BTS(防弾少年団)が“最盛期”で「休止」を選んだ。
「僕たちが少し止まり、緩み、休んでも、今後のより多くの時間のために進むこと」と伝えた彼らは、グループ活動の暫定中断を宣言した。
その理由としては、9年間の多忙なグループ活動で振り返れていなかった、“個人の成長”を挙げている。
中断発表の前日(6月13日)は、BTSのデビュー9周年記念で、10日は9周年を記念したアルバム『Proof』をリリースした日でもあった。
グループが“解散”したわけではないが、最全盛期の状態で活動を中断したため、K-POPを越えてカルチャーに少なからぬ波紋を起こすものと見られている。
BTSは昨年リリースした『Butter』が、米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」で通算10週1位を獲得し、計6曲が同チャート1位を記録するなど、K-POPグループとして空前絶後の記録を叩き出してきた。
そんな彼らの突然のグループ活動中断に対して多様な解釈が出ている。
一つ目は、K-POPシステムに対する悩みだ。
デビュー後、絶え間ない音楽活動とバラエティコンテンツの撮影を続けてきたBTSは、9年の活動期間中、たった2回の長期休暇しか許されないほど多忙だった。
アルバム活動がない期間にも、全世界のARMY(BTSのファンネーム)たちとコミュニケーションを取ろうと努めてきたので、休む暇のない活動が彼らを疲弊させただろうという意見が多い。
活動中止を発表した動画でリーダーのRMも、「K-POPのアイドルシステム自体が、人を熟成させることはない」とし、「ずっと何かを撮らなければならないので、僕が成長する時間がない」と批判した。
「いつからか、うちのグループが何なのか分からない。僕と僕たちのグループが、今後どこに進むべきか分からなかった」とし、グループのアイデンティティと方向性に対する懐疑的な思いも率直に吐露していた。
この他にも、新型コロナ禍で経験したアルバム活動の困難さと、音楽アイデンティティに対する悩みを打ち明け、自分たちが疲れた状態であることを何度も強調。
その一方で、アイドルグループとして活動を休むということ自体に対して、ファンに申し訳ない気持ちも伝えている。
BTSメンバーたちのグループ活動暫定中断は、メンバーたちの兵役も念頭に置いたものと見られる。
兵役特例制度が特別改編されない限り、最年長のJINが年内に入隊しなければならない現在。4月に行われたラスベガスコンサート以後、大衆文化芸術家に対して代替服務を許容する兵役法改正が必要だという声が再び提起されたが、依然として、これに対して否定的な世論と改正案が通過したとしても施行まで数カ月かかるという点で、業界ではBTSが予定通り軍入隊をするということに重きが置かれている。
兵役が避けられず、グループ活動が難しくなるため、ソロ活動に舵を切ったのではないかという解釈も出ているようだ。
メンバーたちも、これまで「ミックステープ」(非正規アルバム)だけで行ってきたソロでの音楽活動を正式展開していくと明らかにした。
そしてそのトップバッターはJ-HOPEになる見通しだ。彼は「基調の変化が確実に必要な時点」と話している。
グループ、ソロを並行してきた他のK-POPグループとは異なり、団体での活動に固執してきたBTSなので、彼らの基調の変化と今後の活動に関心が集まっている。
なお一部では、彼らのソロ活動が兵役による空白期の新たな突破口であり、グループ活動の転換点になると期待する声も出ている。兵役法改正案は依然として係留中であり、入隊の不確実性は今後のグループ活動にとって障害にならざるを得ないと言える。
しかし、むしろソロ活動を始めた方がグループの空白を減らす一方、メンバー一人ひとりが新たな分野に挑戦する機会となり得るはずだ。
動画でJINは「僕は俳優がしたかった」とし、「アイドルをすることになり、より多くのことを経験すると、そちら(俳優)に対する未練がなくなったような気がする。ところが人生は知らないこと(ばかりだ)」と新たな挑戦への期待も伝えている。
もちろんグループ活動の中断が、解散を意味するわけではない。「BTSを長くしたい。長くするためには、僕が僕として残っていなければならない」というメンバーの言葉のように、今後、さらに進むためには過去の時間を振り返る充電期間は必要だ。
しかし、K-POP界のトップとして莫大な波及力を誇るグループでもあるため、その波紋はとてつもない規模になるものと見通されている。発表翌日には早くも影響が可視化されており、HYBE株価が前日比25%以上下落し、最低値を更新したほどだ。
BTSが所属するBIGHIT MUSICは、「BTSはグループ活動とソロ活動を並行する新しいチャプターを始めることになる。メンバー各自が多様な活動を通じて成長する時間になるだろうし、今後、BTSがロングランできるグループになるための滋養分になると期待する。このため、レーベルレベルで積極的に支援する」と明らかにしている。
デビュー10年目としてチャプター2の幕を開けるBTSの航海は、今後どこに向かうのか。世界中から視線が注がれている。
■今年12月に入隊の可能性があるBTS・JIN、兵役問題に言及
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