家族が敵よりも困難をもたらすことがある。
【写真】「事務所OK出た?」TWICE・ナヨン、“黒レースキャミ姿”
本来は心強い味方にならなければならない家族だが、時には家族という理由で基本的な尊重さえ受けられなかったり、自分がやっていない過ちで一緒に被害を受けたりすることが起きている。
特に最近、韓国芸能界は“家族の借金問題”で議論になったスターたちの事例が後を絶たない。
去る9月、TWICE・ナヨンと母親は6億ウォン(約6000万円)相当の債務不履行訴訟で勝訴した。
ナヨンの母親の元恋人であるA氏がナヨンの母親の頼みで生活費など必要な資金を貸したが、「練習生だったナヨンが歌手としてデビューすることになればお金を返すと約束したが、ナヨン側が約束を破った」として訴訟を起こした。
だが裁判所は「金銭取引の回数、期間、金額、経緯などに照らしてみたとき、A氏とナヨン側がこれを返還するという意思の合致があったとは見難い。A氏とナヨンの母親が当時恋人関係にあったことを考慮すれば、これを貸与金とは断定できない。名目が家賃、通信費、貸出金、学費などである点から見て、生活費用途で支給されたと見られる」とし、A氏側に敗訴の判決を下した。
これと関連して所属事務所JYPエンターテインメント側は「すでに判決が確定し終結した件でアーティストの芸能活動とは関係ない」とし、「今後、憶測性の文章などでアーティストの名誉を毀損したり侮辱したりする事案に対しては断固として法的対応する」と強調した。
これに先立って両親の借金で自粛期間を過ごしたラッパーのMicrodotが復帰を予告し、話題を集めた。
Microdotは2018年、両親の詐欺行為が遅れて知らされて問題になった。20年前、忠清北道・提川(ジェチョン)市の村人たちから金を騙し取り、ニュージーランドに逃走したという。当時、Microdotは「虚偽事実。法的対応を準備中」という立場を出したが、具体的な証拠と証言があふれて議論がさらに大きくなった。
これに対してMicrodotは「家族がニュージーランドに移民した当時、5歳だった」と釈明し、「問題が円満に解決されるよう最善の努力を尽くす」と謝罪した。しかしその後、Microdotが両親の詐欺について以前から認知していたという状況が明らかになり、大衆の反発を買ったりもした。
最終的にMicrodotの両親は、それぞれ懲役3年と懲役1年を言い渡され、出所後はニュージーランドに追放。議論の余波で自粛期間を持ったMicrodotは去る9月、ドキュメンタリー番組に出演し、焼肉店で仕事をしながら被害者にお金を返しており、合意のために努力中と明らかにした。
Microdotと似た事例で、ラッパーのDOK2も過去に母親が1000万ウォン(約100万円)を借りて返さなかったという暴露が登場したが、「1000万ウォンは私の1カ月の食事代」という不適切な釈明で議論を煽ったことがある。DOK2は追加の文章を載せ、被害者と連絡がつき、息子として道義的な責任を負って返済することで合意したと明らかにし、議論を終結させた。
その他にもハン・ソヒ、キム・ヘス、MAMAMOO・フィイン、チャ・イェリョン、イ・ヨンジャ、カン・ミンギョンなど数多くのスターが家族の借金問題で話題になった。
しかし子供が親の罪を一緒に抱え込むことは義務ではない。
被害者のお金で贅沢な生活をした以上、加害者の家族にも被害を補償しなければならない義務があるという主張がある一方で、“連座制”(犯罪行為に関係のない者であっても、犯人と特定関係にあることを理由に刑事上の連帯責任を負わせる制度)が廃止された現代社会において顔が知られた芸能人という理由だけで、家族の過ちに対する責任を負わせようとするのは不当だという主張も少なくない。
無念で切実な被害者の気持ちも理解できるが、犯罪行為に加担したのでない場合、彼らもまた別の意味での被害者でありうるという視点を見逃してはならないという声だ。
実際にハン・ソヒの母親は娘の名前を伝って秘密裏に巨額の借金を作ったが、裁判所はハン・ソヒには関係がないとの判決を下した。これに対してハン・ソヒは被害者たちに謝罪しながらも、母親の借金に責任を負う計画がまったくないことを明確に伝えた。彼女は「娘が有名人であることを悪用してお金を受け取ろうとする一連の行為を源泉遮断する」と強調した。
MAMAMOO・フィインやチャ・イェリョン、カン・ミンギョンの場合、すでに縁を切って交流のなかった父親の借金に巻き込まれ、父親の借金に苦しめられたり代わりに返済までしたりした過去が公開され、同情を買った。キム・ヘスもまた母親の借金に巻き込まれると、すでにかなり前に母親の債務問題で絶縁していたことを告白した。
MicrodotやDOK2のように不適切な初期対応で反発心を買ったケースを除けば、大多数の大衆は“家族の借金”に巻き込まれたスターたちにエールを送った。芸能人の家族という点を利用して議論を大きくし、強引なレッテルを貼ろうとする動くも少なくなく、望まない家庭史を告白してイメージに打撃を受けるなど、被害を受けたスターたちに対する憐憫の視線が注がれた。
それでも多くのスターが家族として借金返済に努めるなど、道義的な責任を果たすという立場を明らかにした。
芸能人という職業の特性上、一般大衆よりさらに厳格な道徳的基準が要求されるのは避けられないことだ。それでも自分がしてもいないことに乗り出して被害を甘受することが「当然のこと」にならないことを願うばかりだ。
(記事提供=OSEN)
前へ
次へ