作品は酷評だが「主役以上の存在感」とも…BLACKPINK・ジェニーの“演技初挑戦”を見守りたいワケ

2023年06月11日 話題 #BLACKPINK

「自分自身になって勇気を出せる機会だった」

【画像】ジェニー、ドラマで“19禁の強烈ダンス”

BLACKPINK・ジェニーの女優デビュー作となった米HBOのドラマ『The Idol』が6月4日(現地時間)に公開され、連日議論の中心に立っている。

『The Idol』は、人気ポップアイドルをめぐるある種の関係と音楽産業に対する話を扱った作品で、ウィーク・エンドが制作し、『ユーフォリア/EUPHORIA』のサム・レヴィンソン監督が演出を担当した。

ジェニーは劇中、主人公を演じるリリー=ローズ・デップの友人で、ダンサーの“ダイアン”を演じた。彼女は6月4日に公開された第1話で10分ほど登場し、ブラトップと短いホットパンツを着用して男性ダンサーとレベルの高いダンスを披露した。

作品は酷評も…ジェニーへの評価は?

『The Idol』は5月のカンヌ国際映画祭で初公開されて以降、酷評を浴び続けてきた。

(画像=HBO)『The Idol』

「醜い男性ファンタジー」(『バラエティ』)、「恐ろしく残忍だ」(『ローリング・ストーン』)、「強姦ファンタジー」(『ニューヨーク・タイムズ』)など、主要海外メディアがドラマの中の扇情性と女性嫌悪的な描写、男性主義的な性ファンタジーなどを共通して非難した。

ついには「拷問のようだ」という批判の声も出てきた。『The Idol』でジェニーは生涯初めてカンヌ国際映画祭に招待され、“カンヌのお姫様”に浮上したが、作品を巡る議論は避けられなかった。

まるで性関係を連想させるパフォーマンスと官能的なジェニーの表情、体つきを浮き彫りにするカメラアングルに、「見ていられない」という視聴者が続出。特にBLACKPINKのファンは、ジェニーが“消費された”ことに怒り、所属事務所YGエンターテインメントに抗議したりもした。

(画像=HBO)『The Idol』に出演したジェニー

韓国では、所属事務所があらかじめ問題を認知して対処すべきだったという責任論まで提起された状況だが、むしろ海外では『The Idol』への酷評とは別に、“女優ジェニー”に向けた注目度が高い。

彼らは主演のリリー=ローズ・デップよりもジェニーに向けた反応が熱いとし、彼女が短い時間で表現した強烈な演技を絶賛した。

『ニューヨーク・タイムズ』は、「誰かにとって『The Idol』を見る唯一の理由は、BLACKPINK・ジェニーのため」と伝え、「最初のエピソードが放送された後にはリリー=ローズ・デップが演じた主人公“ジョスリン”ではなく、ジェニーが演じた“ダイアン”が舞台の中心に立った。インターネット上には、ジェニーの演技デビューを称賛する映像があふれている」と伝えた。

『フォーブス』は、ジェニーが『The Idol』を通じて女優として成功裏にデビューしたとし、「記憶に残り、目立ち、キャスティングディレクターやプロデューサー、観客の関心をすべて捕らえることができる独特さを持っている」と評価した。

NBCもまた「ある視聴者は“唯一楽しかったのはジェニーのダンスを見ることだった”と話した」とし、ジェニーの振り付けシーンがYouTubeやTikTokなどで数百万回の再生回数を記録していると伝えた。

実際にジェニーの出演シーンは短かったが、圧倒的な存在感を誇った。台詞があまりないため、まだ演技力を評価する段階ではないが、男性ダンサーたちとリリー=ローズ・デップの間でレベルの高いダンスの実力を披露し、視線を一気に奪った。

(写真提供=OSEN)BLACKPINK・ジェニー

ジェニーはそのシーンについて、「振り付けを学ぶ時間が多くなかった。しかしありがたいことに、私はBLACKPINKとして活動をしながらいつもこの仕事をしているので、自然に出てきた」とし、BLACKPINKの活動が大きく役立ったと伝えたりした。

もちろんK-POPの“自負心”であるBLACKPINKのジェニーが、男性のファンタジーを並べた作品に簡単に消費される残念さを残しているのは事実だ。しかしジェニーはウィーク・エンドから直接出演の提案を受け、自分が引き受けた配役と演技しなければならないシーンについて認知した状態で出演を受諾した。

女優として大きな挑戦をしたジェニーは、おそらくファンが自分の選択を尊重し、見守ってくれることを望んでいるだろう。しかも、まだ第1話が公開されただけだ。第1話で10分余りの分量だけを見て、ジェニーの挑戦と意味まで貶めることはかえって暴力的だという声も出ている。

(画像=HBO)『The Idol』に出演したジェニー

先立ってジェニーは『The Idol』出演のきっかけを聞かれると、「14歳からアイドルになるために努力した経験と似ていて共感ができた。(演技をすれば)自分自身になって、勇気を出せる機会だった」と明らかにした経緯がある。

また、「音楽産業に関することだという事実が私を魅了させ、私は自分がその役割に何かをもたらすことができると思った」とし、「そのような経験をしたことがないので確実に難しいことだった。まるで壁を壊しているようだった」と表現した。

関連する議論について文化評論家のチョン・ドクヒョンは、「HBOの全般的な作品がきわどいレベルにあるのは事実だ。『The Idol』の他にも、きわどい作品が多い。同時に社会性の濃い作品を作ったりもしてきただけに、単純にきわどさだけが高いのか、それを通じて何かを盛り込もうとするメッセージがあるのかは、作品全体的に見なければならない」とし、「ジェニーもやはり演技に対する意欲があり、HBOもイシュー化が必要だったのでお互いの目的が合致したようだ」と慎重な判断が必要だと話した。

ただし「大衆は明らかになった場面だけで評価するしかないため、はるかに不適切だと感じられる部分が出てくることもありうる。ジェニーが扇情的なシーンに消費されるならば批判されて当然であり、ファンがいるため、彼らが見ていられないと言えば、それもやはり受け入れなければならない」と話した。

◇ジェニー プロフィール

1996年1月16日生まれ。2016年にBLACKPINKのメンバーとしてデビュー。グループ内ではメインラッパーとサブボーカルを担当。2018年に『SOLO』でソロデビューを果たす。同曲のミュージックビデオの再生回数は4億回を超えた。ファッションブランド「シャネル」のビューティーアンバサダーとしても活躍。どんなアイテムも難なく着こなし、「存在そのものがブランド」と呼ばれるほど圧倒的な存在感を放っている。

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