HYBE傘下レーベルADOR(アドア)のミン・ヒジン代表が開いた緊急記者会見が話題だ。
その影響力は余程強力なのか、すべてのイシューをまるで“ブラックホール”のように吸い込む。
男子サッカーのU-23韓国代表がパリ五輪アジア最終予選で敗退し、40年ぶりに本大会出場を逃したにもかかわらず、さほど大きなイシューとはなっていない。
国内では「韓国サッカー協会とU-23代表のファン・ソンホン監督は、ミン・ヒジン代表に花でも贈った方が良い」という冗談も飛び出ている。
それだけ、ミン・ヒジン代表の記者会見はあらゆる面で衝撃だった。
名前さえ言えば誰もがわかるような芸能事務所の代表という人物がラフな格好で登場し(徹底的に計算した“ラフさ”かもしれないが)、2時間近くマイクを握りラッパーのように一人でしゃべり続けた。
疑惑を受ける部分に対して正確な釈明をすれば良いところを、「釈明」というよりは「陰口式暴露」と「罵詈雑言」が並んだ。
こういった光景はよく見る場面ではある。
職場の上司に苛立った部下が退勤後、居酒屋で会った友人に延々と話し続け、焼酎を飲み干す。そんな場面だ。
しかし、昨日のその場は記者会見、すなわち公的な場ではなかったか。
公的な場で、洗練されていない安易な言葉遣いを総動員し、論理よりも感性に訴えたミン・ヒジン代表の記者会見は、韓国の代表的芸能事務所の「現住所」を知らせるという点で衝撃だった。
“NewJeansの母親”を主張し、「自分の子どもたちを保護する」と主張するミン・ヒジン代表が、今最もNewJeansのイメージを奈落に落としているということはあえて言及しなくても、「女性として仕事をするのに大変だった」と涙ながらに主張することは受け入れ難かった。
ミン・ヒジン代表は記者会見でこう話していた。
「このアジョシたちが…申し訳ないが“ケジョシ”たちが、私一人を殺そうとあらゆるカカオトークを卑劣にキャプチャーして」
「私は正直、心の中はすっきりしています。追い出されても構わない。私は名誉がとても重要な人です。この××たちが、私が名誉を重要だということを知っている。それで私と交渉したじゃないか。私がお酒を飲んでゴルフをして…」
「ソロモンの赤ん坊を存知ですよね。お母さんが本当に赤ん坊なら子どもは行かせない、私を犠牲にすると」
「女性が社会生活をすることがこんなに大変なのか。こんな人たちに機嫌を取りながら仕事はできない」
このような発言は、HYBEとADORの現在の対立を「男女の対立」に導く結果をもたらした。
ミン・ヒジン代表の発言後、ネット上では一部ユーザーが「この事件は男女の問題だ」と論争を繰り広げ始めた。
ミン・ヒジン代表はHYBE傘下レーベルのADORで代表として働きながら5億2600万ウォン(日本円=約5961万円)を受け取り、HYBEのパク・ジウォン代表の当時の年俸5億900万ウォン(約5768万円)よりさらに高い待遇を受け、4大芸能事務所の役員において唯一、5億ウォン(約5666万円)を超える唯一の女性として注目された。
また、ミン・ヒジン代表が保有するADORの株価は4000億ウォン(約453億1760万円)と評価されている。
記者会見でミン・ヒジン代表は「私はお金が重要ではない」と言ったが、年俸5億2600万ウォンと株価4000億ウォンは、平凡な会社員にとっては「クサセ(“彼らが住む世界=一般人とは違う世界”を意味する韓国語)」だ。
例え年俸5000万ウォン(約566万円)を受け取る人間だとしても、あらゆる侮辱とパワハラ、不当さを受けることはある。
「女性が社会生活をすることがこんなに大変なのか」と、“女性だから”受ける不当さを主張したミン・ヒジン代表が涙まで流す姿は、「女性=弱い存在、感情的存在、保護されなければならない存在」という偏見を拡大することに寄与した。
HYBEとの決闘において、ミン・ヒジン代表が「ミン・ヒジン」として戦うことを願う。
■【写真】渦中のNewJeans・ミンジ、イベント参加も笑顔なし
前へ
次へ