グラミー賞からK-POPが姿を消した。
【画像】“BTSの父”とJ.Y. Park、「K-POPは危機」
BTSをはじめ、Stray Kids、NewJeansなどK-POPアーティストのノミネートが不発に終わり、今年はK-POPのないグラミー賞となる。
2月5日(日本時間)、米ロサンゼルスで第66回グラミー賞授賞式が開催される。韓国ではケーブルテレビMnetを通じて生中継される。
グラミー賞は、全世界の大衆音楽授賞式のなかで最高権威を誇る。「アメリカン・ミュージック・アワード」「ビルボード・ミュージック・アワード」と共に、アメリカ3大音楽授賞式に挙げられる。BTSがK-POPアーティストとしては初めて3年連続でノミネートされたが、受賞には失敗した。
メンバーの順次的な兵役でグループ活動の空白期ができたなかで、BTSの一部メンバーのソロアルバムやStray Kids、TOMORROW X TOGETHER、FIFTY FIFTY、TWICEなど数多くのK-POPアーティストが今回も出品作を送った。
しかし2023年11月に発表された候補者リストを通じて、たった1グループもノミネートの壁を突破できなかったことが確認された。
BTSのJIMINとJUNG KOOKが今年、米ビルボードのメインシングルチャートである「HOT100」でそれぞれ1位を記録しただけにノミネートされるとの予想もあったが、最終リストに含まれず、残念な気持ちを抱かせた。
北米市場で目に見える成果を上げたBLACKPINK、SEVENTEEN、Stray Kids、NewJeans、FIFTY FIFTYなども指名されなかった。
これについて『USAトゥデイ』などの現地メディアをはじめ、多くの人々がグラミー賞の保守性を指摘しているなかで、韓国国内ではグラミー賞ノミネートの不発が昨年から台頭してきた“K-POP危機論”と無関係ではないとの声が上がっている。
2023年のK-POPアルバムの販売量は過去最多となる1億枚を突破した。一方で業界からは逆説的に、K-POP危機論が浮上した。
K-POP界の先頭に立つ、“BTSの父”ことHYBEパン・シヒョク議長の言葉のように、K-POPの輸出増加傾向が鈍化し、拡張性が限界に達したという視線が出ているのだ。これを克服するためには、音楽そのものの変化が必要との意見もある。
そもそもグラミー賞は「ホワイトグラミー」と揶揄されるほど、アメリカ国内でも保守的な授賞式とされる。チャートや投票で選定される他の授賞式と異なり、審査委員らが音楽性と作品性を評価するからだ。選定委員が保守的な40代以上の白人男性で構成され、英語圏中心の白人男性歌手を中心に受賞者を選定するとの批判を受けたこともある。
それでも2022年からは、非白人、女性、アジア、若い審査委員を増やし、多様性を拡大しようとする努力を見せた。実際に最近数年間のグラミー賞では、有色人種や女性アーティストの受賞が大幅に増えた。そのような変化のなかでもK-POPがグラミー賞の“壁”を越えることができなかったという点は、韓国歌謡界に宿題が残っているということになる。
とあるK-POP界の関係者は、「今回のグラミー賞の結果は、英米圏の評壇を満足させるほど、K-POP音楽に芸術性があったわけではないということを意味する。必ずしも英米圏の基準にK-POPを合わせる必要はないが、K-POPの全盛期と称される今現在、グラミー賞に一人もノミネートされないということは、まだK-POPがグラミー賞に亀裂を起こすほどの新しい音楽を提示できなかったという意味」と批判した。
また別の関係者は、「グラミー賞はテイラー・スウィフトのように、自作曲を作るシンガーソングライターに高い点数を与える。似たようなスタイルを量産するだけでなく、各グループだけのカラーを明確に探すなど、アイドル音楽とは言っても質的な成長が伴わなければならない」と強調した。
なお第66回グラミー賞には、「年間最優秀レコード」「年間最優秀アルバム」など9部門にノミネートされたシンガーソングライターのシザをはじめ、ヴィクトリア・モネ、ジョン・バティステ、ビリー・アイリッシュ、オリヴィア・ロドリゴ、テイラー・スウィフトなど、錚々たるアーティストたちが主要部門にノミネートされた。
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