離婚、病気、生活苦まで。過去の“痛み”を隠すよりも、率直に明かす韓国芸能人が増えている。
ただ彼らを見つめる世間の目はさまざまだ。
勇気を出した彼らの新たな人生を応援する声が多いが、繰り返される告白に「好感度狙い」「イメージ回復を図っている」との指摘も出ている。
女優ソン・ヒョナは10月21日放送されたバラエティ番組『ご飯はちゃんと食べているか』に出演し、売春容疑で無罪判決が出た後の心境から生活苦までを告白して涙を流した。
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ソン・ヒョナは2014年1月、売春容疑に対する裁判を請求した。その後2015年6月に売春容疑で裁判に渡され、一審・二審と有罪を宣告されたが、2016年6月、最高裁判所の破棄差し戻しに基づいて行われた控訴審で無罪を言い渡された。
「最終的には勝訴したが、無罪よりもスキャンダルだけを覚えている人が多いようだ。裁判をすれば、私を信じてくれると思った」と心境を伝えたソン・ヒョナは、全財産が700万ウォン(約70万円)しかなく生活苦にあえいでいたと告白した。
そんなソン・ヒョナを見ていた共演者キム・スミは「思った以上にしっかりと耐えてくれてありがとう。私はめちゃくちゃになっていると思った」と、彼女を抱き締めて肩を叩いた。
性的暴行容疑で無罪判決を受けた後、2年ぶりにテレビ復帰を宣言した歌手キム・フングクと、元ボーイフレンドとの事件で“美人局論議”に包まれた女性タレントのキム・ジョンミンも、同番組を通じて心境を伝えたことがある。
最近、音楽グループ「Roo'Ra」のメンバー、キム・ジヒョンもバラエティ番組『醜い私たちの子』を通じて大きな息子がいると明らかにし、不妊治療の痛みまで伝え、大きな話題を集めた。
「4年前に結婚した夫に子供が2人いる。上は高校1年生で、下が中学2年生だ。2人とも息子」と明かしたキム・ジヒョンは、「息子が2人いて本当に心強い。あとは娘が1人いたらいいかもしれない」と伝えた。
また「試験管を7回したが、うまくいかなかった。問題は私にあると言っていた。授かればありがたいが、授からなくても息子が2人いるから大丈夫」と話して、視聴者に強い印象を与えた。
他にも、去る10月13日のバラエティ番組『お父さん本色』では、不妊に苦しむ女性芸人シム・ジンファと、彼女を応援して流産の悲しみを告白したソ・ユジンの姿が描かれた。10月15日放送された『ヒューマンドキュメンタリー人がいい』に出演した歌手ユ・ジェファンは、父から受けた傷と母親の闘病生活、そして古くから苦しんでいるパニック障害を告白した。
バスケットボール選手のハン・ギボムも『人生ドキュメンタリーマイウェイ』に出演し、心臓や骨、中枢神経系に異常が生じる遺伝性疾患「マルファン症候群」の闘病生活と、選手引退後の事業失敗による生活苦、息子の自閉症に起因する苦労の時間を伝えた。
10月16日に放送された『ヤシャヤシャ』では、女優パン・ウンヒが離婚の痛みを打ち明け、「その時から以前までの役割がA級だったらD級に下がった」と離婚後に自分の演技キャリアが大きく崩れたと吐露した。
芸能人にとって新たな出発を控えた状況で、過去の痛みを告白することは負担になることだ。だからこそ大衆に正直でありたいと考える彼らを応援する人も少なくない。
過去を率直に明かし、活動再開を準備するスターが増えると、それをターゲットにする番組も増える傾向にある。早くから“告白の場”となっていたMBCの『ビデオスター』からSBSの『ご飯はちゃんと食べているか』、TV朝鮮の『人生ドキュメンタリーマイウェイ』など、過去の痛みや誤解を受けた芸能人たちを再び出演させ、“第2幕”を応援する番組が毎回、高い話題性を記録している。
ソン・ヒョナも『ご飯はちゃんと食べているか』の予告編が公開されただけで、ポータルサイトのリアルタイム検索ワードで連日1位に上がり、高い関心を証明した。
一方で、悪用という懸念の視線も存在する。