悔しさ吐露も同情は皆無のワケ…泥酔運転事故後、多くの問題行動で物議醸した韓国の“元”天才子役

2023年04月05日 話題

「事実でない部分が多い。怖くて説明できない」

【画像】キム・セロンの泥酔運転…衝撃の事故映像

飲酒運転で街路樹や変圧器などに衝突する事故を起こした女優のキム・セロン(22)が、罰金刑を言い渡された。

ただ、「飲酒自体は過ち」としながらも、事実ではない内容もあるとし、悔しさも吐露している。

ソウル中央地裁は本日(4月5日)9時50分、道路交通法違反(飲酒運転)などの疑いで起訴されたキム・セロンに、罰金2000万ウォン(約200万円)を言い渡した。飲酒運転ほう助容疑の同乗者Aは欠席していた。

裁判所は、捜査報告書とドライブレコーダーなどに対する公訴事実を有罪と認めたとともに、「飲酒運転は他人の生命、身体、財産に深刻な被害をもたらす犯罪であり、運転距離も短くなかった」と述べた。

だが一方で、「過ちを認めた点、被害の復旧に努めた点、初犯である点を考慮した」と量刑理由を明かし、検察が求刑した罰金2000万ウォンを宣告した。

飲酒運転事故後も数々の問題

4月5日、取材陣に囲まれるキム・セロン

前回の公判時にはマスクを着用し、ラフな服装だったキム・セロン。今回はマスクも外し、メイクも施したスーツ姿で法廷に登場。当時は沈黙していたキム・セロンだが、この日の裁判では取材陣に無念な心境を吐露している。

取材陣が“虚偽の生活苦問題”について質問すると、「生活苦は私が訴えたわけではない」としながらも、「アルバイトをしていることも事実であり、違約金が多いのも事実」と話した。

そして裁判終了後、心境を尋ねられると「申し訳ないという言葉以外、どう話せばいいのかよく分からない」と淡々とした声で話しはじめた。

続けて、裁判の過程で悔しい部分があるのかという問いには「飲酒運転した事実自体は過ちなので、それに対しては言うことがない」と述べたが、「その他のことは事実ではないことがあまりにも多いので、特に何とも釈明できない。できない。怖くて」と答えた。事実でない部分については具体的に答えていない。

先立って検察は3月8日、公判でキム・セロンに罰金2000万ウォンを求刑。検察は「血中アルコール濃度0.22%を越える高い数値で飲酒運転をし、特別な措置を取らずに逃走した点で罪質が良くない」としながらも、公訴事実を自白して初犯である点、被害復旧と合意のために努力した点を挙げ、このように求刑した。

キム・セロンは2022年5月18日8時頃、ソウル江南区・清潭洞(カンナムグ・チョンダムドン)で飲酒運転をし、ガードレールや街路樹、変圧器などに何度もぶつかる事故を起こした。

当時、市民の通報で出動した警察が血中アルコール濃度を測定しようとすると、キム・セロンはこれを拒否して採血を要請。採血検査の結果、キム・セロンの血中アルコール濃度は約0.2%で、免許取り消し基準の0.08%をはるかに超える泥酔状態だったことが分かった。

(写真提供=OSEN)3月8日の初公判で裁判所に現れたキム・セロン

また、前回の公判では経済的困窮を訴えていたキム・セロン。弁護人は当時、「少女の家長として家族を扶養しており、キム・セロンだけでなく家族も苦しんでいる。莫大な被害賠償金を支払い、経済的な困難に陥った事情を参酌してほしい」と善処を要請したことがある。

そして公判から数日後、キム・セロンはあるコーヒーチェーン店でアルバイト中の写真を公開したことで、再び物議を醸した。

芸能界復帰は絶望的か

というのも、同チェーン側はキム・セロンの勤務について否定し、実際にアルバイトをしたかどうかの真偽がわからなかったからだ。その後も居酒屋でのアルバイト目撃談や、ホールデム・パブ(飲酒しながらカードゲームをプレーできる居酒屋)での豪遊目撃談などが相次いで明かされていた。

また、自粛中に居酒屋で誕生日パーティーをしたという疑惑をはじめ、韓国10大法律事務所の代表弁護士を含めた敏腕弁護士を法律代理人に選任したことなど、様々な問題で生活苦という主張に説得力がないと指摘も相次いでいる。

ただし、裁判後、キム・セロンは自ら悔しいという心境を表わしただけに、これまでの問題に対して釈明するかに注目が集まっている。

飲酒運転事故でダメージを受けたのは私生活だけではない。キム・セロンは事実上、芸能活動も中断された状態だ。

出演予定だったドラマ『車輪』(SBS)は降板し、Netflixドラマ『ブラッドハウンド』は編集で登場シーンがカットされることに。そして所属事務所のゴールドメダリストとも専属契約が満了している。

ウォンビン主演の映画『アジョシ』(2010)で台頭し、国民から愛された元天才子役の墜落に、大衆も驚きを隠せずにいる。

キム・セロンの復帰にも注目が集まるなか、一審で減刑なしに検察の求刑そのままを宣告されたことにより、生活苦という弁護人の訴えは全て水泡と帰した。そのため、キム・セロンが芸能界に復帰するとしても、“すくすくと成長した子役女優”のイメージを取り戻すことはもはや無理だろう。

◇キム・セロン プロフィール

2000年7月31日生まれ。9歳から子役として活動を始め、スクリーンデビューとなった2009年公開の主演映画『冬の小鳥』では孤児院に捨てられた少女を熱演。カンヌ国際映画祭に韓国の役者史上最年少で招待された。2010年に公開された『アジョシ』ではウォンビンと共演し、大韓民国映画大賞新人女優賞を最年少で受賞した。現在は実力派女優として多方面に活躍。特に、2019年に韓国で放送されたドラマ『レバレッジ:詐欺操作団』では、凄腕の女泥棒役を見事に演じて魅力的な姿を披露した。

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