韓国入国を拒否された歌手のユ・スンジュン（46）に、帰国の道が開かれた。
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ユ・スンジュンがビザ発給拒否の処分を取り消してほしいと提起した2回目の訴訟の控訴審で、勝訴したのだ。裁判所は、韓国入国ビザの発給を拒否した政府の処分を取り消すべきと判決を下した。
ソウル高裁・行政9-3部（チョ・チャンヨン、キム・ムシン、キム・スンジュ部長判事）は、ユ・スンジュンが駐ロサンゼルス総領事を相手に提起した旅券・ビザ発給拒否処分取り消し訴訟で、1審を覆し、原告勝訴を言い渡した。今回の裁判は、彼が駐ロサンゼルス総領事を相手に起こした2回目の訴訟の控訴審だった。
裁判所が21年ぶりに、ユ・スンジュンに劇的に韓国入国の道を開いた理由は何だろうか。
裁判所は「兵役忌避行為に社会的な公憤があり、20年を超える今も原告に対して外国同胞の包括的滞留にあたらないという声が出ている」としながらも、「ただし裁判所は憲法と法律により、事案を判断する義務がある」と説明した。
そして長い合意を経てこの事件を扱い、判決することになったと伝え、「ユ・スンジュンに適用された旧在外同胞法によると、大韓民国の男性が兵役を忌避する目的で外国国籍を取得した同胞だとしても、満38歳を超えれば大韓民国の利益を害する恐れなど特別な事情がない限り、滞在資格を付与しなければならない」と判示した。
一定の年齢を超えれば、厳格な事情がない限り、滞在資格を付与しなければならないという判断だ。
在外同胞法は2017年10月に改正されており、該当条項は2017年10月31日の改正を通じて基準年齢が38歳から41歳に上方修正された。駐ロサンゼルス総領事は改正条項を根拠に、39歳だったユ・スンジュンが2015年に申請したビザの発給を拒否したが、裁判所が改正前の条項を適用したことで結果が変わった。
依然としてユ・スンジュンに対する世論は冷ややかだが、それを意識した裁判所の悩みと熟慮もうかがえる。裁判所が判決において世論をある程度気にするのは事実だが、法理的に問題がない限り、在外同胞滞在資格を拒否することはできないわけだ。
そもそもユ・スンジュンは、2002年に韓国国籍を放棄してアメリカ市民権を取得し、同年、韓国法務部から入国制限処分を受けた。2001年に軍隊に行くために身体検査まで受けた彼が、兵役義務を逃れるためにそんな選択をしたと判断された。
その後、ユ・スンジュンは2015年に韓国入国のために在外同胞ビザを取得しようとしたが、発給が拒否されると最初の訴訟を提起した。駐ロサンゼルス総領事を相手に、ビザ発給拒否取り消し訴訟を提起したユ・スンジュンは2020年3月、最高裁で勝訴の判決を受けた。
最高裁は「過去に入国禁止決定があったという理由だけで、ロサンゼルス総領事館が裁量権を行使せず、ビザ発給を拒否したことは違法だ」と判断した。
しかし最高裁の判決後も、ビザの発給が再び拒否されたている。韓国外交部は「最高裁の判決の趣旨は、ビザ発給拒否の過程に手続き的な問題があったということ」とし、ユ・スンジュンのビザ発給申請を再度拒否した。ユ・スンジュンは2020年10月、駐ロサンゼルス総領事を相手に再び行政訴訟を起こした。
2回目の訴訟の1審は、政府の手続きが適法だったとし、ビザ発給の拒否は正当と判断した。ユ・スンジュンの請求を棄却し、最高裁判決の趣旨は「ビザ発給拒否に手続き的違法がある」ということであり、「ユ氏にビザを発給しなければならない」ということではないとし、2022年4月に原告敗訴の判決を下した。
しかし、その控訴審で裁判所は、ユ・スンジュンの手をあげた。ただ今回が最高裁の最終判決ではないため、まだ見守らなければならない過程が残っている。
韓国外交部は7月13日、2審でユ・スンジュンが勝訴したことと関連して「後続の法的対応については法務部など関連機関と協議していく」と明らかにした。
これまでユ・スンジュンは、自身のSNSやYouTubeなどを通じて継続的に自分の意見を表してきた。
先立って彼は、「今も昔も法的に問い詰めもしないまま、“兵役逃れ”という単語を使い、国民を扇動するマスコミ。個人にリンチを加えても誰一人、何も言えない恐ろしい社会」と書いて怒りを表わしたこともあった。
また、「入隊すると言ったのは国民に対する約束ではなく、ファンとの約束だった。そのファンとの約束を守れなかったのだ。それ以上でも以下でもない」とし、「たしかに約束を守れなかった。だからといって、なぜそれが罪なのか。君たちは一生、約束したことを全部守って生きているのか」と吐露したりもした。
今回の勝訴判決で20年以上も母国に入国できないユ・スンジュンの状況が変わるのか、注目したい。
（記事提供＝OSEN）
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