韓国のゲーム業界に男性嫌悪の狂風が吹いている。
韓国社会全体に蔓延していた性別間の葛藤が現在、ゲーム会社と男性ユーザーに対する“テロ”へとつながっている状況だ。
最近、韓国アニメーション制作会社「スタジオ・プリ」で、チーム長級で活動していたあるアニメーターがSNSに多数の男性嫌悪と関連した掲示物を作成したり、リツイートしたりした事実が明らかになった。
また、「こっそり○○続けてあげる」という文章まで発見され、大きな波紋を起こしている。
実際にそのアニメーターが参加した様々なゲームのPV映像(製品やコンテンツを広報する映像)で、“トングの手の形”をしているキャラクターが発見された。“トングの手の形”は特定コミュニティで、男性器の小ささを嘲弄する象徴となっている。
厳然たる嫌悪表現であり、実はこれも男性に向けたセクハラと変わらない。実際に2021年には有名コンビニやチキンブランドなどの広告で、その手の形が使われて議論が発生し、謝罪した前例がある。
もちろんキャラクターの動きが自然な過程で出てきた手の動きであるならば問題にならないが、倒れたり戦闘したりしている他のキャラクターの指が正常であるにもかかわらず、あえてトングの形をしている理由はない。
そんな表現が発見されたのは、『メイプルストーリー』『アラド戦記』『ブルーアーカイブ』『エターナルリターン』『エピックセブン』など、韓国主要ゲームの広報映像だ。「スタジオ・プリ」はネクソン、Nimble Neuron、スマイルゲートなど韓国主要ゲーム会社の映像外注作業を担当した。
始まりは11月23日に公開された『メイプルストーリー』の職業「エンジェリックバスター」のリマスター広報映像からだった。先週末には、ユーザーが映像の中のエンジェリックバスターの不自然な親指の角度と“トングの手の形”を捉えた。続いて、他のゲームでも似たような問題が次々と発見された。
ネクソンをはじめとするゲーム会社は、協業を進めていたすべての映像を削除し、謝罪文を掲載。また協業対象でなくても、これまで制作したすべての映像に対して全数調査に着手すると発表した。
特に会社間の契約で構成された外注作業物に、“こっそり”と嫌悪表現を入れたという点が衝撃的だ。本当の問題は、この事態を解決するために乗り出さなければならない多くの人々だろう。一人の誤った信念と行動から始まった問題という点で、テロリストと変わらない行為だ。
ゲーム会社とユーザーは、アニメーターが映像に隠しておいた嫌悪表現を探すために、すべての映像を1フレームごとに分析している。疑わしいシーンはさらに多い。
現在、問題のアニメーターが“こっそり”入れた嫌悪表現を捜し出すために、ゲーム会社の職員らは昼夜を問わず全数調査中だ。ここにユーザーたちも加勢して、1フレームごとに映像に隠れている“トング”を捜し出している。
“トング”は映像の中のキャラクターの指だけでなく、雲や煙、はなはだしくは模様からも見つけることができた。もちろんユーザーは疑惑を捜し出すだけで、本当に嫌悪表現なのかを選り分けるのはゲーム会社がすべきことだ。
一部では「トングの手の形が悪口なのか」「大したことない手の動作に過剰反応している」とし、むしろ男性が指一本で女性を脅かしているとの声も出ている。しかし、すでに人々は過去の葛藤の事例を通じて、あの手の形が韓国社会では悪口に通じると知っている。過去の「イルベ」(韓国の電子掲示板サイト、日刊ベストストアのこと)のようにだ。
また、問題のアニメーターがPVに嫌悪表現を入れたという事実を自ら明らかにしたため、悪口を言っておきながら言わなかったと主張するのは詭弁に過ぎない。
ユーザーらは「この事態はテロだ」と主張している。とある業界関係者も「男性器が小さいという手の形がそんなに重要なのかという論理で、1フレームずつ入れているのが理解できない。これはテロだ。予期せぬところに爆弾を隠しておくテロだ」と訴えた。
今回の事態によって会社間の契約違反はもちろん、どれほど多くの金銭的な被害が発生するかは想像できない。全数調査が終わった後、ゲーム会社が決断を下すとみられる。
前へ
次へ