「帝国主義の作品も…」韓国で止まらない日本アニメ映画人気、「限定的」と専門家が語るワケ

2023年11月13日 映画

2023年の韓国映画業界を表すキーワードを一つ挙げるとすれば、「日本アニメの躍進」がある。

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上半期の『THE FIRST SLAM DUNK』『すずめの戸締まり』に続き、去る10月25日に公開された『君たちはどう生きるか』まで、韓国国内で日本のアニメ映画が相次いで興行に成功した。

ここに加えて、ジャズバンド結成の過程を描いた音楽アニメ『BLUE GIANT』も、去る10月18日の公開開始以降、音楽愛好家たちの口コミによって人気が広がり、観客動員数9万人を記録するなど前線を続けている。

国内最高の俳優陣と演出陣が協業した韓国映画でさえも観客100万人動員が難しいなか、日本アニメはどの作品も公開直後から快進撃を見せている。「韓国の劇場街を占領した日本アニメ」という言葉も決して過言ではない。

30~50代男性ファンの支持のなか公開がスタートした『THE FIRST SLAM DUNK』は、20代女性ファンも徐々に取り入れて今年上半期の劇場街と出版街の最大の話題作に浮上した。累積観客数は476万人に達した。

映画人気によって原作漫画が飛ぶように売れたのはもちろん、イラスト集やキーホルダー、パズル、カレンダーなど、販売されたグッズは相次いで完売を記録した。これが、日本アニメ映画興行の始まりとなった。

『THE FIRST SLAM DUNK』
(画像=NEW)『THE FIRST SLAM DUNK』

今年3月から後悔された『すずめの戸締まり』は、『THE FIRST SLAM DUNK』が達成した日本アニメ映画興行記録を2カ月で塗り替えた。

『君の名は。』や『天気の子』、『秒速5センチメートル』などを手掛け、韓国にも根強いファンを持つ新海誠監督の底力が光を放ったという評価が出た。

ファンが“N次観覧”(何度も劇場に足を運んで観覧すること)を続けて口コミが広がると、観客動員数も557万人にまで急増した。

『すずめの戸締まり』
(画像=ShowBox)『すずめの戸締まり』

ただ、『君たちはどう生きるか』の興行は、前述した2作品とは異なる歩みを見せている。

日本アニメの大家・宮崎駿監督が引退を撤回し、10年ぶりに制作したこの作品は、明確な長所と短所を持つ。

『君たちはどう生きるか』は監督の自伝的な話を基にしている。1940年代の空襲で母親を失い、父親が新しい工場を立てて再婚、閑静な田舎に引っ越すことになった少年マヒトが体験する神秘的なストーリーが描かれた。

宮崎監督特有の“人間愛”が作品全般に温かなメッセージを伝えるが、日本帝国主義侵略期に出生する軍人に対して敬意を表する部分や、他国への侵略に対する反省のない態度、罪意識もなく裕福に暮らす主人公が妻を亡くした後、義妹と再婚する部分などは、韓国国内の冗長と会わないという評価を受けた。

そのため、『君たちはどう生きるか』はマスコミ試写会をはじめとするマーケティングを消極的に展開せざるを得なかった。

それでも、スコアは着実に上昇している。評論家はもちろん、実際に観賞した観客からも一部鋭い酷評は出ているが、公開初週で観客動員数100万人に近づき、2週目には150万人を突破した。

とある映画関係者は「『君たちはどう生きるか』を通じて、観客の認知度と関心が高く、公開以降に多様な対話を描くコンテンツこそが興業の重要な要素だと感じた」とし、「多少難解だという評価もあるが、関係という枠組みのなかで両親と友人の大切さを伝える点が観客に響いたようだ」と伝えた。

『君たちはどう生きるか』
(画像=大元メディア)『君たちはどう生きるか』

一部では、今年初めから日本アニメが人気を集めていることとともに、多様なSNSプラットフォームがパーソナライズサービスを勧めた点にシナジーがあるという主張もある。

『THE FIRST SLAM DUNK』を観た観客が『SLAM DUNK』関連の動画や資料を探すうちに、日本の音楽やアニメがアルゴリズムで浮上し、自然に拡張されるというわけだ。

大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は、「日本アニメの興行はファンダムとSNSパーソナライズサービスを基盤としている。忠誠度の高いファンがN次観覧を続けることで、パーソナライズサービスによるアルゴリズム分析を通じて人気アニメと関連した音楽や作品が自然に紹介されるようになる。そうして、より多様な日本のアニメを紹介してもらうことになる」と分析した。

続けて、「日本の実写映画はこのようなファンダムを構築できなかったため、苦戦している。日本の大衆文化全般が良い反応を得ていると見ることは難しい。日本のアニメ限定で人気が高い」と指摘した。

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