謝罪すれば終わり?“アウシュビッツ収容所”を例え話に…韓国ドラマで「不適切なセリフ」続く

2023年05月21日 テレビ #韓国ドラマ

ドラマ『医師チャ・ジョンスク』に続き、『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』が不適切なセリフで視聴者からの非難を受けている。

【画像】例え話に“アウシュビッツ収容所”…韓国ドラマが炎上

劇中のセリフのなかで突然、アウシュビッツ収容所が言及されたのだ。

両ドラマとも制作陣が問題になったセリフに対して謝罪したが、依然として非難が殺到している。

あまりにも不適切な表現

アマゾンプライムビデオでも配信中の韓国ENAの水木ドラマ『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』は、5月10日に放送された第9話のなかで、デボラ(演者ユ・インナ)がイ・スヒョク(演者ユン・ヒョンミン)に見た目を管理する重要性を話したセリフが問題になった。

(画像=ENA)『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』の問題となったシーン

劇中、デボラが「アウシュビッツ収容所では排泄物の上に横になって死んでいく人々を見ながら、誰かは1カップの水を受け取って半分だけ飲んで、残りの半分で顔を洗った。ガラスの破片で、食品トレーを使って顔を見ながら髭を剃った。そして生き残った」とし、「外見を整えて飾るのは生存の問題だ。ソロとして生き残らなければならないのではないか」と話したセリフだった。

放送後、アウシュビッツ収容所に言及したセリフが議論となった。アウシュビッツ収容所は第2次世界大戦当時、ドイツ・ナチスによる虐殺が行われた場所で、胸の痛む歴史的な悲劇を象徴する場所だが、それを見た目を管理する重要性を語るセリフと関連付けるのは、あまりに不適切だという批判が続いた。

これに対して『ボラ!デボラ』制作陣は、「特定のセリフにより不便をおかけしたことを謝罪する。歴史的事実に対する正確な見解で言及すべきだったが、慎重かつ細心に考慮できなかった」とし、「歴史的な悲劇を軽く消費しようとする意図は決してなかったということを申し上げ、もう一度心より謝罪申し上げる。今後は制作にさらに慎重を期す」と謝罪した。

(画像提供=ENA)『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』

最終的に『ボラ!デボラ』制作陣は、議論となったシーンを再放送から削除措置した。

謝罪はしたが削除はせず

先立ってNetflixでも配信中のドラマ『医師チャ・ジョンスク』(JTBC)も、クローン病と関連したセリフで議論に包まれた。

去る5月6日に放送された第7話で、クローン病の患者が肛門復元手術失敗後、人生を悲観して屋上に上がる内容が描かれた。患者の義父と義母になる人物が「どうしてこんなに悪い病気を隠して結婚しようとしたのか」「この病気は遺伝するとも。この結婚は諦めてくれ」と話す内容が盛り込まれた。

(画像=JTBC)『医師チャ・ジョンスク』の問題となったシーン

クローン病を「悪い病気」と表現し、遺伝すると誤った情報を与えたことに、視聴者は怒り、ドラマ掲示板に「制作陣が2次加害した」「患者と家族が大きな傷を負った」と非難した。クローン病は慢性炎症性疾患のことで、遺伝的な要因だけでなく免疫、環境的要因などが複合的に作用して発病する。

『医師チャ・ジョンスク』側は、「該当エピソードはクローン病症状のなかでも重症度慢性合併症を持つ患者の特定ケースを扱おうとしたものだが、内容を展開する過程で一般的なクローン病の事例ではないという説明が不十分だった」とし、「医学専門知識のない登場人物が患者を追い立てる意図で発言したセリフが、特定の疾患に対する否定的認識を高める可能性があるという点で細心の注意を払えなかった」と釈明した。

そして「闘病中の患者の苦痛と憂鬱感を軽く扱おうとする意図はまったくなかったことを申し上げる」とし、謝罪した。

(画像提供=JTBC)『医師チャ・ジョンスク』

だが、視聴者たちは「謝罪さえすれば終わるのか」「謝罪を受ける立場なのでさらに腹が立つ。心からの謝罪なのか」「クローン病関連の放送を削除してほしい」「きちんと謝れ。措置を取りなさい」などと、制作陣の謝罪後も非難が続いている。

『医師チャ・ジョンスク』制作陣が問題になった場面を削除していない状態だからだ。

『医師チャ・ジョンスク』は毎週自己最高視聴率を更新し、視聴率20%突破を目前にしているほど愛されている。また『ボラ!デボラ』は、俳優たちのケミストリーと共感に満ちたエピソードで人気を集めている。

しかし誤った表現、不適切なセリフで議論の中心に立ち、残念な姿を見せているのが現状だ。

(記事提供=OSEN)

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