『Wild Flower』は、華麗だがすぐに消えてしまう「花火」ではなく、穏やかな「野花」の姿で生きていきたいというRMの願いが込められた曲だ。ミュージックビデオは空を彩る花火の場面で始まり、熱い太陽と漆黒の闇、花びらが舞う空を通り、観客いっぱいの公演会場のステージへと上がるRMの姿が続く。
今回のミュージックビデオは、自然の美しさと仕組みのある構成がRMのどっしりとしたラップと完璧な調和を成す。特にミュージックビデオのモチーフになった韓国の伝統民俗「落火遊び」のシーンが目を引く。
「落火遊び」は、クヌギなどの皮を燃やして作った炭粉を紙袋に入れてぶら下げ、火をつけて花粉のように水上に飛ばす花火を意味する。空ではなく地に向かう「落火遊び」のシーンがミュージックビデオのクライマックスを飾り、「野花のように生きたい」というメッセージを最大化する。
RMのソロアルバム『Indigo』には『Wild Flower』を含め、計10曲が収録された。2015年の『RM』、2018年の『mono.』などミックステープの形式でソロ作品を公開し、自身の率直な話を伝えてきたRMは、初の公式ソロアルバムである『Indigo』にも様々な考えと悩みをそのまま盛り込んだ。
◇RM プロフィール
1994年9月12日生まれ。本名キム・ナムジュン。グループ内ではリーダーとメインラッパーを担当しており、英語が堪能な頭脳派でもある。BTSメンバーの中で最初にBig Hitエンターテインメントに加入したのがRMで、事務所代表のパン・シヒョクはBTSのデビューの経緯について「RMのような子はデビューさせなければいけないと思った。BTSを作ったきっかけは彼だ」とコメントしている。最年少メンバーのJUNG KOOKも「事務所見学の際にRMのラップに惹かれて事務所に入った」と明かしており、実力とカリスマ性を兼ねそなえた人物といえる。