日本では詐欺グループの摘発が記憶に新しいカンボジア。韓国では約80人の自国民が行方不明となっていることが明らかとなり、社会的な関心が高まっている。
偶然の一致だろうか、カンボジアではここ数年、韓国の芸能人や著名人に関する不可解な噂や事件が少なくないのだ。
例えば、BIGBANGを脱退した元メンバーのV.I(スンリ)だ。
現在、ネット上では「V.Iがカンボジアの“詐欺団地”と関係している」という説が急速に広がっている。これは、V.Iがあるイベント会場で「Prince Brewing」というロゴの前でマイクを握っている動画が拡散されたことによるものだ。
2024年に投稿されたその動画には、「Prince Brewing」という文字と「Prince Holdings」のロゴと類似した模様が表れ、一部のネットユーザーは「V.Iがカンボジアのプリンス・ホールディング系列のイベントに参加したのではないか」と主張した。
プリンス・ホールディング・グループは最近、“詐欺団地”と呼ばれる地域犯罪拠点の運営主体のひとつとして挙げられている。
元東方神起のパク・ユチョンと結婚を約束したが破局したとされる、“ミルク姫”ことファン・ハナが身を隠しているのがカンボジアだという話も広がっている。
ファン・ハナは2019年に麻薬使用の疑いで執行猶予付きの判決を受けたが、その後も再び麻薬を使用し実刑判決を受けた。2023年にタイへ逃亡し、現在も逃走を続けており、インターポールの国際指名手配中だ。
一部メディアによれば、ファン・ハナはタイから最近カンボジアに渡ったとされ、目撃談も出ている。
カンボジアで不可解な死を遂げた芸能人がいることも見逃せない。
かつて「国民的MC」と呼ばれるも、脱税で有罪となったソ・セウォンさんだ。彼は2023年4月20日、カンボジアの病院で点滴を受けていたところ、心停止で突然この世を去った。享年67歳。
その死因が明確ではなく、遺族はカンボジアの現地警察から糖尿病による心停止とする検案結果が盛り込まれた死亡証明書を受け取ったとされるが、韓国メディア『ディスパッチ』はソ・セウォンさんが死亡したカンボジアの病院でプロポフォールを発見し、彼の死因はプロポフォールだと報じた。
同じく2023年6月にカンボジアの建築現場で、遺体で発見されたインフルエンサーのアヨンさんの死も、いまだに謎に包まれている。
アヨンさんは発見時、遺体は赤い布に包まれ、ぬかるみに遺棄されていたという。現地警察は当時、遺体遺棄などの容疑で病院を経営する30代の中国人夫婦を逮捕した。彼らは「アヨンが病院で抗体の注射を受けて治療をしていたところ、突然けいれんを起こして死亡した。慌てて遺体を遺棄した」と供述したとされた。
しかし、遺体がひどく腫れ上がっていたことや暴行の痕跡が見られたことなどから、事件の経緯に疑問を呈する声が浮上。韓国警察がカンボジア当局に徹底捜査を要請するなどし、韓国の報道番組の取材なども行われたが、事件から2年が経った今も真相は明らかになっていない。
韓国国会の公聴会での報告によると、韓国人がカンボジアで誘拐や監禁の被害に遭った事例は2023年には約21件に過ぎなかった。しかし2024年は10倍の221件に急増し、今年8月時点ではさらに15倍に達しており、深刻な実態が浮き彫りになっている。
こうしたカンボジアでの韓国人被害の急増や不可解な事件は、決して他人事ではないだろう。日本でも近年、カンボジアを拠点にした特殊詐欺グループが摘発されており、同様の構図が浮かび上がっている。
カンボジアをめぐる闇は、韓国だけでなく日本にとっても今後、無視できないテーマになりそうだ。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
■【写真】「ミルク姫」と呼ばれたファン・ハナ、“ド派手”なSNS活動
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