韓国で封切り初週に観客動員数約200万人を記録した、映画『ソウルの春』(原題)への反応が凄まじい。
『ソウルの春』は、1979年12月12日にソウルで起きた新軍部勢力の反乱を防ぐための一触即発の9時間を描いた映画。韓国人なら当然知っていると思った「1212事態」の隠された歴史的話に一部の想像力を加え、怒りと響きを同時に感じさせる。
興行性と作品性を同時に備え、マスコミと評論家の好評が観客にまで通じた異例の作品として公開6日で観客動員数200万人を超えた。緩んだ韓国映画界にしっかりと緊張感を漂わせているのだ。
EGG指数(実観客の評価)が99%まで上がるほど絶賛があふれ、ネット上では実観客の良質な口コミが活発に広がる珍現象も起きている。そのため、映画関係者の宣伝活動が特に要らないほどだ。
『ソウルの春』では、俳優ファン・ジョンミンとチョン・ウソンがそれぞれ反乱軍の首長チョン・ドゥグァン、最後まで抵抗した鎮圧軍首都警備司令官イ・テシンを熱演した。
2人とも“人生演技”を繰り広げたと評価されているが、特にキム・ソンス監督と5回目のタッグを組んだチョン・ウソンがいつにも増して注目を集めている。
『私の頭の中の消しゴム』『鋼鉄の雨』『HUNT』など、数多くのヒット作を抱えるチョン・ウソンだが、意外にもまだ観客動員1000万人を超える出演作はない。チョン・ウソンの最高興行作は2008年の『グッド・バッド・ウィアード』で、観客動員数668万人だ。
一方でファン・ジョンミンは『国際市場で逢いましょう』『ベテラン』ですでに「千万俳優」(出演作が観客動員1000万人を超えた俳優に与えられる肩書き)になり、チョン・ウソンの親友で『イカゲーム』の俳優イ・ジョンジェも『10人の泥棒たち』『暗殺』『神と共に』シリーズで千万俳優になった。
『ソウルの春』は現在、今年の興行22位の『密輸』(514万人)のスピードを超え、『犯罪都市 NO WAY OUT』以来最も速い興行記録を出している。
封切り2週目に入った初めての平日にもオープニングスコア(20万人)より多い23万人を動員し、11月28日のリアルタイム前売り率も50%を突破。早くもリピート鑑賞のレビューが続出するなど、ロングヒットの兆しを見せている。
チョン・ウソンは『ソウルの春』で「千万俳優」の仲間入りを果たすだろうか。期待するのはまだ早いかもしれないが、デビュー30年のチョン・ウソンに新しく訪れたチャンスであることは確かだ。
(記事提供=OSEN)
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