ぺ・スジ初の単独主演作『アンナ』、終わりの見えない“編集権”を巡る葛藤…OTTプラットフォームの問題点

2022年08月04日 テレビ #韓国ドラマ

歌手兼女優のペ・スジ(Suzy)の初単独主演作『アンナ』のヒットの裏に隠れた問題が公になった。

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Coupang Playオリジナルドラマ『アンナ』を巡り、作品毀損と著作人格権侵害の論議がふくらんでいる。該当作品の演出と脚本を引き受けたイ・ジュヨン監督とCoupang Play側が編集権を巡り葛藤が生じている事実が8月2日に明るみに出た。

『アンナ』は6月24日から7月8日まで計6部作で公開されたCoupang Playのオリジナルドラマだ。小さな嘘によって完全に他人の人生を生きるようになった女性の物語で、スジ、キム・ジュンハン、チョン・ウンチェなどが出演して注目を浴びた。

(画像=Coupang Play)ドラマ『アンナ』ポスター

法律代理人法務法人シウを通じてイ・ジュヨン監督は、現在まで公開された6部作の『アンナ』が自身の意見は反映されずに一方的に編集されたものだと主張。代理人側は、「Coupang Playの『アンナ』に対する一方的な編集は韓国国内の映像業界で類例を見ないことで、イ・ジュヨン監督の著作人格権を侵害した行為であり、韓国映像産業の発展とクリエイター保護のために再発防止が至急な事案」であると強調した。

イ・ジュヨン監督はCoupang Playからの公式的な謝罪とともに、単独で編集した8部作のマスターファイルそのままの『アンナ』を監督版としてリリースすること、6部作の『アンナ』から自身の名前を削除することを要求し、「謝罪と是正措置をとらなければ、可能なすべての法的措置をとる」という立場を明らかにしている。

Coupang Play側は8月3日、「数カ月にわたりCoupang Playは監督に具体的な修正に関する要求を伝えたが、監督は修正を拒否した」と立場を伝えた。それとともに、「制作会社の同意を得て、そして契約書類に明示された私たちの権利に基づき、Coupang Playは本来の製作意図と一致するように作品を編集した」と強調し、法的な問題がないと対抗した。

イ・ジュヨン監督とCoupang Playの葛藤は『アンナ』が公開される前から予想されていた。

公の場には一切登場しなかったイ監督

ほとんどのOTTドラマや映画の制作発表会には出演俳優だけでなく、演出をする監督も登場し、取材陣の前で作品に関する話をする。しかし、イ・ジュヨン監督は6月21日に行われた制作発表会に出席せず、『アンナ』公開以降に行われたインタビューにも出演したスジ、キム・ジュンハン、チョン・ウンチェなどは参加したものの、監督の話は俳優たちを通じて聞いただけで、本人から直接聞くことはできなかった。

ずっと公の場に顔を出してこなかったイ・ジュヨン監督が著作人格権の一つである監督の同一性維持権および氏名表示権を侵害する行為に対する問題を提示しただけに、この事件がOTT事業者と制作会社、そしてクリエイター間の著作権問題という話のいとぐちにつながるかどうか、業界の関心が集まっている。

イ・ジュヨン監督

ある放送局のプロデューサーは今回の件に、「クリエイターの同意なしに2話も減らすのは前例のないこと」とし、「このようなことが起こらないようにするために綿密に契約書を検討しているが、現場で動く演出家と資本とチャンネルを握った制作会社、配給会社と異見があるのは当たり前で、再編集の合意点を導き出すのが難しいということは理解している。しかし、演出者の同意なしに一方的に再編集して公開するのは厳然たる権限侵害である」と語った。

「ヒットさせるためには仕方ない」

その反面、また別の制作会社の関係者は「編集過程で制作会社と演出者間の葛藤は一度や二度、起こることではない」としながらも「演出者が編集権と創作の自由を主張するのは当然だが、制作会社と配給会社の立場からしてみれば、膨大な資本を投入して作った作品であり、その結果に対する責任も負わなければならないので、演出者に劣らず切迫している。作品がヒットするために、編集の方向性に対する柔軟な合意が必要だ」と強調している。

すでに公開されたヒットドラマの裏に隠された葛藤が明らかになり、残念な気持ちが隠せない。

先立って、世界中で大ヒットしたNetflixオリジナル『イカゲーム』の場合も著作権および収益配分に関するトラブルが注目を浴びたりもした。Netflix、TVING、ディズニープラスなどのOTTプラットフォームが掌握したコンテンツ市場で『アンナ』に触発された編集権の葛藤は今後も続くものと見られる。

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