自縄自縛(じじょうじばく)、すなわち自分の行動が自分をしばって、困難に直面することを意味する。
【写真】ユ・アイン、『太陽の末裔』女優との“密着”2SHOT
様々な麻薬を常習投薬した容疑をかけられている俳優ユ・アイン(36)が留置場に連行され、頭を下げた。
拘束令状(逮捕状)実質審査の結果に注目が集中しているなかで、拘束されるかどうかとは別に、今回の事態がユ・アインの「自縄自縛」という非難を避けられなくなった。
5月24日午前11時、ソウル中央地裁(イ・ミンス令状専担部長判事)では麻薬類管理に関する法律違反の容疑がかけられたユ・アインと知人A氏に対する令状実質審査(拘束前被疑者尋問)が行われた。
拘束の岐路に立たされたユ・アインは、「疑惑の相当な部分を認める」と態度を変えた。そんな態度の変化が、彼の拘束にどんな影響を及ぼすかが注目されている。
この日、現場には早朝から数多くの取材陣が集まった。10時30分頃、黒いスーツを着て弁護士と一緒に姿を現したユ・アインは、頭を下げたまま淡々と落ち着いた表情で素早く足を運んだ。
「麻薬容疑を認めるか」「共犯者の逃避を試みたのは事実か」という取材陣の質問が続くと、ユ・アインは「疑惑の相当な部分を認めており、共犯逃避の試みはまったく事実ではない」と答えた。
約1時間30分間の調査を終え、12時35分頃にユ・アインが裁判所を出てきた。
「容疑をどう釈明したのか」「5つの麻薬容疑すべて認めるのか」「証拠隠滅の部分をどう釈明したのか」などの取材陣の問いに、ユ・アインは「証拠隠滅はまったく事実と違うと話した。私が明らかにできる真実を、そのまま明らかにした」と繰り返し強調した。
特に「麻薬を使ったことを後悔しているのか」という言葉には、「後悔している」と答えた。
警察と裁判所に出頭するまで淡々とした表情だったが、手錠をかけられて警察官に連れられたユ・アインの表情は暗かった。彼はあらかじめ用意された警察の護送車に乗り込んだ。
ユ・アインはコカイン、大麻、ケタミン、プロポフォール、ゾルピデムの計5種の麻薬を常習投薬した疑いをかけられている。
警察と検察は、ユ・アインの医療記録と麻薬簡易小便検査、国立科学捜査院の毛髪精密検査などを総合し、彼が麻薬を常習投薬したものと見ている。
ユ・アインの知人A氏は美術作家で、ユ・アインの麻薬投薬を手伝ったり、一緒に投薬したりしていたことがわかった。 A氏を含む知人4人も、麻薬投薬の疑いで警察に立件された。
先立って5月19日、ユ・アインを捜査中だったソウル警察庁・麻薬犯罪捜査隊は、ユ・アインとA氏に対して証拠隠滅および逃走憂慮などを理由に拘束令状を申請。続いて検察は5月22日、彼らに対する拘束令状を請求した。
検察と警察は、ユ・アインが共犯者を海外に逃避させようとするなど、証拠隠滅を試みたとして令状を申請したという。
ユ・アイン側は令状実質審査で、コカインの投薬および証拠隠滅の疑いについて捜査機関側と激しい法的争いを繰り広げたものと見られる。
これまでユ・アインは、ほとんどの容疑を否認してきた。去る3月27日と5月16日に2回の召喚調査を受けた彼は、プロポフォールとケタミンなどは治療目的であり、特にコカインは投薬していないと主張していた。
しかし今回、突然「疑惑に対する相当な部分を認める」と立場を変えたことについては、拘束される可能性を下げる狙いがあるのではないかとの分析も出ている。
ユ・アインが拘束されるかどうかに関心が集まるなかで、逃走および証拠隠滅の試みがあったかどうかが重要な基準になる見通しだ。
去る5月18日、麻薬投薬の疑いで起訴されたナム・テヒョンとソ・ミンジェの令状実質審査で裁判所は、「住居が一定で証拠隠滅と逃走の恐れがあるとは見難い」とし、2人の拘束令状を棄却した経緯がある。
しかし2019年にヒロポン投薬などの容疑をかけられたパク・ユチョンは、陽性反応が出た後も継続的に容疑を否認したという理由で拘束捜査を受けた。
ユ・アインの場合、大麻など一部だけの投薬を認め、証拠隠滅を試みた状況が捕捉された点、警察の召喚調査に2度も欠席して捜査に非協力的な態度を示し、逃走憂慮を高めた点などで拘束令状発給の可能性も予想される。
ただユ・アインが有名人であり、現在としては初犯であるだけに、警察が彼を拘束捜査する可能性は薄いという見方もある。
なおユ・アインは、令状実質審査の結果が出るまで留置場に留まることになる。令状が発行されれば拘束状態で警察捜査を受けることになり、棄却されれば釈放される。
拘束されるかどうかは早ければ本日(5月24日)夜、または5月25日頃に決まる見通しだ。
◇ユ・アイン プロフィール
1986年10月6日生まれ。韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名になる。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、様々なドラマや映画で助演を務める。2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮し、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』『#生きている』などの話題作に出演して活躍している。
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