韓国芸能界を揺るがした「バーニングサン事件」から1年が過ぎた。
しかし事件の中心人物とされるBIGBANGの元メンバー、V.I(本名イ・スンヒョン)は再び身柄拘束を免れ、捜査は五里霧中となっている。
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拘束令状の棄却が犯罪容疑の無実を意味するわけではないものの、検察がV.Iの身柄確保に失敗したことで、今後の捜査にも支障が避けられない見通しだ。
性売買斡旋など行為の処罰に関する法律違反、外国為替取引法違反などの容疑を受けているV.Iの拘束令状は1月13日午後、裁判所で棄却された。
ソウル中央地裁ソン・ギョンホ令状担当部長判事は、「疏明されている犯罪容疑の内容、いくつかの犯罪容疑に関する被疑者の役割、関与の程度および争いの余地、捜査の進行経過と証拠収集の程度、被疑者が捜査に臨む態度を総合すると、拘束する理由と必要性、相当性を認めにくい」と、棄却理由を明らかにした。
裁判所の今回の決定について、キム・セラ弁護士は「拘束の理由は、犯罪の重大性、逃走の恐れ、証拠隠滅の懸念の大きく3種類だ。今回のV.Iの令状棄却は、逃走や証拠隠滅をする恐れがないというのが主な理由だった。すでに捜査がほとんど進行しているが、確保する証拠がないため隠滅する懸念も低く、V.Iがこの間、捜査に臨んだ姿勢を照らしてみても逃走する可能性も低いと見た」と解釈した。
またユ・ヨンジン弁護士は、「V.Iが今のところ認めた容疑は常習賭博しかないが、それだけを持って拘束するのは事実上難しい」とし、「性売買斡旋容疑も犯罪が成立したとしても、V.Iが主導的な立場だったのか、単純に加担した程度なのかが不明瞭で、犯罪事実の疎明が少ないと見られ、棄却されたと思われる」と伝えた。
一方で、裁判所の今回の判断に対して大衆の非難の声は大きい。
うやむやに捜査を終えてしまったバーニングサン事件の中心人物とされたV.Iが、なぜ拘束されないのかという疑問だ。
前出のキム弁護士は、「令状実質審査は1日で決定しなければならず、判事たちもすべての内容を繊細に見ることは難しい。拘束理由についての判断も、完全に客観的だと見ることができない」とした。
さらに「令状実質審査の際、大物弁護士たちを選任して数時間ずつ“マラソン論争”をする理由も、多分そんな現実から生じる不条理だ」と述べた。
結局、検察側の論理と弁護側の論理が衝突する地点で、1日という短い時間にどれだけ令状担当判事の心中を揺らすかがカギになるということだ。
初めて事件を捜査していた2019年5月、警察が性売買斡旋などの容疑でV.Iに対する拘束令状を申請したが、「主要な容疑に争いの余地がある」との理由で、裁判所に棄却された。
争いの余地があるかどうかは対外的な名分であり、実際は検察が裁判官の心を動かすほどの資料や弁論を用意できなかったと見るべきとの話だ。
バーニングサン事件は、2019年1月に情報提供者キム・サンギョ氏が、クラブ「バーニングサン」でレイプ薬とされる「ムルポン(GHB)」を利用した性暴行が蔓延していると暴露したことで発覚した。