中国の有名マジシャンで、3000万人ものフォロワーを持つインフルエンサーの高玉天が、「韓国が中国文化を盗んだ」と主張して韓国から批判を浴びている。
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高玉天は最近、ソウルの国立古宮博物館を訪れた際に撮った動画を、“中国版TikTok”と呼ばれる「抖音(ドウイン)」に投稿。この動画で彼は、「韓国は中国の刺繍を盗み、渾天儀(天体観測機器)も中国由来のものだ」「金属活字も唐(618年から907年まで続いて中国の王朝)の印刷技術を模倣したものだ」といった主張を展開した。
この発言に対し、韓国・成信(ソンシン)女子大学のソ・ギョンドク教授が反応。彼は4月1日、自身のSNSに「当該動画はすでに本人のアカウントからは削除されているが、現在も他のアカウントによって拡散が続いている」「このマジシャンは抖音だけで3000万人のフォロワーを抱えており、その影響力は無視できない」と投稿し、警鐘を鳴らした。
さらに、「最近の中国SNSでは、『韓国が中国文化を盗んだ』といった内容の動画が継続的にアップされており、これは韓国文化が国際的に注目を集める中で、文化的主導権を失いつつあることへの焦りや劣等感の表れだ」と指摘。「主張は感情的かつ非論理的で、歴史的な根拠にも乏しい」と断じた。
こうした動きは高玉天に限らず、ほかの中国人インフルエンサーの間にも広がっている。最近では、ある中国人クリエイターがキムチを漬ける様子をインスタグラムのリール動画に投稿し、再生回数が1000万回を超える大きな反響を呼んだ。しかし、その内容はキムチが中国の伝統料理であるかのように受け取られる表現になっており、視聴者の間で物議を醸した。
ソ教授は、「こうした文化の歪曲は明らかに問題だが、それと同時に、韓国文化が今、世界でいかに大きな影響力を持っているかを示す現象でもある」として、「このような事態を逆手に取り、韓国文化を世界に正しく伝える良い契機とすべきだ」と強調した。
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