韓国で活躍する外国人タレントが文化の違いを乗り越え、韓国人女性との結婚を知らせて祝福を受ける一方で、かつて議論を巻き起こした外国人タレントにも注目が集まっている。
バラエティ番組『アブノーマル会談』に、フランス代表として出演していたタレントのロビン・デイアナが結婚を伝えた。
ロビン・デイアナは4月13日、自身のSNSを通じて「慎重だが、うれしいニュースを伝えようと思う。私が人生でかけがえのないパートナーに出会い、結婚することになった」と発表した。
続けて「韓国に来て、慣れない環境の中でも笑顔で過ごせたのは、いつも温かく応援し、愛を送ってくださった皆さんのおかげだということをよくわかっている。だからこそ、より慎重に、そして何よりも先に伝えたかった」と語った。
ロビン・デイアナの結婚相手は、トロットグループLPG出身のキム・ソヨン(芸名:ソンハ)だ。2人は『トロットX』という番組で知り合い、自然と交際が始まったという。2人は文化の違いを乗り越えて、ゴールインした。
K-POPアイドルに限らず、ロビン・デイアナのように韓国で活躍する外国人タレントは意外に多いが、文化の違いから騒動に発展したケースも少なくない。
日本人タレントの藤田小百合は、代表的な存在だろう。2007年の韓国KBS2バラエティ番組『美女たちのおしゃべり』(原題)でブレイクし、以降は様々なバラエティ番組に出演して顔を知らせた。
特に彼女は、2020年11月に男の子を出産して話題になったが、それは彼女が精子提供を受け、自らの意思で“未婚の母”となったからだ。
その理由について藤田小百合は「(医師から)自然妊娠が難しい上に、今すぐ試験管をしても成功確率が高くないといわれた。そのときは目の前が真っ暗で、死にたいとも思えた。時間が経てばさらに悪くなるし、タイミングを逃せば一生子どもを持てないと思ったから」と、説明している。
ただ、藤田小百合が育児バラエティに出る際、「非婚母の出産を助長させる地上波放送を直ちに中断してください」という国民請願が登場して議論になったことも。「正しい家族観に悪影響を与える」という主張だった。
それでも、現在、最も次期大統領に近いとされる最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表(当時は京畿道知事)が「一人で父母の役割を果たすと気丈に宣言したサユリさんを見て、素敵だと思った。強く反対される方がいることを知っているが、広い心で見守ってみたらどうか」と提案するなどし、現在は、息子と一緒にテレビに出演するなど、ママタレントとして活躍中だ。
一方、ガーナ出身のタレント、サム・オキアは、ひとつの議論をきっかけにすべてを失った例だ。
彼は2020年、とある韓国の高校生が卒業写真で“棺桶ダンス”をパロディし、顔を黒く塗った写真に文句を言った。
サム・オキアは自身のSNSを通じて、「2020年にこのようなことを見ると残念で悲しい。おもしろくない。私たち黒人の立場では、非常に不愉快な行動だ。絶対にするな。文化を真似するのはわかるが、あえて顔の色まで塗らなければならないのか」と“ブラックフェイス”について指摘した。
すると一部からは「これがなぜ人種差別なのか」と反発する声が上がり、逆にサム・オキア自身の過去の人種差別的発言が再び注目を集めることとなった。さらに、とある女優にセクハラともいえるコメントをしていたことも掘り起こされた。
議論が大きくなるとサム・オキアは謝罪文を発表したが、最終的に彼は出演中だったすべての番組から降板し、韓国の放送界から姿を消した。
それから3年後の2023年2月にバラエティ番組に出演して再び謝罪したが、視聴者の反応は依然として冷淡なままで、復活できていない。
異国の地で奮闘する外国人タレントは、その背景にある文化や考え方の違いで画面に新鮮さを与える。ただ同時に、文化の違いで困難を経験する事例も散見される。
文化の違いに対する理解と、互いを尊重する姿勢こそが、共に歩むための最大の鍵となるはずだ。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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