ラブコメ女神が“復讐の女”に…女優ソン・ヘギョが『太陽の末裔』作家と挑む復讐劇『ザ・グローリー』

ドラマ『ザ・グローリー』は、幼年時代の暴力で魂まで壊れた一人の女性が一生をかけて緻密に準備した凄絶な復讐劇と、その渦に陥る人々の話を盛り込んだ作品だ。パート1とパート2に分けて公開される予定だ。

『ザ・グローリー』は、キム・ウンスク作家と高校生の娘の会話から始まった。キム作家は「私がすぐに高校2年生になる娘を持つ学生の母親だ。校内暴力というテーマは私にとっても近い話題だった」と話した。

11月20日、ソウルで『ザ・グローリー』制作発表会が行われた。キム・ウンスク作家(左)とアン・ギルホ監督

タイトルについては、「被害者の方々の文章をたくさん読んだ。その方々の共通点が現実的な補償より、加害者の心からの謝罪を望むことだった。しかし世俗に疲れた私としては、心からの謝罪で得られるものは何だろうと悩んだ。校内暴力に遭うと見えないものを失うのではないか。尊厳、名誉、栄光のようなもの。それを取り返してこそ原点であり、始まりだと思った」と説明した。

『ザ・グローリー』はソン・ヘギョの復帰作として早くから関心を集めた。シンドローム級の人気を博したドラマ『太陽の末裔』以来、キム作家と6年ぶりに呼吸を合わせるという点も、やはり期待されるポイントだ。さらに2人にとって初の復讐劇であり、ジャンルものに挑戦するということで好奇心を刺激する。

劇中、ソン・ヘギョは恐ろしい校内暴力の被害者“ムン・ドンウン”役を演じた。ムン・ドンウンは怒りと憎悪で寒い夜の時間を耐え、復讐に向かって冷たく徹底的に進んでいく人物だ。

ソン・ヘギョ

これまでジャンルものに対する渇望があったというソン・ヘギョは、「台本を読んだが、ずっとやってみたかったジャンルとキャラクターだった。いつも(演技的に)お腹が空いていたが、“ついに出会ったな”という気がした」とし、「台本を読んで自分さえ上手くできれば良い作品になるだろうと思った」と明らかにした。

キム作家はソン・ヘギョの演技について、「仮編集を見て鳥肌が立って何もできなかった。“ソン・ヘギョにこういう表情があるんだ、こういう声が出てくるんだ、こういう歩き方があるんだ”と思った。私的な席で見たソン・ヘギョはおらず、すべてのシーンがムン・ドンウンでうれしかった」と評価した。続いて「この人に恨まれてはならないと思った。電話も2コール鳴らす前に出ている」と言って笑いを誘った。

アン・ギルホ監督も「ムン・ドンウンは女々しいが強い印象だった。その2つの支点を持つ俳優は多くない。最初からこの役をする人はソン・ヘギョしかいないと思って提案し、幸い参加してくださった。シンクロ率120%以上ではないかと思う」と自信を示した。

『ザ・グローリー』の俳優陣

ソン・ヘギョは「容易ではない演技だったが、途方に暮れたときほど台本を振り返った」と話した。彼女は「感情的に大変で残念な瞬間もあるが、その表現をどうすればいいのかという困難もあった。その瞬間、台本に忠実であれば上手くできた。状況、気持ちがよく出ていて、真実だけで表現すればできるという気持ちで演技した」と打ち明けた。さらに「これまでやったことのない雰囲気のシーンを消化し、喜びを感じた」と付け加えた。

『ザ・グローリー』はソン・ヘギョの“ワントップ”に近い作品だが、演技派俳優たちが大挙加勢し、ウェルメイド作品(構成のしっかりした作品)であることを予告する。

俳優イ・ドヒョンは温室で育った草花のように見えるが、大きな痛みを持つムン・ドンウンの助力者“チュ・ヨジョン”を演じる。女優イム・ジヨンは過去、ムン・ドンウンを地獄に追い込んだ校内暴力の主導者で、すべてを失う危機に直面しても罪悪感を持たない“パク・ヨンジン”に扮する。

イ・ドヒョン

キム作家は、現場に4~5種類のバージョンで演技を準備してきたというイ・ドヒョンについては「完璧で話すことがない」と、初めての悪役に挑戦するイム・ジヨンには「天使の顔に悪魔の心臓を持つという表現に符合した」とし、彼らのキャスティングに満足感を表わした。

イム・ジヨンは「悪役は初めてだが、一度くらいは悪意のあるキャラクターを引き受けたかった。台本を見て挑戦したかった」とし、「最初は何かを参考にしようとしたが、私だけができるパク・ヨンジンはどうかと思って準備した」と話した。

イム・ジヨン

ヨム・ヘラン、パク・ソンフン、チョン・ソンイルは、それぞれ家庭内暴力から抜け出すためにムン・ドンウンの手を握り、パク・ヨンジンを監視するカン・ヒョンナム、パク・ヨンジンの友人チョン・ジェジュン、パク・ヨンジンの夫ハ・ドヨンに変身する。

特にヨム・ヘランは、「キム作家の初めての復讐劇を提案されて断る俳優がいるだろうかと思った。それくらい興奮して楽しみだった。台本を読んだ瞬間に驚いたのが、“本当に韓国的な復讐劇が出てきたんだ”と思った。人物が本当にたくさん登場する。その多くの人物を細かく組み合わせて書かれていた。吸い込まれた」と耳打ちし、好奇心を抱かせた。

パク・ソンフン

ムン・ドンウンの冷酷な復讐を扱う『ザ・グローリー』は、青少年観覧不可の判定を受けた。キム作家は「19禁(日本でいう18禁)をつけた理由は、悪口も登場し、校内暴力も登場するが、司法体系の中での復讐ではなく私的な復讐を選んだ話であるためだ。私的な復讐を擁護しない立場なので、ドンウンが持つ哲学は19禁でなければならないと考えた。ちゃんと判断できる大人たちに見てほしかった」と伝えた。

ドラマ『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』パート1は来る12月30日に、パート2は来年3月にNetflixを通じて公開される。

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