明確な物証もなしに陳述だけで捜査に着手した事実を認めた警察が、難航している俳優イ・ソンギュンと歌手G-DRAGONの麻薬疑惑をどう解決していくかが注目される。
彼らが現在までの検査結果で「陰性」となり、G-DRAGONの場合は積極的に麻薬容疑を否認するインタビューまで行った状況だ。
問題は、イメージが命の芸能人を相手にした捜査であるにもかかわらず、警察が物証の確保なしに捜査内容を露出したことだ。そのため批判を免れずにいる。
先立って、麻薬類管理に関する法律違反の疑いがかけられているイ・ソンギュンとG-DRAGONは、いずれも毛髪精密検査や簡易試薬検査で陰性判定を受けた。同時に麻薬投薬について認めていない。
身体に対する精密検査の結果も陰性であることが確認されたイ・ソンギュンは、11月4日の2回目の召喚調査で「（高級クラブ従業員の）A氏が不眠症で処方された薬だと渡された」と供述したという。
「それが麻薬だとは知らなかったのか」という警察の問いには「知らなかった」と答え、直接的に「麻薬を投薬した」と話したわけではないというのだ。警察もまた、イ・ソンギュンが麻薬投薬を認めたと明らかにしていない。警察は補強捜査を進めた後、3回目の出頭を要求する方針だ。
G-DRAGONは、さらに積極的に麻薬投薬疑惑をはじめとする各種疑惑にすべて答え、「潔白」を主張している。
去る10月22日、G-DRAGONは法律代理人を通じて「私は麻薬を投薬したことがない。最近マスコミに公開された麻薬類管理法違反に関するニュース報道内容とは無関係であることを明らかにする」と直接否認し、異例なことに警察の調査に自ら出頭した。
彼は取材陣の前で「麻薬関連犯罪の事実がない」と再び自信を示し、4時間の調査を終えた後には「笑って終わった。冗談だ。一日も早く捜査機関で精密検査結果を速やかに発表してほしい」と堂々とした態度を見せた。
また11月13日、G-DRAGONは聯合ニュースTVを通じて単独インタビューを行い、「麻薬を投薬したのか」という直接的な質問に「していない」ときっぱりと答えた。
続いて巷で知られた女室長（高級クラブ従業員A氏）や医師の存在について、「誰なのかも知らない」と否認し、「全身脱毛」報道に対しては「事実とまったく違う部分だ。昨年のアルバム活動以降、ほぼ1年半以上も髪の脱色やカラーリングをしたことがない」と主張した。
そして「なぜ他の疑惑や誤解が大きくなり続けるのかわからないが、重要なことは麻薬をしたのかどうかだ。その疑問に対しては、私が立証しており、できると思う」と強調した。
そんなG-DRAGONのインタビューに、再び警察が無理な捜査をするのではないかという見方が強まっている状況だ。
これと関連して警察庁国家捜査本部の関係者は、11月13日に行われた定例記者懇談会で「現在まで（麻薬簡易試薬検査）陰性が出たからといって無理な捜査だと断定するのは多少無理な判断だ」とし、「明白な証拠を確保する前の立件前の調査（内査）段階で該当事実が知られ、捜査が容易ではない状況だが、適法な手続きに従って引き続き捜査する」と説明した。
それと共に警察は、イ・ソンギュンとG-DRAGONの麻薬投薬疑惑捜査と関連して「物証なしに陳述だけで捜査に着手したことは事実だ」と認めながらも、「麻薬犯罪の捜査は国立科学捜査院の鑑定結果だけでなく関連者の陳述、フォレンジック資料などを総合して疑惑の有無を判断する」と立場を示した。
先立ってG-DRAGONは、「警察の調査が無理をしているわけではなく、誰かの陳述が出たので職業の特性上、やるべきことをやっているのだと思う」と話したことがある。
警察は「通常の麻薬捜査で陳述だけで疑惑が立証された事例があるのか」という質問には、「探してみなければわからない。陳述だけで検事が公訴を維持することは容易ではないと思う」と答えた。容疑の立証が容易ではないことを示唆したのだ。
麻薬疑惑と大々的に報じられるも、警察の捜査は難航している様子だ。警察がどんな判断を下すかに注目が集まっている。
（記事提供＝OSEN）
◇イ・ソンギュン プロフィール
1975年3月2日生まれ。2001年、MBCのシチュエーションコメディ『恋人たち』（原題）でデビュー。2007年のドラマ『白い巨塔』韓国版で正義感の強い“チェ・ドンヨン（日本の里見脩二）役”を演じてブレイクし、『コーヒープリンス1号店』『パスタ～恋が出来るまで～』『ゴールデンタイム』『マイ・ディア・ミスター～私のおじさん～』と数多くの人気ドラマに出演した。映画『僕の妻のすべて』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』などでも高い演技力を発揮。プライベートでは2009年5月に女優チョン・ヘジンと結婚しており、同年11月に長男が、2011年8月に次男が産まれている。
◇G-DRAGON プロフィール
1988年8月18日生まれ。本名クォン・ジヨン。2006年にBIGBANGのメンバーとしてデビュー。BIGBANGのリーダーで、グループ内ではラッパーを担当している。作詞・作曲、そしてプロデュースのスキルにも定評があり、数多くの楽曲をヒットさせた。2019年10月に除隊。2022年4月に『Still Life』を発表して約4年ぶりにカムバック。2023年6月にYGエンターテインメントとの契約が終了した。
前へ
次へ
