Netflix『ザ・グローリー』で“薬中の画家”を演じたキム・ヒオラ、14年間の無名時代をかきけす飛躍

2023年03月16日 話題 #Netflix #韓国ドラマ

名前のように澄んだ目を持つ女優生活14年目のキム・ヒオラがデビュー以来、最高の日々を送っている。

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3月10日から配信が始まった『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』パート2で、いじめの加害者であり麻薬中毒者の画家イ・サラ役を熱演したキム・ヒオラは、14年間体験した“無名時代”の悲しみをかきけした。

学生時代の残酷ないじめで心も体も壊れてしまった一人の女性の復讐を扱った『ザ・グローリー』は、パート2が公開からわずか3日で全世界のNetflixのランキングで1位を占めるなど話題の中心となった。

キム・ヒオラが演じたイ・サラは劇中、加害者パク・ヨンジン(演者イム・ジヨン)の仲間のひとりで、大きな教会で牧師を務める父を持ち、裕福な家庭に育つ。画家として麻薬に依存し、脱税を日常的に行う人物だ。

オンライン上では麻薬捜査を避けるため、麻薬が合法であるオランダに送ってほしいというシーンが話題になったりもした。

3月14日、ソウル・鍾路のとあるカフェで会ったキム・ヒオラは「家では『薬中のイ画伯』と呼ばれたりもするが、今は『金のかけら(韓国ではかけがえないという意味)イ画伯』になった」と笑顔を見せた。

サラとの共通点とは?

『ザ・グローリー』撮影前のキム・ヒオラのフィルモグラフィにはドラマ『悪を超えて』の脇役と端役の一行だけだった。

彼女にとって『ザ・グローリー』のオーディションはチャンスだった。キム・ウンスク作家とアン・ギルホPDなど有名なスタッフが参加した作品のオーディションに参加しただけでも緊張の連続だった。

初めてのオーディションでドンウン、ヨンジン、サラなど多様な人物の台本を受け取った。ヨンジンが気象キャスターの後輩に「あんたはこの会社で月に200万ウォン(約20万円)もらうが、私は2億ウォン(約2000万円)を渡している」というセリフが口にぴったりついたが、サラの台詞も可愛く感じた。

(写真=Netflix)

当時のキム・ヒオラは「私にどんな役が与えられるか分からなかった」と話している。

趣味で絵を描き、展示会も開いたことのあるキム・ヒオラは2次オーディション後、自身をアピールするためにアン・ギルホPDに「今、展示会をしている」と打ち明けた。

その話を聞いたアンPDはキム・ヒオラの絵を見て「絵が上手いね」と褒めたという。

その後、キム・ヒオラは最終合格を言い渡された。アン・ギルホPDは「君の目つきが良い」と称賛。狂人のように輝いていた澄んだ目とサラのように絵を描く経歴が、彼女をサラ役に導いたわけだ。

麻薬中毒者について熱心に研究

キム・ヒオラは麻薬中毒のサラを演じるため、Netflixはもちろんユーチューブで多様な薬物中毒者の事例を参考にして研究した。麻薬中毒者が断薬した時期に描いた絵も調べた。

実際に、劇中ではキム・ヒオラが直接描いた絵が3点出てくる。ただ、中毒者の絵とあまりにも似ていて、結局製作陣が下地を、キム・ヒオラが上塗りするという方式で協業したという。この他にも作品のために描いた絵は近いうちに展示する計画だとか。

キム・ヒオラが表現したサラは、生きようとする意志がないため、薬と神に依存する人物。劇中、サラは被害者ドンウン(演者ソン・ヘギョ)に「あんたは天国に行けない、私は悔い改め救われた」と言うシーンがある。

(画像=Netflix)

「サラが信じて生きる世界を直接的に表現した台詞なのに呆れた」と説明した。

破格的な場面を演じなければならなかったが、キム・ヒオラがもっと気を使ったのは麻薬漬けになったサラの姿があまりにも深く残らないように調整することだった。

キム・ヒオラは「薬中のイ・サラの話が主なストーリーではないため、演技の節制が必要だった。後半になるほどメイクをほとんどせず、クマだけで表現した。中毒者は脳が固まり単語が思い出せなくて言葉をゆっくり、どもりながらすると言い、そのような点を重点的に表現した」と説明した。

『ザ・グローリー』を通じて出会った女優ソン・ヘギョ、イム・ジヨン、チャ・ジュヨン、俳優パク・ソンフン、キム・ゴンウは大切な同僚として残った。

「パート1公開後、突然の世間の関心に途方に暮れていた私にヘギョお姉さんは『あなたを信じて、何をしてもうまくやり遂げる』と言い、ジヨンは『お姉さんあまり急ぎすぎないで、胃もたれするほどやらなくてもいい』と励ましてくれた」と感謝の気持ちを伝えた。

すべての出演陣が錚々たるものだったが、最も“気を吸い取られた”演技のパートナーは意外にもヘジョン役のチャ・ジュヨンだったとか。

(写真=Netflix)

「劇中、サラを台無しにしたのがヘジョンなので、チャ・ジュヨンと演技する時は魂を吸い取られるような気持ちだった」と笑っていた。

サラは劇後半、リベンジポルノの主人公となり、最後はヘジョンに傷害を負わせ実刑を受けることになる。視聴者の間ではサラに対する刑罰が弱すぎるという反応とサラも被害者だという主張が激しく対立している。

キム・ヒオラは「サラという人物はもちろん、両親からも縁を切られてしまうので出所後も一人だ」とし「神も薬物もなく、すべてを一人で耐えるという状況がサラにとって最高の復讐だ」と説明した。

(画像=Netflix)

国内はもちろん世界中で校内暴力の実態を喚起し、話題作として浮上した『ザ・グローリー』。キム・ヒオラは「最初に製作陣と約束したのが加害を正当化しないようにということだった」として「過去のいじめを喚起することも重要だが、今この時を生きるこどもや青少年たちにとって勇気となってほしい。これからがもっと重要だ」と強調した。

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