韓国でも人気の『鬼滅の刃』。次にヒットが期待できそうな日本映画は何か

2021年02月24日 映画

韓国に行くと、必ず一度はシネコン(シネマコンプレックス)に足を運ぶようにしている。

韓国映画界の“熱気”を感じたくて、趣味と仕事を兼ねてソウル各地に点在するシネコンの様子を見てくるのだが、かつて映画の街とされた忠武路(チュンムロ)や明洞(ミョンドン)のシネコンは最近、集客に苦しんでいるという。

新型コロナの影響によって苦境にあるとのことだが、それでも昨年末からは少しずつ新作も公開され、活気を取り戻そうと頑張っているらしい。

そんな映画館の様子を見る中で驚かされたのが、日本でも歴代最高興収1位を記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の人気ぶりだ。

「私の中ではONE PIECEを超えたかも」

1月27日の公開初日に観客動員数6万6581人で興行ランキング1位を獲得。公開から1週間は、大手映画館チェーン「MEGABOX」での独占公開という制約のなか、日本同様に鬼滅旋風が巻き起こった。

IMAXや4DXなどを含むCGV、ロッテシネマ、シネQなどにスクリーンが拡大された2月3日には、5万1977人を動員して同じくアニメ映画のピクサー最新作『ソウルフル・ワールド』を追い抜いて再び首位に返り咲いている。

(写真=著者撮影)​​​​​​韓国で上映されている劇場版『鬼滅の刃』

大手ポータルサイト『NAVER』での観覧客評点は9.61(10点満点)。

観覧客が書き込みできるレビュー欄には「最後の戦闘シーンは今まで見たアニメの中で最高」「水と炎の饗宴に胸がジーンとする」「2時間が20分のように感じられた」「アニメだからと無視して見ない人、後悔すると思う」「私の中ではONE PIECEを超えたかも」といった称賛が寄せられている。

韓国のゲーム会社が起こした『鬼滅の刃』に酷似した“パクリ騒動”を蒸し返すような記述もあったが、そのほとんどが好意的だ。

【画像】『鬼滅の刃』のパクり?韓国ゲーム会社の作品が大問題、どれほど酷似していたのか

このような反響も追い風となって、2月17日時点で劇場版『鬼滅の刃』の累計観客動員数は66万人。コロナ禍にもかかわらず日本映画が韓国でもかなり善戦しているといえるが、興行面で『鬼滅』超えを期待できそうな日本映画がさらに公開される。

ファン待望の岩井俊二監督の新作

岩井俊二監督の映画『ラストレター』が2月24日から韓国でも封切られるのだ。

岩井俊二監督といえば、1995年の長編デビュー作『Love Letter』で韓国でもお馴染みの監督だ。

『Love Letter』が韓国で正式公開されたのは、「日本大衆文化開放」の翌年である1999年。日本映画の先頭に立ったともいえるこの映画は、観客動員数115万人の大ヒットとなり、主人公を演じた中山美穂が劇中で叫ぶ「お元気ですかー?」は韓国で最も有名な日本語の挨拶となった。

そればかりか、2013年、2016年、2017年、2019年、そして2020年12月と、これまで5回もリバイバル上映されているほど根強い人気を誇っている。

長きに渡って『Love Letter』を愛してきた韓国の岩井俊二ファンたちにとっては、『ラストレター』は待望の作品でもある。

そんなファンたちの期待に応えるように、2月17日に開催されたメディア試写会・オンライン記者会見には、岩井俊二監督も画面越しに出席。韓国で撮影したショートムービー『チャンオクの手紙』(2017年作)が『ラストレター』の始まりだったと明かした岩井俊二監督は、「映画の感想をSNSに書いていただくのも良いし、手紙を送ってくださっても嬉しい。韓国語が読める友だちに頼んで必ず読みます」と、“レター”にちなんだコメントでファンの期待を膨らませた。

そうした監督のメッセージを受けて、韓国の各種メディアも「初恋のラストレター、岩井俊二の世界へ」(『毎日経済』)、「ラブレターから20年、岩井俊二監督が寄せた『ラストレター』」(『日刊(イルガン)スポーツ』)、「岩井俊二監督、“中山美穂との再会?とてもよかった”」(『スポーツ京郷』)といった見出しを打って盛り上げている。

岩井俊二監督自らも「『Love Letter』のパート2のような感じで作った。だからタイトルも似たような発音にした」と語っているが、韓国でこれほど魅力的な宣伝文句は他にないかもしれない。

ちなみに『ラストレター』の公開を記念して、大手シネコンの一つであるロッテシネマでは「岩井俊二企画展」を2月17~23日に開催中だ。

『花とアリス』『リリイ・シュシュのすべて』『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』『ヴァンパイア』の4作を特別上映しながら“岩井俊二ワールド”に映画ファンを誘っている。

コロナ禍で「密を避ける」ようになったせいでシネコンの客足も遠くが、『ラストレター』は韓国の人々に「劇場空間」だからこそ味わえるノスタルジーを今一度思い起こさせる映画になりそうだ。

(文=慎 武宏)

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