タレントのパク・スホンの実兄をめぐる事件は、いまだ終結していない。
控訴審の判断が下されてからわずか3日後、被告らは最終判断を最高裁に委ねる決断を下した。
パク・スホンの出演料および会社資金をめぐる家族間の紛争は、いまや司法手続きの最終段階へと進んでいる。
12月23日、法曹界によると、特定経済犯罪加重処罰等に関する法律違反(横領)の罪で起訴されているパク・スホンの実兄パク氏とその妻イ氏は前日、弁護人を通じて上告状を提出した。控訴審の判決により実兄パク氏が法廷拘束されてから、わずか3日後の決定だ。
これにより、本件は最高裁の判断を仰ぐこととなった。
宣告直後の法廷では、緊張感の漂う場面も見られた。実兄パク氏は、拘束の可否を問う裁判部の質問に対し、特段の立場を示さなかったとされ、妻イ氏は宣告直後に号泣したと伝えられている。
これに先立ち、ソウル高裁刑事7部は12月19日の控訴審判決で、パク氏に懲役3年6カ月の実刑を言い渡し、逃走のおそれがあるとして法廷拘束した。これは、1審で言い渡された懲役2年から大幅に刑量が引き上げられた結果だ。
裁判部は、犯行手口、被害規模、犯行後の態度などを総合的に考慮し、罪質が重いと判断した。
共に起訴された妻イ氏についても、控訴審は1審の判断を覆した。裁判部は一部横領への加担を認め、懲役1年6カ月、執行猶予2年を言い渡すとともに、社会奉仕120時間を命じた。1審では無罪とされていた法人カードの私的使用部分が、控訴審で有罪と判断されたことで、責任範囲が拡大した形だ。
裁判部は判決文で「家族会社という構造的脆弱性と、告訴人の信頼を悪用した犯行」と指摘した。単なる会社資金の侵害にとどまらず、芸能マネジメント構造全般や租税秩序に悪影響を及ぼした点も、量刑に反映された。特に、被害回復に向けた実質的な努力が不足していたことや、被害者であるパク・スホンが厳罰を求めている点が、不利な事情として作用した。
本件は、2011年から2021年まで約10年間にわたり続いた事件だ。パク氏夫妻は、パク・スホンのマネジメントを一手に担い、出演料や会社資金など総額60億ウォン(約6億円)台の資金を横領したとして、2022年に裁判に付された。
検察は公訴状の変更を通じ、実質的な横領額を約48億ウォン(約4億8000万円)と特定した。1審では会社資金の一部のみが有罪と認定されたが、控訴審では犯行の全体構造と責任について、より広範な判断が示された。
上告審の段階に進んだ本件は、いまや法理の領域に入った。控訴審の判断がそのまま維持されるのか、あるいは一部破棄差し戻しとなるのかによって、家族間の対立の結末も大きく左右される。
最終判断の行方に注目が集まっている。
◇パク・スホン プロフィール
1970年10月27日生まれ。1991年の第1回KBS大学ギャグ祭を通じてコメディアンとしてデビュー。同ギャグ祭出身の4人で活動し、巧みなトーク術や長身のビジュアルで愛された。KBSのバラエティ番組をはじめ様々な番組でMCを務め、国民的なタレントに。2021年4月、自身の出演料などを長年横領してきたとして、マネジメントを務めていた実兄夫婦を告訴。同年7月に23歳年下のキム・ダイェと結婚した。2024年10月、娘が誕生している。
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