“NewJeansの母”ミン・ヒジン氏が“子”を残して去った。彼女のADOR社内取締役辞任によって、大衆の目は自然とNewJeansに向かっている。
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母を失い、HYBE社内で取り残された身となったNewJeans。しかし、業界ではミン・ヒジン氏のADOR社内取締役辞任が、NewJeansの専属契約解除訴訟の出発点になると見られている。
HYBEが今年4月に行ったADORに対する監査から始まった内紛は、その7カ月後にミン・ヒジン氏がHYBEを離れたことで“第1戦”の幕を閉じた。
ただ、HYBEとの確執は新たな局面に入ったと見られる。事実上の“場外戦争”の本格的な始まりといっても過言ではない。
ミン・ヒジン氏は追加の法的措置を予告した。
11月20日に社内取締役辞任を発表し、HYBEの違法な法監査、虚偽事実の流布、メディアプレーなどを強力に批判した彼女は、HYBEと締結した株主間契約を解除し、HYBEに株主間契約の違反事項に対する法的責任を問うと公表した。
同時に、「HYBEとその関係者の数多くの違法に対しては、必要な法的措置を一つひとつ進行する予定だ」と明らかにした。ミン・ヒジン氏とHYBE、双方による法廷での熾烈な攻防が予想されるだけに、事態が100%解決に至るまでには相当な時間を要するものと見られる。
これに先立ち、HYBEは4月にミン・ヒジン氏が経営権奪取を試みたとして監査に着手したのに続き、ADOR取締役会を掌握し、ミン・ヒジン氏を代表取締役職から解任した。
その後、ADORは10月にミン・ヒジン氏を社内取締役に選任したが、ミン・ヒジン氏は自身をADOR代表取締役に復帰させてほしいという旨の仮処分申請を提起した。
しかし、裁判所は10月29日、ミン・ヒジン氏の仮処分申請を却下。翌日、ADORは代表取締役会でミン・ヒジン氏の代表取締役選任案を否決した。
ミン・ヒジン氏が辞任を発表したことで、NewJeansの今後の動向にも関心が集まっている。NewJeansもやはりHYBEと軋轢が生じ、“戻ることのできない川を渡った”状態だからだ。
NewJeansは9月、ユーチューブで突如実施した緊急生配信を通じて、ミン・ヒジン氏をADOR代表取締役に復帰させてほしいとHYBEに宣告した。
また、11月13日にはADORに対し、メンバー5人の本名(キム・ミンジ、ハニ・ファム、マーシュ・ダニエル、カン・ヘリン、イ・ヘイン)による内容証明で「専属契約の重大な違反事項をすべて是正せよ」とし、「是正要求を受け入れなければ専属契約を解除する」と“最終宣告”をした。
ただ、ミン・ヒジン氏がADOR、そしてHYBEを離れたことで、NewJeansのメンバーたちが要求してきた「ミン・ヒジン氏の代表取締役職復帰」は不可能になった状況だ。
一部では、NewJeansが専属契約解除訴訟を通じてミン・ヒジン氏と“同じ船”に乗ろうとしているのではないかと見られている。
NewJeansがADORを相手に事実上の専属契約解除訴訟を予告したため、ミン・ヒジン氏とNewJeansがHYBEを離れ、新たな出発をしようとするのではないかという見られているのだ。
Bunneis(NewJeansのファンネーム)もやはり、NewJeansがHYBEを離れ、ミン・ヒジン氏と“再タッグ”を組むことを望んでいる雰囲気だ。
ミン・ヒジン氏は社内取締役辞任を発表する以前、自身のSNSに「NewJeans never die(NewJeansは絶対にしなない)」という字句が含まれた写真を公開した。
NewJeansも16日に行われた「2024 Korea Grand Music Awards」で大賞を受賞した直後、「NewJeansじゃなくても、NewJeansはNever die」と意味深な受賞のコメントを伝えた。この発言には、専属契約紛争が行われたり、グループ名を変えて活動したりする状況などを踏まえたものだという推測が出ている。
NewJeansは今後、変わらず支持を送り続けるミン・ヒジン氏に別れを告げるのではなく、HYBEを相手に専属契約紛争に本格手に乗り出すだろう展望が有力視されている。
もっとも、専属契約紛争が行われるとなれば、長期戦になる可能性は高い。すでに活動中断期間が長引いている状況で、グループのイメージにもより激しい毀損を招くものと見られており、懸念する声も出ている。
とあるK-POP界関係者は、「歌手が所属事務所に直接、経営権と関連して公に要求をした事例は見当たらない。それだけNewJeansとミン・ヒジン氏の信頼関係が強いという意味だ」とし、「ミン・ヒジン氏は今後、残った訴訟と独立に没頭するものと見られる。NewJeansは専属契約解除訴訟で、HYBEとNewJeansとの間の“信頼関係破綻”の証拠として、内容証明の内容を掲げる確率が高い。ただ、その過程で深刻なイメージ消費が予想され、その後も現在のような火力を出せるかは未知数だ」と話した。
なお、ミン・ヒジン氏は辞任の意思を明らかにした同日、ソウル中央地裁にHYBEを相手にプットオプション(株式買収請求権)行使による代金請求訴訟も提起した。
仮にプットオプションが正常に履行されれば、2022~2023年度の営業利益を基準に算定すると、約260億ウォン(約29億円)を受け取ることになる。
だが、現在は同件と関連した法的争いが数カ月間進行中であるため、当該の金額を受け取る可能性は現時点では不明となっている。
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