『パラサイト』俳優が突然この世を去ってから早くも20日…韓国社会で起きている“変化”とは

2024年01月15日 話題

俳優のイ・ソンギュンさんが突然この世を去ってから、早くも20日という時間が過ぎた。

【注目】イ・ソンギュンさんの“最後のメモ”を報じたメディア、猛非難

麻薬投薬容疑をかけられた彼の悲報後、韓国社会で何か変わったことはあるだろうか。

イ・ソンギュンさんが私たちのそばを離れて20日という時間が過ぎ、歌手G-DRAGONの麻薬投薬容疑が“嫌疑なし”と判断されてから33日が過ぎた。

イ・ソンギュンさんとG-DRAGONが麻薬投薬の疑いで捜査を受けながら、これを眺める視線が過去と変わった点を感じることができる。何よりも事実関係が確認される前まで、色眼鏡をかけて非難するなどの行為が減った点が目につく。

なるべく中立的に事件を見ようとする人が増え、事件の捜査過程などを見守りながら確認されたものだけを批判する傾向があるという点で、より成熟した文化を垣間見ることもできる。

イ・ソンギュンさん
(写真提供=OSEN)イ・ソンギュンさん

確認されていない事実に対して慎重に

例えば現在、“不倫疑惑”をかけられている俳優カン・ギョンジュンが代表例だ。

彼は去る1月3日、5000万ウォン(約500万円)の損害賠償請求訴訟を提起された。告訴人によると、カン・ギョンジュンが告訴人の妻と不倫し、家庭を破綻させたという。カン・ギョンジュンはその後、10日余りが経った現在まで、これといった立場を明らかにしていない。

カン・ギョンジュンが沈黙を守っている間、彼と告訴人の妻が交わしたという私的な対話が公開されて波紋が広がったりしたが、芸能人だからといっても個人的な対話内容まで公開するのはどうかと、少し慎重な反応が見られる雰囲気だ。

カン・ギョンジュン
(写真提供=OSEN)カン・ギョンジュン

以前であればゴシップに積極的に反応してカン・ギョンジュンへの批判が殺到していたが、過去とは多少変わった点だといえる。

また、カン・ギョンジュンに対して無条件に批判するよりは、それによって被害を受けている家族を心配し、彼らを保護する動きも目立つ。

社会的な動きも見逃せない。ポン・ジュノ監督、チャン・ハンジュン監督、俳優キム・ウィソン、歌手ユン・ジョンシンなどは1月12日、イ・ソンギュンさんが麻薬投薬容疑で警察の捜査を受けているなかで亡くなった事件を警察とマスコミによる“人格殺人”と規定し、真相究明と再発防止対策を促した。

ポン・ジュノ監督
(写真提供=OSEN)1月12日、声明文を読み上げるポン・ジュノ監督

彼らは「故人の捜査に関する情報が最初に流出したときから、“極端な選択”があるまでの2カ月間、警察の保安に少しの問題もなかったのか徹底した真相究明を促す」とし、「警察が故人に3回にわたる出席情報を公開した点、故人がマスコミに露出しないように備えるいかなる措置も取らなかった点などが、はたして適法な範囲内の行為なのか明確にしてほしい。そうしてこそ今後、第2、第3の犠牲者を防ぐことができる」と声を高めた。

彼ら文化芸術人連帯会議には、韓国映画プロデューサー組合、韓国独立映画協会、韓国映画制作家協会、韓国映画監督組合、韓国放送演技者労働組合、韓国マネジメント連合など29の団体が参加し、「今回の事件を契機に“イ・ソンギュン防止法”を制定するために、意を共にするすべての団体と積極的に協力していく。映画・芸術界全般が似た事案でも共に対応していけるよう、連帯会議体も具体化する」と明らかにした。

“魔女狩り”で一人を絶望に追い込むよりは、容疑が事実と確認されるまでは非難を控え、苦しむ周囲を保護する動きに変化している。

イ・ソンギュンさんの悲報から20日、今後も成熟した変化が続くのか見守りたい。

(記事提供=OSEN)

◇イ・ソンギュンさん プロフィール

1975年3月2日生まれ。2001年、MBCのシチュエーションコメディ『恋人たち』(原題)でデビュー。2007年のドラマ『白い巨塔』韓国版で正義感の強い“チェ・ドンヨン(日本の里見脩二)役”を演じてブレイクし、『コーヒープリンス1号店』『パスタ~恋が出来るまで~』『ゴールデンタイム』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と数多くの人気ドラマに出演した。映画『僕の妻のすべて』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』などでも高い演技力を発揮。プライベートでは2009年5月に女優チョン・ヘジンと結婚しており、同年11月に長男が、2011年8月に次男が産まれている。2023年12月27日、48歳でこの世を去った。

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