイト 半地下の家族』

韓流の中心に立つCJ ENM

CJ ENMは『パラサイト』に限らず、韓国を代表するエンターテインメント企業として、メディアコンテンツ、映画、音楽、公演、コンベンション、アニメなど、さまざまな分野に長期的で莫大な規模の投資を行い、韓流の中心に立っている。

CJ ENMはテレビチャンネル「tvN」を筆頭に、多様なメディアコンテンツを誕生させ、影響力が最も大きい複数チャンネル使用事業者(Multi Program Provider)に成長した。

映画の分野でも『パラサイト』以前から、CJ ENMが投資・配給した多数の作品が韓国はもちろん、世界的な権威を誇る映画祭に出品されて受賞の栄光を得た。

音楽と公演の分野でもK-POPの大部分を担当し、K-POP授賞式「MAMA」(Mnet Asian Music Awards)や韓流フェスティバル「KCON」のようなコンベンション産業との相乗効果を出している。さらに新人創作者の発掘や育成を担う社会貢献事業「O'PEN」などを通じて、創作者のための支援を惜しまなかった。

そんな活動が今、同時多発的な成果につながっている。

CJ ENMのロゴ

CJ ENMは果敢に文化産業に投資し、短期間の利益ではなく、長期計画を通じてベースから固めてきた。多くの芸能界関係者たちはCJ ENM、そして同企業のオーナーは、明らかに他の大企業と文化産業を眺める視線と態度が違っていたと強調した。

とある関係者は「他の大企業が単に投資の概念から金銭的な規模や他のものにフォーカスを当てていたとしたら、少なくともCJ ENMのオーナーは、文化やコンテンツの理解からアプローチを開始した」と説明したりもした。

『PRODUCE』シリーズの失態

ただ、すべての方面で肯定的な結果だけを出してきたわけではない。音楽業界、特にK-POPの大部分を占めていたCJ ENM の音楽専門チャンネル「Mnet」は、自らが作り上げてきた信頼を崩した。

2019年、Mnetは「WE ARE K-POP」という自分たちのキャンペーンフレーズが色あせるほど、信じられない素顔をさらけ出した。日韓合同グループ「IZ*ONE」(アイズワン)などを生み出した大人気オーディション番組『PRODUCE』シリーズの不正な“投票操作”から、MAMAの日本単独開催までの一連の過程を見てみると、その間に隠してきた膿が露呈したかたちだ。

何よりも『PRODUCE』シリーズ全般で、不正な投票操作があったことが判明した状況で、CJ ENMとMnetは責任感のある態度をとらなかった。もちろんCJ ENMは2019年12月30日に公式記者会見を開き、今後の対策を明らかにしたが、十分ではないとの指摘も多い。

不正な投票操作が発覚した『PRODUCE』シリーズ

去る1月には、253億ウォン(約25億3000万円)規模のファンドを結成し、その収益を通じて音楽業界の活性化とK-POPの持続的な成長のために投資すると約束したが、これはCJ ENMが当然還元すべき金額だ。

CJ ENMがリーディング企業として、韓国の文化産業を導いて発展と成長に貢献したことは事実だ。しかし彼らも、その成功を通じて膨大な利益を手にした企業であるということを忘れてはならない。

韓国を代表するエンターテインメント企業、その方向性は

企業の利潤追求は間違ったことではないが、CJ ENMが文化産業という美名や仮面をかぶって産業を掌握しているとなれば、そこには明らかに問題がある。

ドイツを代表する文豪ゲーテは「人生は速度ではなく方向だ」(Life is a matter of direction、not speed)と強調しており、インドの指導者ガンジーも「方向が間違っている場合、速度に意味はない」(Speed is irrelevant if you are going in the wrong direction)という名言を残した。

CJ ENMは、「文化がなければ国もない」という先代イ・ビョンチョル会長の信念を受け継ぎ、25年以上にわたって他の大企業とは異なる方向で文化コンテンツ産業を担ってきた。そして不断の投資が長い時間を経て、花を咲かせ実を結んでいる。

しかし、その過程で無理に速度を出そうとしたり、多少方向がずれたりしながら、危機を迎えたことも現実だ。

いずれにしてもCJ ENMは、韓流の中心に立ち、さらなる成長と収穫を上げることだろう。それだけにどんな方向へと歩みを見せていくのか、多くの人々が注目している。

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