常習的な麻薬プロポフォールの使用疑惑を受けていた歌手フィソン(本名チェ・フィソン)に、執行猶予が宣告された。
3月9日、大邱(テグ)地裁安東支院・刑事2単独のチョ・スンピョ判事は、麻薬類管理に関する法律違反の容疑で在宅起訴されたフィソンに懲役1年、執行猶予2年を宣告した。また、社会奉仕40時間と薬物治療講義40時間受講、追徴金6050万ウォン(約600万円)も命じた。
裁判所はフィソンに対して、「すでにゾルピデムを投薬した同種の犯行で2018年7月に起訴猶予を受けた前歴があり、今回の事件で捜査を受けた2020年3月には、プロポフォールと効果が似ている専門医薬品を使用し、意識を失った状態で発見された」とし、「このような前歴を見たとき、被告人の麻薬類に対する依存性は相当だと見る」と指摘した。
その一方で、「被告人は一歩遅れて過ちを痛感し、自ら病院に入院して治療を受けている」とし、「睡眠麻酔剤の不正利用をしないという意志に真正性があり、今後再発の可能性が非常に低いという主治医の所見と、過去に刑事罰を受けた前歴がない点などを考慮して刑を決めた」と量刑理由を明らかにした。
先立ってフィソンは2019年12月、プロポフォールを複数回使用した疑いを受けた。慶北警察庁は麻薬関連の諜報を確認する過程で、フィソンがプロポフォールを購入した容疑を捕捉し、起訴意見で2020年4月、検察に送致した。
その後、大邱地方検察庁はフィソンと彼の知人のチョン氏を麻薬類管理法違反の容疑で、2020年8月に在宅起訴した。今年1月に開かれた公判で、フィソンは容疑のほとんどを認め、検察は懲役3年を求刑していた。
特に2020年には、フィソンが薬物投与後に倒れて発見される事件が2度も発生し、非難の的となった。
フィソンは同年3月、ソウル松坡区の建物のトイレで倒れたまま発見され、その1カ月後の4月にも広津区のホテルのトイレで麻酔薬を投薬した状態で倒れたまま発見された。
しかしフィソンが投薬した麻酔薬エトミデートは、麻薬類に分類されたものではなく、参考人調査後に帰宅となった。当時、警察はフィソンがプロポフォールを購入した状況から捜査に着手し、当時は拘束令状も申請したが、逃走と証拠隠滅の恐れがないという理由で棄却された。
フィソン側もうつ病、パニック障害などの症状で精神科の治療を進めていると説明していた。
前へ
次へ