ガールズグループNewJeans(NJZ)のメンバーが矢面に立って発言を続ける一方、彼女たちの“生みの親”であるミン・ヒジン前ADOR代表取締役が沈黙を続ける状況が「果たして適切なのか」と批判が上がっている。
【詳細】NewJeansがBBCに独占告白した「活動休止の理由」
3月26日に『BBC Newsコリア』が公開した独占インタビューで、NewJeansメンバーのダニエルは「違う結果を予想していたが、ニュースを見た全員が衝撃を受けた記憶がある」と、ソウル中央地裁による「NJZ」としての独占活動禁止の決定が想定外だったと語った。
ミンジは「大きな精神的苦痛を受けたのに、その会社に戻ってまた(辛いことを)耐えなければならないなんて残酷だ」とし、ADORへの復帰に否定的な見解を示した。
NewJeansは先日、アメリカ雑誌『TIME』とのインタビューで「裁判所の判決には失望した」「もしかしたら、これが今の韓国の現実なのかもしれない」「韓国は私たちを“革命家”にしたがっているような気がする」などと発言した。
彼女たちの発言が全世界に発信された後、韓国国内からは「法的な争いを海外の世論戦に追い込むことは適切なのか」と批判が殺到した。特に、K-POP産業と韓国社会を否定的に描写する表現が含まれたことで、一層その声は高まっている。
そんななか、NewJeansは23日に香港で公演出演時にステージ上で「判所の決定を尊重し、しばらくすべての活動を止めることにした」と発表した。
裁判所の判決に「失望した」という当初の立場から、「尊重する」という立場に切り替えたのだ。
だが、新たに公開された『BBC Newsコリア』のインタビュー動画でADOR復帰を「残忍なこと」と表現したことから、NewJeansメンバーとADORの間の亀裂は依然として深いものとみられる。
ADORは「裁判所の決定にもかかわらず、NewJeansではない別の名前で公演を強行したことと、一方的に活動休止を宣言したことに対して非常に残念に思う」としながらも、「ADORは有効な専属契約に基づき、NewJeansのために最善を尽くそうと思う。早い時間内にアーティストと会い、未来に対する議論ができることを希望する」と関係修復の余地を残している。
ここで気になるのは、今回の騒動の“出発点”ともいえるミン・ヒジン氏が沈黙を守り続けていることだ。
騒動が勃発した初期には自ら記者会見を開き、自身の立場を積極的に表明していたが、最近はNewJeansが代わりに矢面に立ち、メディアとのインタビューなどを通じて声を上げる構図に変わっている。
このため、かつての「HYBE対ミン・ヒジン」という構図から、現在は「ADOR対NewJeans」に変化しているという見方も出ている。
何より、10代後半や20代前半という幼いアーティストたちが重大な法的紛争の最前線に立たされていること自体が「果たして正しいのか」との指摘もある。
NewJeansのメンバーたち自身は、『BBC Newsコリア』のインタビュー内でこうした世論に反論している。
「人々は簡単に“あの子たちは幼いから”、“あの子たちが自分たちで決めるはずがない”と言う。でも、だからといって私たちがこの状況を真剣に受け止めなかったり、あまり悩んでいないということでは決してない」とし、「私たちはいつもお互いに“もし一人でも望まないなら、私たちはしない”と言ってきた」(ハニ)
とはいえ、仮処分が決定した後もメディアを通じて積極的に発信を続ける姿勢に対しては懸念の声もある。
法的判断を尊重することが「法治国家の基本原則」である以上、K-POPシステムを基盤に人気を得たNewJeansのようなグループが、メディアとのインタビューを通じて韓国社会やK-POP産業を批判するやり方こそ、かえって彼女たち自身の立場を不利にしかねない。
◇NewJeans(NJZ)プロフィール
2022年7月22日にミュージックビデオを公開し、「NewJeans」として電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートイン。所属事務所ADORとの紛争のなか、2025年2月7日にグループ名を「NJZ」に変更すると発表した。
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