BTS不在のHYBE、混乱期を経たSMエンタ…韓国大手エンターテインメント企業の2024年はどうなるか

2023年12月20日 K-POP

K-POPブームの先頭に立っているエンターテインメント企業の2024年の展望はどうだろうか。

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BTSやBLACKPINKを筆頭に、SEVENTEEN、NCT、Stray Kids、ATEEZなど驚くべきファンの力を持つボーイズグループの活躍と、NewJeans、IVE、aespa、LE SSERAFIMなど第4世代ガールズグループの成果、そしてデビューしたての新人グループの飛躍的な成長まで。

今年は各所属事務所を代表するグループから新しい期待株まで、きめ細かいラインナップでK-POPがグローバルな拡張に乗り出した。

華やかなラインナップらしく、結果も残した。K-POPスターが米ビルボードチャートで常連となり、授賞式「ビルボード・ミュージック・アワード」は今年からK-POPの4部門を新設した。昨年から上昇傾向を見せていたアルバム販売量は、今年さらに一段増加した。10月には“1億枚時代”に突入し、好況を享受している。

そんななかでK-POPを代表する芸能事務所といえるHYBEとSMエンターテインメントの2023年の成果を振り返り、2024年のエンタメ業界の展望を探ってみた。

HYBE、“BTSリスク”への対応

12月にBTSメンバー7人全員が兵役義務の履行に突入し、彼らがメインだったHYBEにとって2024年は重要な時期になると見られる。

BTS
(写真=BTS公式Twitter)BTS

BTSの空白によるリスクに柔軟に対応していくため、2023年のHYBEはマルチレーベル体制の強化に努めてきた。各レーベルのクリエイティブをベースに、様々な形態の2次、3次ビジネスを創出し、グローバルファンプラットフォーム「Weverse」のシナジー効果を拡大する独自のレーベルソリューションプラットフォームビジネスを構築している。

BTSの空席は、アルバム市場ではPLEDISエンターテインメントのSEVENTEENが、音源市場ではADORのNewJeansが埋めている。

SEVENTEENは11thミニアルバム『SEVENTEENTH HEAVEN』を通じて、K-POP界で初めてHANTEOチャート基準、発売初週に販売量500万枚を記録した。NewJeansは『Ditto』『OMG』から『Super Shy』『ETA』が相次いでヒットし、韓国最大の音源プラットフォームMelonの「トップ100」チャートで歴代最長期間1位となり、年末の韓国主要音楽授賞式で大賞を総なめにした。

その他にもTOMORROW X TOGETHER、LE SSERAFIM、ENHYPENなどが着実にグローバルな成長に勢いをつけている。

SEEVENTEEN
(写真提供=PLDISエンターテインメント)SEVENTEEN

新人グループの活躍も状況を左右する大きな要因になりそうだ。歌手ZICOが率いるKOZエンターテインメントで披露したBOYNEXTDOORが今年デビューし、PLEDISエンターテインメントが来年上半期に新しいボーイズグループをローンチする。

また、パン・シヒョク総括プロデューサーが力を入れたグローバルオーディション「The Debut: Dream Academy」を通じて誕生した、ガールズグループKATSEYEのデビュー活動も注目される部分だ。

NewJeans
(写真=ADOR)NewJeans

証券業界は、BTSの空白があっても来年のHYBEの営業利益は3240億ウォン(約324億円)で、今年より8.1%増加するだろうと見通した。大信証券のイム・スジン研究員は「最近のBTSメンバー4人の年末入隊計画発表は、むしろ不確実性のリスクを解消したと肯定的に評価する」とし、「HYBEの場合、購買力が高い西欧圏市場で需要が高いだけに、来年デビューする新人3チームなどを通じた利益成長がライバル会社と比べて大きいだろう」と分析した。

HYBEが運営する「Weverse」やDear Uの「bubble」などのファンプラットフォームも、来年から本格的な収益化に突入するものと予想される。

さらにHYBEが設立するメキシコ所在法人、HYBEラテンアメリカに対する期待も大きい。全世界のアルバムおよび音源市場のなかで、ラテン市場が急激な成長傾向を見せているからだ。HYBEラテンアメリカはアーティストのマネジメントと新人発掘・育成事業を並行する計画だ。

SMエンターテインメント、「脱イ・スマン」

長らく韓国のエンターテインメント産業をリードしてきたSMエンターテインメントは2023年、創業以来となる最大の変化を迎えた。

SMエンターテインメントの創業者であるイ・スマン前総括プロデューサーが退き、SMエンターテインメントの経営陣が“IT恐竜”カカオと手を握る過程で触発された葛藤が経営権紛争へと広がり、2~3月は混乱期だった。

イ・スマン総括プロデューサー
(写真提供=SMエンターテインメント)イ・スマン総括プロデューサー

HYBEとカカオはSMエンターテインメントの持分公開買収競争まで繰り広げ、HYBEがSMアーティストのWeverse入りを受け入れる条件で合意し、SMエンターテインメントは最終的にカカオの懐に抱かれた。

このような混乱期を経て「SM 3.0」時代を切り開いたSMエンターテインメントは、今年第3四半期のアルバム・音源売上で四半期史上最大の実績を達成し、再び安定期を取り戻した。

SMエンターテインメントは今年第3四半期の連結基準、営業利益505億ウォン(約50億5000万円)、売上高2663億ウォン(約266億3000万円)を記録したと明らかにした。これは前年同期比それぞれ70%増、12%増の数字だ。第3四半期に発売されたニューアルバムの販売量は871万枚で、四半期最多のアルバム販売量を記録した。

NCT DREAM
(写真=SMエンターテイメント)NCT DREAM

NCT DREAMがクアッドラッフルミリオンセラー(400万枚)を記録し、EXOやRIIZEなどもミリオンセラーを達成。aespaは北米、アジア、欧州を含め、ワールドツアーを18回行い、ファンの拡大に邁進した。

2024年にはaespaの英語フルアルバムを筆頭に、NCT DREAMとNCT NEW TEAMの新しいアルバムも予告されている。さらにSMエンターテインメントはバーチャルアーティストを専担する仮想アーティスト/IP制作センターを新設するなど、バーチャルアーティスト「nævis」のデビューにも力を入れている。

aespa
(写真提供=SMエンターテインメント)aespa

SMエンターテインメントは音楽パブリッシング事業も引き続き強化する方針だ。今年、子会社であるクリエーション・ミュージック・ライツ(KMR)が傘下に80人の作家を確保し、海外でも現地法人の設立を通じてK-POP進出を希望する海外作家を積極的に迎え入れる計画だ。アジア圏を離れ、K-POPのグローバル化に合わせて北米活動を強化するための戦略と解釈される。

HYBEやJYPエンターテインメントの事例のように、現地アイドル制作の可能性も存在する。

SMエンターテインメントのチャン・チョルヒョク代表理事は「子会社KMRを通じて積極的にグローバル作家の迎え入れ、良質な曲を安定的に需給して、外部レーベルや企画会社への音楽販売が今後SMエンターテインメントの新規収益源として定着するようにする」と明らかにした。

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