“ク・ハラ法”に続くか…突然この世を去った『パラサイト』俳優の名をつけた「イ・ソンギュン法」発議

2024年09月05日 話題

警察の捜査を受けていたなかで突然この世を去った俳優のイ・ソンギュンさんの名前がつけられた法案が発議された。

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共に民主党のチュ・チョルヒョン議員は9月4日、国会で記者会見を開き、刑事事件の捜査および公報での人権保護に関する法律案、通称「イ・ソンギュン法」を代表発議した。

今回の法案は、既存の捜査機関ごとに設けられていた公報に関する規定を法律に格上げし、捜査・公報の過程で適用が必要とされる一連の人権保護規定を盛り込んだものだ。

制定案ではまず、捜査権の乱用禁止を明示している。具体的には、△合理的な根拠のない別件捜査、△捜査期間の不当な遅延、△正当な理由のない事件関係者の繰り返しの召喚、△事件関係者の家族などへの無分別な拡大捜査といった人権侵害を引き起こす不当な慣行の禁止を明文化した。

また、供述の強要や不当な利益・便宜の提供など、捜査という名の下で行われてきた捜査担当者による強圧や取引を遮断するよう規定。さらに個人情報の収集範囲を「捜査上必要な最小限」に制限し、捜査過程で得た事実の不当な利用や流出も厳禁とした。

イ・ソンギュンさん
(写真提供=OSEN)イ・ソンギュンさん

捜査に関する公報も制限される。刑事事件の公報は必ず法律に基づくことを明記し、捜査機関の長が指定した単一の担当者が公報を専任するよう規定した。また、公報担当者が公報過程で知り得た事実を不当に利用したり流出させたりできないように明文化されている。これは、事件関係者の私生活や個人情報が公報段階で流出する弊害を防ぐためだ。

今回の制定案では、△撮影制限などの肖像権保護措置、△事件関係者の出席情報の原則非公開、△事件関係者の私生活や個人情報の流出に伴う国家賠償責任などが盛り込まれた。

チュ・チョルヒョン議員は「捜査権は厳然たる公権力であり、被疑者や被害者の基本権侵害を伴う場合が多い」と述べ、「イ・ソンギュン法の発議が刑事法分野における人権保護の基礎となり、事件関係者の基本権を保障し、捜査を通じた真実究明の正当性をさらに強固にする契機となるよう、早期の国会通過を期待している」と伝えた。

韓国では8月28日に、扶養義務を果たさなかった相続人の相続権を制限する民法改正案、通称「ク・ハラ法」が成立している。

なお麻薬投薬容疑で捜査を受けて突然この世を去ったイ・ソンギュンさんの捜査情報流出事件は、検察が現在調査中だ。関連して、警察官や捜査官など4人が検察に送致されている。

◇イ・ソンギュンさん プロフィール

1975年3月2日生まれ。2001年、MBCのシチュエーションコメディ『恋人たち』(原題)でデビュー。2007年のドラマ『白い巨塔』韓国版で正義感の強い“チェ・ドンヨン(日本の里見脩二)役”を演じてブレイクし、『コーヒープリンス1号店』『パスタ~恋が出来るまで~』『ゴールデンタイム』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と数多くの人気ドラマに出演した。映画『僕の妻のすべて』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』などでも高い演技力を発揮。プライベートでは2009年5月に女優チョン・ヘジンと結婚しており、同年11月に長男が、2011年8月に次男が産まれている。2023年12月27日、48歳でこの世を去った。

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