2024年も大盛況のまま終了した「MAMA AWARDS」。人気アーティストたちの祭典を見ようと全国各地から会場まで駆け付けたファンたちは、どんなところに“K-POPの魅力”を感じているのだろうか。
【写真】“K-POPレジェンド”BIGBANG、「MAMA」での完全体ステージ
11月21日から23日の3日間にかけて、日本では京セラドーム大阪、アメリカではロサンゼルスのドルビー・シアターで「2024 MAMA AWARDS」が開催された。
そもそも「MAMA AWARDS」とは、1999年にMnet「映像音楽大賞」としてスタートした最大級のK-POP授賞式だ。
2009年に“韓国初のアジア音楽授賞式”を宣言して「Mnet Asian Music AWARDS」に改称すると、2022年に現在の「MAMA AWARDS」(以下、「MAMA」)にリブランディングし、韓国の音楽産業の成⻑とともに着実に進化を遂げてきた。
そして今年、ついにアジアの枠を超え、K-POP授賞式としては初めて世界音楽市場1位のアメリカでも同時開催。25年続く「MAMA」の歴史に新たな1ページを刻んだ。
全世界で生中継された「MAMA」では、今年も多くの豪華アーティストが登場。大ブームを巻き起こしたBLACKPINK・ロゼとブルーノ・マーズの『APT.』世界初披露をはじめ、9年ぶりに「MAMA」に出演したG-DRAGONのソロステージ、サプライズ登場したSOL(テヤン)とD-LITE(テソン)も加わったBIGBANGのパフォーマンスなど、アメリカと日本で3日間合計9万3000人余り集った観客を熱狂させた。
そんな「MAMA」の熱気を体感すべく、日本公演が行われた京セラドーム現地を取材した。
開演2時間前の時点で会場には多くのファンが詰めかけ、グッズやペンライトを手に記念撮影をする姿が多く見られたが、特に目を引いたのが「ファン層の幅広さ」だ。
例えば、「今日はENHYPEN目当てで来ました!ENHYPENのダンスや曲がかっこよくてファンになりました。今日のパフォーマンスも楽しみです」とペンライト片手に笑顔を見せた奈良在住の高校生Aさん(10代、女性)は、なんと学校終わりに「MAMA」に来たという。
「K-POPのダンスのレベルの高さと独特のコンセプトに沼っちゃいました」というAさん。「K-POPアイドルの一糸乱れないダンスは本当にかっこいいです。SNSのダンスチャレンジで、他のグループのダンスをかっこよく踊る推しの姿を見るのが嬉しいです」と、K-POPの魅力を熱く話してくれた。
その一方で、TOMORROW X TOGETHER のファンだという40代のママ友BさんとCさんは、また違ったK-POPの良さを語る。
Bさんは「元々BTSのファンだったんですが、弟グループのTOMORROW X TOGETHERの可愛い感じにハマりました。最近は、どんどんクールで大人っぽい曲が増えて、成長を感じています」と、“推しの成長する姿”に夢中になったという。
また、Cさんは「K-POPは自主コンテンツが多いのが嬉しいです。プライベートな雰囲気を感じられるし、そこで見せる可愛い魅力がステージとのギャップがあっていいです」と“素の可愛さ”を熱弁。
さらには「自分たちで作詞・作曲してプロデュースしたり、楽器が演奏出来たり、いろんな才能を持っている人がいてすごいと思います」と、K-POPアイドルの持つ“多彩な才能”にも言及した。
親子でK-POPアイドルを応援するファンも、世代間で異なる魅力を感じているようだ。
熊本から新幹線に3時間乗って会場を訪れた娘Dさん(20代)と母Eさん(50代)親子。2人は「MAMA」で初パフォーマンスを披露したガールズグループiznaのファンだという。
「オーディション番組を見て、かっこいいと思って応援しています」と、“同じ女性としてのカッコよさ”に惹かれたと話す娘のDさん。一方で、母親のEさんは「夢に向かって努力する姿や成長する姿を見て応援したくなりました。娘と同世代ぐらいで、ついつい親目線で応援してしまいます」と、娘とは違った“推しポイント”を見出していた。
また、男性ファンたちもK-POPの魅力を思い思いに語ってくれた。
友人に曲を勧められてIVEのファンになったというFさん(20代)は、K-POPにハマったきっかけを「J-POPとは異なる曲やパフォーマンスがかっこよくて」と告白。「K-POPの曲はラップがあるのが特徴だと思いますが、そのラップパートをスタイリッシュに歌う姿が好きですね」と、K-POPソングの良さを伝えた。
そのFさんの友人Gさん(20代)も「ENHYPEN目当てで来ました。同性ですが、曲や雰囲気、パフォーマンスがかっこよくて応援しています!推しはニキです」としながら、「個人的にK-POPのファッションが好きです!僕自身ファッションが好きなので、K-POPアイドルのファッションをよく真似しています」と、曲やパフォーマンスだけに収まらないK-POPの魅力を明かしていた。
今回の取材では、アイドルたちと歳の近い若い世代はダンスや楽曲、ファッションなど「同世代としてのカッコよさ」に、親世代は「我が子のような可愛さ」や「成長のために努力する姿」に魅力を感じるという声が多く伝えられた。
筆者自身もK-POPをこよなく愛する一人であり、これまで“推しアーティスト”のライブに行ったこともあるが、今回の「MAMA」で感じたのはその年齢層の幅広さだった。
取材に応じてくれた人々以外にも、若い世代はもちろん、家族連れやママ友、夫婦、カップルで会場を訪れたファンを多く目にした。それだけ、幅広い世代を虜にする魅力がK-POPにあるということを改めて実感した。
今や世界的に一大音楽ジャンルとなったK-POP。国や年齢、性別を問わず多くの人々を魅了するアーティストたちに今後も注目していきたい。
(取材・文=伊藤千納)
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