まず通帳脅迫犯が被害者の口座を入手する。そして振り込め詐欺実行犯を募り、口座番号を渡して「この口座にお金を入金してほしい」と依頼。
依頼を受けた詐欺犯は、振り込め詐欺被害者の携帯電話をハッキングし、通帳脅迫被害者の口座に金を送る。
この時、ハッキングした携帯電話で入金者名を変更して入金する。詐欺犯が使った入金者名は「HE942」だった。
振り込め詐欺に遭った被害者は、お金が入金された通帳を停止させてほしいと通帳脅迫被害者に要請することになる。
この時、通帳脅迫犯が「通帳支給停止解除しなければならない」とHE942(変更された入金者名)を根拠に、通帳脅迫被害者に連絡を取る。
それとともに「支給停止を解除するから合意金をくれ」と脅迫。結局、被害者同士で攻め合うため、本当の加害者たちは後ろに隠れることができるという手口だ。
この新手の詐欺は、複雑に絡まっているため追跡が難しいのが特徴だ。また特別な理由なく、口座が他人に露出される場合、誰もが被害に遭いかねない犯罪という点で世間に衝撃を与えた。
口座を公開する中古取引の場合、このような詐欺手法に最も多く露出している。順天郷(スンチョンヒャン)大学のオ・ユンソン教授は、「通帳の脅迫犯は、ただ15万ウォンを送るだけですぐに金に繋がる。例えば釣りをするのに釣り竿30本を垂らしたからといって、全てに魚がかかるわけではない」と、この手法について説明した。
続いて「10%だとしても3つはかかることになる。(その割合でも)この通帳脅迫犯にとっては商売になる」とし、不特定多数がこの詐欺の被害者になりうることを知らせた。
前述の「HE942」と知られた犯人は、引き続きIDを変えながら活動しているという。金融監督院の関係者も、「善意の名義人が、このような悪用事例によって被害を受けることまで予想して法が作られていないため、法令を改正しなければならない状況にある」と明確な対策が現状ないことを伝えた。
銀行関係者も、「知らない資金が振り込め詐欺被害の資金として入金された件と確認された場合には、金融詐欺対応チームを通じて申告人間の中継、資金返還手続きを申請することができる」と説明した。
警察庁経済犯罪捜査課の助手である警部も、「このような通帳脅迫手法は最近だけ起きているのではなく、2017、2018年にも不法賭博が関連していた。このような事件が最近は増えており、厳しく捜査中だ」と明らかにした。