日本のアイドル文化は韓国にも通じた? 48グループがK-POP界に与えた「衝撃」とは

2020年09月21日 話題 #特集 #IZ*ONE
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日本の国民的アイドルといえば、真っ先に思い浮かぶのがAKB48だろう。

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秋葉原ドン・キホーテの劇場を拠点に活動を始めた無名アイドルは、今や日本全国に姉妹グループを抱えるまでになった。

有名どころとしては名古屋の栄を拠点とするSKE48、大阪のなんばを拠点とするNMB48、そして博多が拠点のHKT48が挙げられるが、いずれのグループも正規メンバーと研究生を合わせて50人超えが当たり前の大所帯だ。もはや48グループは、一種の巨大なアイドル組織といっても過言ではないだろう。

そんな48グループ出身のアイドルたちが、最近韓国でも“国民的な人気”を獲得しつつある。

きっかけとなったのは、2018年に放送された『PRODUCE 48』だ。韓国で言わずと知れた有名オーディション番組『PRODUCE』シリーズに秋元康が参入したことで、以前までは話題にも上らなかった日本のアイドル産業が韓国で注目されるようになった。

ここから誕生したIZ*ONEにはHKT48の主力としてグループを牽引した宮脇咲良、矢吹奈子、そしてAKB48チーム8の栃木県代表、本田仁美の3人が所属しているのだが、いずれも韓国人メンバーを凌ぐほどの絶大な支持を得ている。

宮脇咲良は韓国のケーブルチャンネルOliveの『みんなのキッチン』を通じてIZ*ONEメンバーの誰よりも早くレギュラー番組が決定したし、48グループ時代にさほど知名度が高くなかった本田仁美は、ネットユーザーがリアルタイムで“最高のアイドル”を選ぶ韓国の投票サイト「ベストアイドル」の1位常連になるほど支持が厚い。

(写真提供=OFF THE RECORD)宮脇咲良

また、IZ*ONEとしてのデビューは逃したものの、『PRODUCE 48』でその名を知らせた宮崎美穂は、韓国のファンコミュニティ「みゃお党」によって個人のファンアート展が開催されるほどの人気を得た。日本の現役アイドルに韓国独自のファン層が生まれるのは、極めて稀なことだ。

それにしても、なぜこれほどまで48グループ出身のメンバーが韓国で評価されているのだろうか。

(写真提供=Mnet)宮崎美穂

日本のアイドル“ならでは”の可能性

『PRODUCE 48』の放送当時、韓国では48グループからの参加者に対する批判が少なくなかった。“愛嬌”や“成長過程”が評価に直結する日本のアイドル文化は、実力主義のK-POP界に慣れ親しんだ視聴者にとって受け入れがたいものだったようだ。

かといって、日韓の参加者が互いに対立していたかというとそうでもない。

例えばAKB48の佐藤美波は、オーディションの過程で後にIZ*ONEのメンバーとなるカン・ヘウォンと大親友に。母のように面倒見のいいカン・ヘウォンと、そんなカン・ヘウォンを信頼しきった佐藤美波の姿は、韓国の視聴者の胸を打った。

もちろん、佐藤美波が実力の面で他を寄せ付けないような頭角を現すことはなかったかもしれない。しかしながら、言葉の壁を飛び越えて韓国の参加者から“一番の親友”を見つけた彼女は、多くのアイドルファンに『PRODUCE 48』の意義を実感させたといえる。

一方で、圧倒的な歌唱力を見せつけて一躍注目メンバーとなったのが、AKB48から参加した竹内美宥だ。

竹内美宥は、序盤の評価テストで80年代のヒットソング『ダンシング・ヒーロー』のジャズアレンジを披露。高い歌唱力を見せつけただけでなく、パフォーマンス後には「自らアレンジを手掛けた」と明かして審査員を驚かせた。

当時の知名度はというと、過去7回参加した48グループの総選挙順位はすべて圏外(101位以下)で、番組としても彼女の存在はノーマークだった。K-POP界という実力主義の世界で、日本でくすぶっていた才能が日の目を見たわけだ。

(写真提供=Mnet)竹内美宥

竹内美宥は結果的に最終順位17位を獲得。IZ*ONEとしてのデビューは逃したものの、韓国でしっかりと爪痕を残した。『PRODUCE 48』以降はAKB48を卒業し、韓国MYSTICエンターテインメントと契約を結んでソロ活動を行っている。

このように、『PRODUCE 48』に参加した48グループ出身メンバーの活躍を見ると、かなり“撮れ高”に貢献していることがわかる。彼女たちが繰り広げた予想外なドラマの数々は、「決して実力だけがすべてではない」という新たな可能性を韓国芸能界に知らしめたといえるだろう。

抜群のセルフプロデュース力も国民的グループの強み

『PRODUCE 48』の放送が終了してからも、48グループ出身メンバーに対する熱い関心は衰退することを知らなかった。『PRODUCE』シリーズの影響力を考えると当然かもしれないが、彼女たちの活動を見ると「自身らの人気を一過性のブームにしない」と言わんばかりの努力も感じられる。

前述の矢吹奈子は、IZ*ONEの日本人メンバーの中で最も韓国語が堪能であることが知られている。

『PRODUCE 48』初期の矢吹奈子を見ると、その韓国語は決して上手いとは言えない。しかし、IZ*ONEとしてデビューすることが決まってからは、発音こそ日本語的であれ場面に応じて韓国語でコメントするまでに上達している。

今ではネイティブレベルといってもいいほどで、矢吹奈子のあまりにも自然な韓国語に現地のファンが感動することも珍しくないという。

矢吹奈子は韓国ドラマ『花より男子~Boys Over Flowers~』を見ながら韓国語を勉強したらしい。IZ*ONEの単独リアリティ番組『IZ*ONE CHU』では、実際にドラマを通じて覚えた韓国語を披露する場面もあった。

そのほかにも、わからない単語があればすぐに通訳に質問したりと、さまざまなシーンで熱心な一面を見せている。過去にはIZ*ONEのライブ配信を通じて「韓国語は難しい」と頭を抱える姿を見せたことからも、並みならぬ努力がうかがえる。

デビュー当初からキュートなビジュアルが注目され人気を集めた矢吹奈子だが、言葉を通じて韓国のファンに寄り添おうとする姿勢もまた、多くのファンを獲得する要因となった。

最近は、『PRODUCE 48』を機に韓国に進出した高橋朱里の存在も目立つ。

『PRODUCE 48』で最終順位16位を獲得した高橋朱里は、番組の放送終了後にAKB48を卒業。現在はK-POPガールズグループRocket Punchのメンバーとして活躍中だ。

(写真提供=Woolimエンターテインメント)高橋朱里

Rocket Punchはデビューアルバム『PINK PUNCH』がリリース直後から世界5カ国のiTunesチャートで1位を記録し、表題曲『BIM BAM BUM』のミュージック・ビデオは公開から5日にして再生回数が1000万回を超えるなど、デビュー直後から新人らしからぬ人気ぶりを見せている。

高橋朱里に関しても世界中でファンコミュニティが作られるほどで、韓国のネット上では、その絶好調ぶりを目にした『PRODUCE 48』の視聴者から「高橋朱里はRocket Punchに入って正解」「韓国進出大成功」といった声も上がった。

しかし、現状に甘んじることなく独自の手腕で人気に拍車をかけているのが、高橋朱里のすごいところだ。

高橋朱里は現在、Rocket PunchのYouTubeチャンネルを通じてオリジナルコンテンツ[#JURIFUL_DAYS]を定期的に公開している。「韓国でデビューしたJ-POPアイドル」をコンセプトに掲げたこの動画コンテンツの作成は、Rocket Punchのなかでも彼女にしかできないことだ。

映像は言葉だけでなく字幕もすべて日本語で構成されており、予告動画では本人が「韓国デビュー後のリアルを届けたい」とコメントしている。高橋朱里の挑戦は、自身の近況を以前からのファンに伝えると同時に、K-POPアイドルを夢見る日本の若い世代にも勇気を与えたに違いない。

48グループには劇場公演メインの活動の名残ともいえる活発な握手会や、全グループの中から投票制でシングルの選抜メンバーを決定する『AKB48選抜総選挙』なるものがあるだけに、メンバーたちにとって 「いかに自分の個性をアピールできるか」「どれだけファンの心を掴めるか」という点は人気の大きな分かれ道になってくる。

こういった独特な環境もまた彼女たちのセルフプロデュース力を育て、結果的に韓国で厚いファン層を作り出したのではないだろうか。

韓国で“国民的アイドル”の底力を証明し続ける48グループのメンバーたち。実力面では後れを取ることもあるかもしれないが、彼女たちの存在がこれからもK-POP界で重宝されることは間違いないだろう。

(文=姜 由奈)

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