韓国の仁川(インチョン)国際空港が、有名人の出入国時に発生する空港内の混雑と事故の危険を防ぐため、別途に出入口を導入することがわかった。
【写真】一般人にフラッシュ…問題のビョン・ウソク“過剰警護”
10月23日、仁川国際空港公社(以下、空港公社)によると、公社側が最近、各芸能事務所に「アーティスト出国時の仁川空港専用出入口使用手続き遵守協力要請」という公文書を発送した。
公文書には、「群衆の雲集を引き起こす状況を最小化するため、芸能人などの有名人が仁川空港出国場専用出入口を利用できるよう新規手続きを用意し、28日付で施行する計画だ」と書かれている。
空港公社がいわゆる「有名人専用出入口」を導入するようになった発端は、今年7月に発生した俳優ビョン・ウソクをめぐる“過剰警護”問題だ。
ドラマ『ソンジェ背負って走れ』で絶大な人気を得たビョン・ウソクは当時、海外ファンミーティングのため仁川国際空港を通じて出国した。この際、警護員が一般の乗客にフラッシュを当てたり、航空券やパスポートの確認をしたりするなど、“皇帝警護”と呼ばれるほどに過剰な警備体制で物議を醸した。
この問題を受けて、空港公社は9月より有名人の出入国時に300~500人以下の人員が密集する場合、仁川国際空港の空港警察団が現場を統制し、秩序維持を指揮する「有名人出入国時細部対応マニュアル」を施行。そして今回、「有名人専用出入口」も導入する流れとなった。
空港公社によると、「有名人専用出入口」は芸能人のために専用出入口を新たに設けるのではなく、すでに存在する「乗務員・都心空港専用出入口」の利用対象に、多重密集状況を誘発し得る有名人を含むものだという。
各事務所や芸能人は今後、別途の出入口を利用するには、使用日時や所属、名前、航空便などが書かれた書類を空港公社に提出し、仁川国際空港警察団に警護員配置に関する事前申告を終えなければならない。
空港公社は提出された内容を基に予想される密集度を推算し、過度な群衆が集まると判断した場合、別途の出入口利用を許可する。
ただ、「一般利用客の便宜と安全のための措置」という空港公社の説明に対し、一部では「芸能人のための特恵ではないか」という批判も出ている。事故を予防するためのものとはいえ、公務ではなく個人の営利活動のために出国する芸能人に対し、別途の通路を提供すること自体が公平性に反するというのが批判の理由だ。
この“特恵騒動”に対し、空港公社は報道資料を通じて「今回の措置は芸能人のためのものではなく、現場の混雑状況に備え、空港を利用する旅客及び一般利用客の安全および便宜を確保するためのものだ」と、改めて「有名人専用出入口」の導入理由を説明していた。
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